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【追悼 渡辺雅弘】Girasoul ~聴く者の魂を揺さぶるヴォーカリストMamiと、パーカッシブなカッティングを得意とするギタリスト渡辺雅弘によるアコースティックデュオ 《第2話》

cover photo by Keiji Koizumi

第1話 ↓


2012年8月20日(月)~29日(水)

 初めてライブを観た翌日から、HANDSとのコラボCDに収録された「Hands to Hands」「星の子守唄」と、CD-R収録の「うたうおどる」「太陽の花」の4曲を狂ったように聴き続けた。

 数年前に発売された1stミニアルバムはすでに完売しているというので、ネットを検索。運よくヤフオクに出品されていたものを落札することができた。


2012年8月30日(木)

@下北沢 Seed Ship(Girasoul - 2回目)

 Girasoulが出演するイベントを観るために、下北沢のSeed Shipという店へ。下北沢には毎月のように訪れているが、こんなところに生演奏を聴くことができる箱があることを知らなかった。

 初めてライブを観た『一番街阿波踊り』から11日後。前回まともに観ることができたのはアンコールのセッションだけだったので、ずっと楽しみにしていた。歌もギターも楽曲も素晴らしく、短いセットながら大いに満喫させていただいた。

 出番を終えたふたりに挨拶して、次の出演者が音を鳴らす前に退出。Girasoulの余韻に浸りながら帰路についた。


2012年9月3日(月)

 ヤフオクで落札した5曲入りのミニアルバム『girasoul』が到着。初めて観たときに最も印象に残った「Djembe」という曲が収録されているので、何としてでも入手したかった。

『girasoul 』
1. 花の名前 / 2. うたうおどる / 3. Djembe / 4. あいのたね / 5. 太陽の花

パーカッショニストのMacoが在籍していたトリオ編成時代に発表されたミニアルバム。

"Djembe"  @ Tokyo Guesthouse Oji Music Lounge
June 28th, 2018 
https://youtu.be/kNiREBvWERA


2012年9月22日(土)

@渋谷 Loop annex(Girasoul - 3回目)

 代官山Loopの姉妹店に、Girasoulが出演。入店直後、背後から声をかけられたのでふり向くと、雅弘だった。こちらの顔を覚えてくれていたことが嬉しい。Mamiも現れたので、ミニアルバムをヤフオクで入手したことを伝える。中古でCDを買っても彼らの懐には1円も入らないので申し訳なく思っていたが、ふたりはとても喜んでくれた。

 この日はパーカッショニストをゲストに迎えた3人編成。打楽器を加えた「Djembe」のカッコよさに痺れた。


2012年9月28日(金)

@下北沢 Seed Ship(Girasoul - 4回目)

 Loop annexのライブに参加していたパーカッショニストのKAZUが主催する『ご縁さま日和 ~長月~』に出演するGirasoulを観るために、Seed Shipへ。
(後年、初めてGirasoulを観た『一番街阿波踊り』のときに共演していたパーカッション奏者がKAZUだったことを、Mamiが教えてくれた)

 音源化されていない「Moon River」と「Estrella」という2曲の流れが素晴らしく、制作中のフルアルバムに期待がつのる。


2012年11月11日(日)

@渋谷 Loop annex(Girasoul - 5回目)

 Loop annexへ。この日はパーカッションとアコーディオンを加えた4人編成。Girasoulのサウンドと相性がよかったアコーディオンは、新作にもフィーチャーされるという。

 9月22日に同会場でライブを観た際に許可をもらって、1枚だけ制作したダブプレートを持参。サインを入れてもらった。
 ダブプレートというのは、何も刻まれていないツルツルのレコード盤に、溝を直接カッティングして作るアナログレコード。そんなものをオーダーメイドしてしまうくらい、Girasoulにのめり込んでいた。
 片面には「花の名前」。もう片面には「Djembe」。どちらも1stミニアルバムの収録曲で、是が非でもレコードで聴きたいと思っていた。


2012年12月30日(日)

@下北沢 Seed Ship(Girasoul - 6回目)

 Seed Shipの忘年会ライブ。出演者数が多かったので、わずか15分(3曲)という短いセットだったが、2012年最後のライブがGirasoulで良かった。間違いなく下半期のMVP。



