見出し画像

カナダでワーキングホリデー中、浮浪者に間違えられた長男

数年前、長男がカナダでワーホリ中のこと。

半年語学留学をして、その後ワーキングホリデーとして1年間、トロントで暮らしていた。

家を出発したときは、カナダでワーホリできるか決まっていなかったので、「もし無理やったらオーストラリアに行くわ。オーストラリアはワーホリウェルカムやし」と不安なことを言っていた。不思議な子で、信用できるかんじは微塵もないのだけど、きっと大丈夫なんだろうと思わせる強さもあり、「じゃ、いってらっしゃ~い」と東京へ送り出すくらいの気分でいた私。

だって、本人もカナダに行くのにも関わらず、前日にスーツケースに半分だけ衣類をちゃちゃっと詰めて、「これでええやろ」と一言。

向こうについてからは、お金をケチって、30分スケートボードで語学学校に通っていたというから、なかなかに根性はあったんだろうと思う。

その後、3カ月ほどして「カナダでワーホリできることになった」とLINEがあった。ビザを切り替えるために、アメリカに一度入国して、もう一度カナダに戻ったり、ホームステイができなくなるので住むところを探したり、働き口を探したりしてワーホリ生活が始まったらしい。

のんびりした性格ではあるけれど、ろくに英語も話せない状態で、海外旅行にも一度も行ったことなく、いきなりのトロント生活。それなりにきついこともあったんだろうと思う。ワーホリ生活が落ち着くまでは、ひげも髪もボーボーで「気が付いたら、髪の毛を後ろでしばってた」という。

そんなある日、地下鉄に乗って仕事先から新しい住まいに帰ろうとしたとき。空になっらテイクアウトのコーヒーカップを持って電車に乗り込み、うつらうつら眠ってしまったらしい。

「あ、降りなあかん」と思って目を覚ますと、紙コップに少し重みを感じた長男。中を見るとコインがいくつか入っていたという。

浮浪者に間違われて、見ず知らずの人がお金を恵んでくれはった・・・。

さすがにまずいと思った長男は、次の日ひげをそって、髪の毛を切りに行ったらしい。

カナダの人って優しいわ~

この話を聞いた次男は、「日本の地下鉄やったら、みんな遠巻きにしてお兄ちゃんのこと見てたン違う?カナダの人ってええ人やなあ」と一言。

私は、「あ、こんな生き方もあるんや」と思った長男が、次の日も恵んでもらおうとしなくて良かったと、まじめに思いました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?