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美術大学で現代美術を学んだ僕が何故、小説を書いたか。

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小説を公開する前の前書き。 最初から小説を書こうなんて思ってもいなかったけど 個展の最終日、見知らぬバックパッカーが現れ、 僕の人生を変えてしまった。 その一言に出会えなかった…
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美術大学で現代美術を学んだ僕が何故、小説を書いたか④

小説を公開する前の前書き④ 大分前のことで、記憶が曖昧だけど、確か公募のタイトルが「100人の詩人たち」だったと思う。そしてお題が「翼の記憶」。 僕はこの頃「記憶」について深く考察していて、描く絵も「記憶」をテーマにしたものばかりだった。だから、このお題を与えられた時、真っ先に「書いてみたい」と思い、応募したのだけは覚えている。 結果、僕は「詩人」に選ばれた。 初めて、自分の作品が本という媒体に記載された時は震えた。紙に宿ったその文字を手でなぞり、匂いを嗅ぎ、抱きしめ

美術大学で現代美術を学んだ僕が何故、小説を書いたか③

小説を公開する前の前書き③ それからの僕は、個展の最終日に見知らぬバックパッカーに言われた一言が頭から離れない毎日を過ごしていた。 「絵はともかく、文章がいいね」 文章か…。 僕にとって文章は自分と向き合う為の手段であって、誰かに向けて書くためのものではない。 絵を描く時の下書きや構想を書き留めるためのエスキースだって、本来誰かに見せるために描くわけじゃない、 はず。 僕はその時、大竹伸朗をふと思い出していた。 僕が多大に影響を受けた唯一の画家だ。 大竹さんのコラ

美術大学で現代美術を学んだ僕が何故、小説を書いたか②

小説を公開する前の前書き② 最後の個展は 仙台にあるcafe モーツァルトアトリエにて。 テーマは「circle」 ぐるっと循環してまた戻るというコンセプト。 表現の手段はミクストメディアで コラージュに加筆し その他、異質なもので額を創りメインを収めた。 それとステンドグラスを作った。 作った、というよりは デザインをして、作家さんに外注したもの。 もう一つは絵本。 正確にいうと、個展のためのエスキースだ。 スケッチブックという媒体が苦手で (予備校時代の過剰な課題

美術大学で現代美術を学んだ僕が何故、小説を書いたか①

小説を公開する前の前書き① 美大で芸術を学び、僕は芸術家になるはずだった。しかしその夢は儚く散った。 いや、自分でその道を退いたのだ。 小さい頃から特技は絵を描く位で、何かにつけて簡単に賞を取ったもんだから、いつの間にか勘違いしていたんだ。 美大になんか、上手いやつはなんぼもいたし、 センスに関して特化するなら 五感以外のことを発揮して あり得ない世界観を表現する メチャクチャカッコいい絵を描く奴も 多くはないけどそれなりに存在し もう僕なんか太刀打ちできない相手だった。