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【ザゴール2編:3 解決策を探る】

このマガジンの過去の記事は上記に入れてます。

 過去のマガジンで改善の理論学習と実践をしてきた紫耀(ショウ)も入社して15年になる中堅社員となりました。製造で現場管理を経験した後、IT推進課を経て再度製造部に戻ってきたようです。
そんな時、紫耀(ショウ)はある日工場長の哲也に呼ばれ、製造管理だけでなく事業管理についても携わってほしいと内示を受けます。そこで、参考に哲也は、問題解決とは何ぞやについてザゴール2を使って紫耀(ショウ)に解説していくことに。前回第一章で、家庭問題で思考プロセスの導入に触れ第二章から徐々にビジネスに活用していきます。

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🧒;おはようございます。

👨‍🦳;おはよう。今日は第二章に入っていく。ゴローさんたちは前回解説し思考プロセスを多くの場面で活用していくんだ。改めて思うのは、この概念自体は当たり前のことを言っている。使いこなせるかどうか、どこまで練習できるかということが重要だな。さあ、やっていこう。

🧒;わかりました。よろしくお願いいたします。

◆事実の共有

👨‍🦳;第二章の最初は、売却予定の三社の社長に売却が取締役会で決まったという事実を伝えるところから始まる。当然、皆うろたえる。3社とも業績が良いわけではないが、TOC(制約理論)を活用しての多くの改善を行っている最中だった。

🧒;ありますよね。でもトップから見たらそんなに待てないという・・。取締役会の決定は組織の決定。覆ることはないですよね。

👨‍🦳;でも、彼らには解決策は残されているんだ。売却される前にもっと利益を上げることだ。つまり価値を高める。そうすれば、売却先でも今まで通りのやり方ができる。好条件での売却になるはずだ。

🧒;最善を尽くすと・・。でも、どの程度の期間で彼らは利益を上げればよいのでしたっけ?

👨‍🦳;3か月以上だという。

🧒;3か月以上。ザゴールの時も3か月でしたね。ところで現在の各3社の価値つまり売却額はどのようになっているのでしょうか?要はそれを向上させることがKPIというか、目標になってくるのですよね?

👨‍🦳;ああ、そうだ。ゴローさん部下の女性藤堂さんの調査によると下記だ。

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🧒;額はでかいし、だいぶ価値が低くなっていますね。そりゃ、リストラ対象になるという状況ですね。でも安いといえども売却すればユニコには何十億単位でのキャッシュが入るわけですね。

👨‍🦳;今回の売却の提案は社外取締役からなんだが、彼らは手元の資金を増やし、来年から優秀な経営者を雇い株価をそれで上げたいという考えなんだ。いずれにしろ、業績改善は必須というわけだ。

◆思考プロセスの応用―ダイナ印刷での解決策―

🧒;なるほどです。しかしながら、業績改善のための各社の課題っていったいなんなのでしょうか?

👨‍🦳;それが、

ダイナ印刷・・販売量の拡大。そのために最新鋭の設備が必要。
プレッシャースチーム・・販売量の拡大。そのために注文量の対応力を上げる必要あり。
アイコスメティック・・販売量の拡大。そのために新商品開発が必要。

というわけだそうだ。つまり販売量の拡販が必要でそのための各々課題があるんだ。

🧒:なるほどです。前回の解説にあった家庭の課題のようにいい解決策が見つかるのですかね・・・。

👨‍🦳:ああ、まずゴローさんはダイナ印刷に訪れ、検討を始める。ダイナ印刷にて、最新の機械を導入したいという理由は、菓子袋を印刷するためだそうだ。ダイナ印刷は他の事業は好調なのだが、菓子袋印刷事業に問題を抱えているんだ。

🧒:どの程度の規模の事業なのでしょうか?

👨‍🦳:昨年度の総売上が60置く。で菓子袋印刷事業からの売り上げは、20億円だったそうでで、その中で4億も損失を出していたそうだ。そこで利益を上げるには、ボリュームの大きい仕事が必要なのだが、今の機械ではコストが合わないということなんだ。

🧒:それで、最新鋭の設備を導入すると。。うーん。ちょっと安易な感じですね。3か月で利益を増やさなければならない状況で高価な機会を買うのはちょっと現実的ではないですよね・・。いっそのこと菓子袋印刷事業から撤退したほうが利益が増えるのではないですか?限界利益割れしていたりして。

👨‍🦳:いや。そうではない。原価償却が終わっていない機械の価値がなくなって、資産ベースが下がって会社の価値がさらに下がってしまう。限界利益自体は取れているようだ。

🧒:なるほど、思考プロセスの図を書くと下記のようにシンプルに描けるのですね。

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なるほど、でもこれって、現状の機械で少しでも利益が増える方法を考えればいいのですよね・・・。単純な解ですが。

👨‍🦳;ほう。なるほど、でも大きなボリュームが必要という前提条件があったけどそれはどうする?

🧒:いやいや。販売量が小さいボリュームの仕事は受けられるんですよね?察するにそこだったら勝負はできるということですよね。

👨‍🦳:ああ、その通りよのようだ。現状の機械のセットアップ時間は短いそうで、機械のキャパに合ったボリュームの小さい仕事なら利益も出すことができるそうだ。

🧒:なるほど、通常は、客先は大量発注だから安く済むと思うのが基本。もし少量注文したほうが安く済むなら機会を新しくしなくても利益が増えるのではないでしょうか?それに菓子袋の印刷というところが面白い気がします。激しい競争にさらされているお菓子業界は、客の目を引くために袋のデザインを頻繁に変えると思うのです。そうなると、大量注文だと在庫管理のリスクが残る。在庫の廃棄ロスを考えたら少量注文の方が安く済むはずなんですよね。

👨‍🦳:いいところに気が付いたね。その通り、そして少量注文の方が客先にとってはキャッシュフローに苦しむ客先がいれば都合がよくなる。セットアップ時間が短く造れるなら強い再仕事のボリュームを他社より安く多くこなせる可能性があるよな。

🧒:なるほど、一度に発注する量を減らし注文すると安くなる根拠を示せば客先も納得しますよね。

👨‍🦳;そうして、小さなものでもかき集めて量を増やしていければ確実に利益は上がってくるはずなんだ。まさに同じことを本の中でも書いていたよ。

🧒;なるほど。まずはダイナ印刷の解決策が見えてきたわけですね。

👨‍🦳;ここで2章が終わりだから、今日はここまでにしよう。明日は、三章に入っていくぞ。

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 本日はここまでです。少しづつ思考プロセスを実際のビジネス課題に活用する部分に入っていますが、まだ導入といったところですね。
 今ある条件の中で最適解を探すということは重要でシンプルか複雑か関わらず、プロセスマップを落ち着いて自分で描いてみるのは解決策に近づく道だとは思っています。これは純粋に構造化ですよね。構造が見えるよになれば、悩むから考えるに変わってきます。次回からより複雑な事例に入っていきながら思考プロセスの活用を解説していきます。

なお、下記noteにものづくりに携わる人であれば、必要であろう知識について、本マガジン同様に対話形式で解説しています。もしご興味あれば、覗いていただければ幸いです。

休憩がてら、番外編マガジンもあります。

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