技術を教えること

仕事をしているときに技術について教える機会が増えてきました。元々は、メーカーで設計から量産までの一連の半導体の開発に携わってきたこともあり、その中で得た知見が今の仕事に大きく役に立っています。
今は、主に回路をテストするためのプログラムを書いています。そこには、プログラム的な工夫があり、年々複雑さが増してきています。ただ、回路がどう作られ、それを評価するためにどう動かすかとか、そういったことが理解できたこともあり、テスト検証をするときに必要となる資料を探して裏付けをして進めることが自然と身についてます。転職してきた際に、昔ながらで高圧的で寡黙な人と一緒に仕事をしたときに、技術について直接教えてもらうということはありませんでした。教えてもらえたのは、本当にわからない時だけで、あとは見て覚えたり、勉強したり、試行錯誤して理解してきたという経験を積んで今があります。
教えるということを経験してみると、理解してもらうということは、簡単でないのだなぁということに気付くことが増えてきました。分からないことを分かるに変わっていくのには、自分は試行錯誤をすると時間を作って理解していました。技術を勉強したり、それを今やっている仕事と重ね合わせてみたりしていて、やっとポイントとなる技術にたどり着き、そこから答えを出せるようになっています。ただ、教えたときに相手がそれを自分なりに噛み砕くことができているのかどうかというのを考えてみると、そこは同じような問題を聞いてきたときに自分で解決できたかどうかという点で見てしまうこともあり、その難しさを経験しています。
お金をいただいて仕事をしているプロフェッショナルである以上、自分で学んで考えて答えを出すことも必要と私は思っています。ただ、自分自身も技術を教えてもらい、身になったときの楽しさを教えていただいて今があったということもあります。新しいことを学んで失敗することもあるし、成功することもあります。そういうことができるできないは、どういうコミュニティで生活しているか、最後は自分がどうしたいのかということで変わってくるのではないかなぁと、私なりの経験から思うことです。
それとともに、お互いが100%理解しあえることはないとも思います。興味がどこにあるかで変わってくるし、理解し会えるのは、必要最低限の部分だけあっていればよいと考えています。大人になっても学ぶ人は学ぶし、学ばない人は学ばない。できるのは、自分がしたいことを追求していくことに時間を使うこと。残された時間はないし、進んでいくしかないなぁ。。。

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