2013年1月12日(土)

@下北沢 Colored Jam(Girasoul - 7回目)

 下北沢のディスクユニオンで良いレコードが掘れたので、友人のKOHKIにメールを送信。BRAHMANOVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND(現OAU)のギタリストとして知られるKOHKIは、幅広いジャンルの音楽を好むレコード愛好家。彼の嗜好に合いそうなレコードを入手したことを報告するついでに、これからColored JamでGirasoulのライブを観ることを、さりげなく文章の末尾に添えてみる。

 数分後にKOHKIから「Girasoulのライブを観てみたい」という電話をもらった。当時、私はミュージシャンや音楽好きの友人に会うたびに、Girasoulの素晴らしさを口にしていたので、気になっていたのかもしれない。

 Colored Jamに立ち寄り、KOHKIがライブを観にくることをGirasoulのふたりに伝えると、雅弘は驚き、動揺していた。高校時代にBRAHMANを熱心に聴いていたという。

 KOHKIと合流して居酒屋へ。数杯引っかけてからColored Jamに戻り、GirasoulのふたりにKOHKIを紹介する。はたから見てもわかるくらい、雅弘が緊張していた。
 それでもライブは非常に素晴らしく、KOHKIも絶賛。Colored Jam店主の森下貴之 もりしたよしゆきを交え、楽しい夜を過ごした。

KOHKI、雅弘、Mami、五辺


2013年2月16日(土)

@下北沢 Colored Jam(Girasoul - 8回目)

 パーカッション奏者のKAZUを迎えたトリオ編成。対バンはbohemianvoodoo木村きむらイオリ(pf)とbashiry(g)のデュオ。


2013年4月7日(日)

@渋谷Loop annex(Girasoul - 9回目)

 移転したばかりのLoop annexへ。KAZUを迎えたトリオ編成。


2013年4月13日(土)

『さざ波』
@渋谷 スンダランドカフェ(Girasoul - 10回目)

 明治通り沿いのビルにある渋谷の隠れ家的なカフェで開催されたfreecubeの主催イベント『さざ波』へ。ライブアクトのfreecube 、camaci、Girasoulと、4名のDJが出演。

 イベント終了後にGirasoulとfreecubeの打ち上げに参加。Mamiと雅弘が地元の青森県弘前市で出会った際のエピソードや、これまでの音楽活動などを聞きながら、朝まで飲み明かした。ふたりとの距離が縮まった、思い出深い一夜。


2013年5月11日(土)

@下北沢 Colored Jam(Girasoul - 11回目)

 最初はMamiと雅弘のふたりで。途中からfreecubeのエミコ(vo)とc.j.(g)を迎えた4人編成に。


2013年5月18日(土)

@下北沢 Colored Jam(Girasoul - 12回目)

 ベースとドラムを加えたバンド編成。

 このころ、私が所属する東京木曜會という柔術チームの練習に、雅弘が参加するようになる。東京木曜會はBRAHMAN & OAUのTOSHI-LOWが代表を務める幡ヶ谷再生大学というNPO法人の格闘部で、バンドマンやDJ、音楽好きの友人たちで構成されている。Girasoulのライブに木曜會のメンバーを連れていくうちに、雅弘も柔術に興味をもつようになっていた。

photo by Keiji Koizumi


2013年5月26日(日)

『久が原ライラック祭り』
@久が原銀座商店街(Girasoul - 13回目)

 大田区の商店街で行われた『ライラック祭り』に、Girasoulが出演。パーカッショニストのよしうらけんじを加えたトリオ編成で2ステージ。そして、ボーナス的なアンプラグドをふたりで。

 柔術の練習仲間となった雅弘が出演するということで、木曜會のメンバーが大挙して駆けつけた。Girasoulの楽曲を聴くと、商店街で観たあの日の光景が浮かんでくる。最も印象深いライブのひとつ。

photo by Keiji Koizumi
photo by Keiji Koizumi
photo by Keiji Koizumi


(つづく)


第3話 ↓

#創作大賞2023 #Girasoul #ジラソウル #Mami #渡辺雅弘

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