企業事例の使い方について
さんざんIT企業は事例を見た方が良いと言いましたが、事例を見る際のポイントを付け加えておきます。
それは事例の「傾向」を見た方が良いという事です。
また、どの事例を「全面に押し出しているか」という点も重要です。
例から見ていきましょう。
まずは「株式会社システナ」から見ていきます。システナはITソリューションを提供する会社であると同時にメーカーから委託されたIT機器の取り扱いも行なっています。
2022年2月現在、システナの実績として大きく取り上げられているのは7つのようです。この7つが会社として宣伝したい事例なのが分かります。
次に個別事例を見ていきましょう。全部を紹介してもしょうがないので絞ります。
まずはこちらの事例からです。アプリケーション開発はだいたいどこの企業もやってますが、大事なのは「iPad」という文字が3回使われているところです。「iPadを導入し」や「iPadで登録した」などの文字。もちろんiPadもITに関係が無い訳ではありませんが、あまり他社の導入事例で強調される事はありません。
もう一つ事例を確認しましょう
こちらもソリューションはよく見るものですが、「2週間」という文字が後半でやたら出てきます。どうやら記事を作成した人は「2週間」という点に重きを置いているようです。
この2つ以外の記事でもスピードや短納期といった単語が良く出てきます。
今まで出た情報から類推するとシステナは「スピード感を持ち、なおかつiPadなどの現物を扱いながら、予算をかけづらい(人月で考えると短期間なほど予算は下がるため)、かゆい所にも手が届くようなソリューションを提供している」と判断できます。
少し飛躍している部分については大目に見てください。
今度はもう少し分かりにくい企業で検討してみましょう。
「大和総合研究所」と「野村総合研究所」と「日鉄ソリューションズ」の事例を使っていきます。
大和総研
野村総研
日鉄ソリューションズ
野村総研とnssolは検索画面が比較的似ていると思います。
一方で、大和総研はシステムソリューションの中に「社会保険ソリューション」と少し見慣れない文字が含まれていますね。
詳しく見ていくと、他の会社には無い、「健康保険組合」向けのサービスの部分に力を入れて書かれている事から、他者との差別化ポイントの一つだと考えられます。
またアジアの事例に関してもページ内の多くの部分を占めている事から、日本だけではなく、国際的な協力も展開している点も注目ポイントです。
野村総研はどうでしょうか。
オーソドックスなWEBページながらも、金融機関に対してのソリューションに絶対的な自信を持っている事が分かります。
勘定系はもちろんの事、リスク管理についても頼れる事が伺えますね。
nssolは?
いまいち違いが見えにくいですが、事例を10や20は見ていくと、システムを統合して、より連携を強化できるという点が強みなようです。
まさに製鉄所とサプライヤーで培われた技術が他社にも活かされていますね。
こうした視点は他社を見る際にも活かされます。
例えばisidは事例を見ると、見えない課題に対する提案力といった部分を重点的にアピールした文章になっています。
丸紅情報システムズはやたら3Dプリンタを押し出していますね。
三井情報は既に導入されたシステムのラストワンマイル、もう少しの部分を改善する事が得意なようです。
SIerはやっている事は似通っています。内販比率100%なら親会社について語れば良いですが、外販比率が高いとそうはいきません。
企業の導入事例というのは、まさに他の企業に対して、「うちはこういう事ができるよ」とアピールしている部分なのです。
当然、UIや記事の書き方から、どこに力を入れているかという所は自然と分かります。
どのような意図を持ってページが作られたのか、という点は他の業界の導入事例もそうですし、企業の新卒採用ページに載っている社員紹介も同じです。
意図を考えながらサイトを見るようにしましょう。
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