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WRENCH ~サイン入りレコードA to Z (Donuts版) 第24回 WRENCH

※無料で全文読める「投げ銭」スタイルのノートです。

2017年12月5日から2020年3月31日まで『ドーナツマガジン』に掲載された『サイン入りレコードA to Z』という連載コラムを加筆修正したものです。

レコード&昭和プロレス愛好家のゴベと申します。
今回は、我がコレクションの中でも特殊な1枚からスタート!

第24回 WRENCH

(2018年6月5日公開記事を再編)

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WRENCH
『WRENCH』 12"

和田成文、坂元東、松田知大、名越藤丸 、その他大勢
1995年11月28日 @下北沢Shelter

WRENCHは4人編成のバンドなんですが、このレコードには10人以上のサインが入ってます。
何故こんな事になったのか、説明しましょう。

1995年11月28日
WRENCHを観にシェルターへ。
物販で新作の12インチを購入。WRENCHにとって初のアナログ盤です。記念にサインを入れてもらおうと、メンバーが出てくるのを待ちました。

最初にサインを入れてくれたのはギターのキューくん(坂元東氏)。シンプルに「Q」と書いてくれました。

「随分あっさりしたサインだなぁ」と思いながらキューくんのサインを眺めていると、背後から「(曲名が記載されている)ジャケットのシール、オレが貼ったんだよなぁ」という声が。えっ、と振り返ると、プンクボイことトクちゃん(a.k.a. ロマン優光)がいました。無言でペンを凝視するトクちゃんのプレッシャーに耐えられなくなった私は、思わず「トクちゃん、サインを入れてもらえますか?」と言ってしまったのです。不本意ながらプンクボイのサインをゲット・・・。

すると、近くにいたBUZHOULのドラマー、アラタくんが「WRENCH、レコードを出したんだ。見せて!」と言うので差し出すと、「オレもサインを書きたい!」と言い出し、ためらうことなくサインを書き込みました。しかも似顔絵付きで。「トクちゃんはともかく、あんたは全く関係無いじゃん!」と思いましたが、時すでに遅し・・・。

呆然と立ち尽くす私の前に、ベースのマッちゃん(松田知大氏)が現れました。やった! と思ったのも束の間。サインを書き終えたマッちゃんは、そのままキュー君が書いてくれた「Q」の文字をうにょうにょと縁取り、最後に「ウルトラ」とつけ加えました。ウルトラQ・・・。
他人のサインを勝手にアレンジしちゃダメ!

以上の経緯でやけっぱちになり、その場にいた友人や関係者にもサインをガンガン入れてもらった結果、この様な寄せ書き状態になりました。SUPER JUNKY MONKEYの睦ちゃんや、茶谷(ジェイソンズ、STROBO、MOST、久土'N'茶谷、thePOPS、etc)のサインも入ってます。

ジャケットの上部に小さな四角を描き、カット盤仕立てにしてくれた人もいれば、調子に乗って「卒業してもヨロシクネ」なんて書き込んでくれた人もいて。みんな酔っ払っていたのでしょう。
WRENCHの貴重な初アナログ盤なのに・・・。

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当時、WRENCHのメンバー及び周辺の人達と交流があったので、こういうエピソードがたくさんあります。

20代の頃は月の半分以上、ライブハウスに入り浸っていました。その中で最も多く観に行ったのがWRENCHです。90年代だけで100回以上観ました。
2001年に柔術という格闘技を始めてからライブを観る機会が激減してしまいましたが、そうでなければずっと通っていたはずです。

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WRENCH / NUKEY PIKES
split 7"

名越藤丸
2003年11月4日 @渋谷O-West
坂元東、松田知大
2012年5月12日 @下北沢Shelter
和田成文
2012年11月30日 @渋谷club asia

WRENCHの初期代表曲"Half Mechanism"を収録したNUKEY PIKESとのスプリット7インチ。

2012年5月12日
結成20周年記念の一環として、久しくライブで聴くことができなかった90年代の楽曲のみを演奏するスペシャルセットが実現。
押上のキックボクシングジム、STRUGGLEで私が当時担当していた柔術クラスと重なった為、会長に事情を話して休みをいただきました。20周年のお祝いなので。
(ドラムは、名越さん脱退後に加入した現メンバーのMUROCHIN)

EDGE OF CHAOS - WRENCH 90's LIMITED SET
2012年5月12日 @下北沢Shelter

1. 空
2. 原子帰省
3. 時空自在
4. ヒポテーゼ
5. Half Mechanism
6. I'm So Cute
7. 呼吸する夢
8. Midnight Express

[encore]
1. 空虚放浪
2. キソノハカ
3. ガゾウ

まさか、"キソノハカ"を聴くことができるとは!!!
マッちゃんにリクエストしておいて本当に良かった!

YouTubeに当日の映像があるので貼っておきますね。
わたくし、初っ端に2回ダイブしてます。



2012年7月7日

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そして20周年記念のメインイベント。
この日もSTRUGGLEの柔術クラスと重なっていたので、クラス終了後に大急ぎで押上から恵比寿に移動。トリのWRENCHにギリギリ間に合いました。

クラスにはプロ選手も参加していたので、スパーリングの回数も多く、リキッドルームに到着した時点で既にスタミナゼロ。脚はパンパン、お腹はぐうぐう、喉はからっから。
「今回はおとなしく観るしかないよなぁ・・・」と思い、フロアの隅の方へ。しかし、1曲目の"空"のイントロを聴いた瞬間に全てが吹き飛び、ステージからダイブ。
20年のキャリアを凝縮したスペシャルロングセットを堪能させていただきました。

WRENCH 20th ANNIVERSARY - EDGE OF CHAOS 1992-2012
2012年7月7日 @Liquidroom


1. 空
2. 原始帰省
3. 時空自在
4. ヒポテーゼ
5. Half Mechanism
6. Time & Space
7. Double-0-Freedom
8. Sky, Liquid, Men,
9. Beginning Is Start Of The End
10. Sound Wave
11. Sole To The Glow
12. Passion
13. Rising
14. Dynamite Music
15. Feel More

[encore]
1. Midnight Express
2. New World


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WRENCH
『bliss』 LP

和田成文、松田知大
2000年7月1日 @渋谷の居酒屋
坂元東、名越藤丸
2000年8月12日 @新宿URGA


前身のFIGHT FOR YOUR RIGHT時代。
WRENCH改名後の東京初ライブ。
1st. CDのレコ発。
『AIR JAM 2000』。
名越さんの東京ラストライブ。
・・・ほんの一部。
今でも鮮明に思い浮かべることができます。

あれこれ綴ってきたので、猛烈にWRENCHのライブを観たくなりました。
長期治療中の故障を抱え、再びライブハウスから遠ざかっている現状がもどかしいです。いつか必ず!

*     *     *


この記事が公開されたのが2018年6月5日。
その後、ありがたいことにWRENCHのライブを何度も観ることができました。

2020年11月7日に観たWRENCHのライブは、現時点での生涯ベストライブです。


『ミュージックラビッツ』に掲載されたマッちゃんのインタビューも是非!


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