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【5S編:基本ステップ3”清掃”】

大卒で大手素材メーカーの工場に配属された2年目の紫耀(ショウ)と同じ工場に転勤してきた中堅社員の管理者の健(タケル)との会話です。(もちろんフィクション?)
 5Sを勉強することになり、整理・整理を実施。次のステップである清掃に進むようです。
・・・・・・・

整頓の進捗

👱🏼‍♂️;おつかれさーん。

🧒;お疲れ様です。すみません、今日も朝早くから。(6時半、、だんだん慣れてきた・・。すごいな)

👱🏼‍♂️;工場の朝は早いよ。連絡くれたってことは、整頓が進んだってことかな?

🧒;はい。発注点管理についてだいぶ進みました。現場を見てもらうと、ここがMAX、ここがMINという矢印の表示が増えています。私もすごく管理しやすくなってきています。それとね、おもしろいんですよ。

👱🏼‍♂️;ん?面白い?

🧒;現場メンバーで、細かい備品(例えば、小さいローラーとか、小さなギア、パッキンなど)をセブンイレブンって呼んで、大物の備品(モーター、ブロワー、搬送ロールなど)に関してはIKEAって呼んでるのですよ。聞いたら、“コンビニもIKEAも欲しいものすぐ見つけられるし、コンセプトをイメージしやすいでしょ。”ですって。

👱🏼‍♂️;それはすごいなー。別業種から横展開するっていうのは有効だと思う。そういう発想はすごく大事だよ。

🧒;はい。ありがとうございます。

👱🏼‍♂️;では、次のステップの“清掃”に進んでいこう。

🧒;よろしくお願いします。

清掃の方法

👱🏼‍♂️;突然だけど、broken window theoryって聞いたことあるかい?

🧒;いや、聞いたことないです・・。

👱🏼‍♂️;日本語では「割れ窓理論」と言われているんだけど、Wikipediaには

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軽微な犯罪も徹底的に取り締まることで、凶悪犯罪を含めた犯罪を抑止できるとする環境犯罪学上の理論。アメリカの犯罪学者ジョージ・ケリングが考案した。「建物の窓が壊れているのを放置すると、誰も注意を払っていないという象徴になり、やがて他の窓もまもなく全て壊される」との考え方からこの名がある。
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リンク

とあるんだ。つまり、小さいことでも一度ほころび始めると全体に波及するということなんだ。これは、現場も同じで一部の場所が汚れていれば、全体が汚れていくんだ。つまり、継続的な清掃の重要さをものがたっているんだよ。発注点管理の部分でも同じようなことを話したのは覚えていると思う。

🧒;すごくわかります。怖い・・。

👱🏼‍♂️;それと、清掃には、整理・整頓ができているかの点検する役割もあるんだ。まぁそもそも清掃すると周りを気持ちよくすることができるからね。清掃の目的は良い環境をつくるなんだ。

🧒;そうですね。まさに基本ですよね。

👱🏼‍♂️;でも、これも整理整頓と一緒で、何もルールがないと実際に汚い現場になっていくんだ。まず、手順を決めること。

A;清掃方法を決める。どんな道具で、どのように清掃するか。
 きれいである状態を一度作り出し、それを掲示しておく。
 少ない労力で、一番きれいになる方法を決める。

B;清掃道具を準備する。
 全員分の掃除道具を準備する。(シフト制の場合、最も人数の多いシフトに合わせる)

C;清掃を全員で実施する。

D;その上で、ルール表とチェック表を作成する。

そして、これを現場の最小単位で実施してもらうんだ。自分たちの職場だという意識を強く持ってもらう必要があって、愛着を沸かせるようにできればベスト。さらにこの時、当時道具は必ず定置であることが重要。それと道具購入において変にお金をケチらないこと。きれいな道具というのは必須なんだ。

🧒;わかりました。そう言われてみると、今の職場は掃除道具がきれいなのかどうか不安になってきます。やってみます。

👱🏼‍♂️;はい。がんばってみて。整理整頓ができていれば、かなりスムーズに進むはずだよ。また、現場に見に行くよ。

・・・・数週間後・・・・

🧒;お疲れ様です。

👱🏼‍♂️;おー、きれいになっているじゃないか。

🧒;はい。整頓の時に作ったマップに清掃ポイントも追加して見える化してみました。その上で最小単位のグループのリーダーに清掃の方法を決めてもらい、毎日時間を決めて清掃を実施しました。それと清掃といったときに各工程間で、製品を移動させるときに使用するの台車やトレーがあまりきれいでないことに気づきました。ですので、ここも各工程使用後清掃をしてから台車・トレーを返却することとしました。

👱🏼‍♂️;相変わらず自分で考えて実施しているね。それに現場もよくついてきてくれている。(・・なんでだろう。整理も整頓もそうだったけど、普通、2年目、3年目程度の新人にこんなに、現場は協力してくれないけどな。なにか秘訣があるのだろうか。)

🧒;ありがとうございます。それと、コンベアの下や加工設備周り等汚れている場所があったのでそこは清掃頻度を上げています。

👱🏼‍♂️;それは面白いね。清掃のポイントをついているよ。実は清掃頻度を上げるということはよいことでもあり、悪いことでもあるんだ。清掃頻度を上げるというのは、そもそも汚れている原因を探って、解決するという思考を止めてしまっているということになる。もちろん何もしないよりはすごくいいんだけどね。例えばコンベアの下の汚れはなぜ起こるのだろう?なにかギアやベルトが何か摩耗しやすくなっていないかい?きちんとレベル出しやキャリブレーションができているかい?

🧒:そー言えば、この間、汚れが起きやすい箇所の搬送ベルトに異常が見つかりました。

👱🏼‍♂️;そこをよく見てごらん、異常に汚れている箇所は生産上の不具合リスクがある場合が多いんだ。それに、そこを改善できれば清掃時間も節約できる。つまり、汚れが頻繁に出たり、清掃に時間がかかるところは“なぜ汚れるのか”を考えることで仕事自体の効率を上げることができるんだ。これを習慣化させていくと、様々な改善が進んでいくよ。

🧒:なるほど。すごい。。5S。。

👱🏼‍♂️;そう。ここまでステップごと見えてくるとこれまでの5Sという言葉のイメージとは違うものが見えてきたんじゃないかな?

🧒;はい。まさに5Sは仕事の質そのものなのですね。でもこれどうやって維持していくか・・。ですね。

👱🏼‍♂️;そうなんだよ。その維持の部分が、清潔と躾につながってくるんだ。よーく注意して、次回やっていこう。

・・・・・・・

今回は、清掃について解説しました。清掃は、整理・整頓の点検にもなりますし、自身の心身を磨く、普遍的スキルをつけるという意味でも重要になってきます。特になぜ汚れるのかというとことまで入り込めると5S活動が、仕事の質を上げる改善活動に昇華されていきます。
次は、維持の意味合いが強い、清潔と躾について解説します。下記記事です。


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