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【5S編:基本ステップ1”整理”】


大卒で大手素材メーカーの工場に配属された2年目の紫耀(しょう)と同じ工場に転勤してきた中堅社員の管理者の健(タケル)との会話です。(もちろんフィクション?)

 紫耀(しょう)は最近何とも言えないモヤモヤを抱えていた。そんな時、入社時の集合研修時に教育係として指導していた、聡に工場でばったり会い相談を始める。まずは5Sを勉強することに。

・・・・・・・・・・

5Sとは?

👱🏼‍♂️;おつかれさーん。

🧒;お疲れ様です。すみません、朝早くから。(朝六時半からか、、眠い。。)

👱🏼‍♂️;工場の朝は早いからね。8時始業まで1時間半ある、1時間少しやっていこう。今日から5Sについて勉強していくんだけど、今回の説明は俺の体験もあるけど、この本を参考にしているんだ。ぜひ読んでくれ。小説仕立てになっていて、すごくわかりやすく実践しやすい内容になっている。

🧒;はい!

👱🏼‍♂️;では、まず、5Sは何かというのは知っているかな?

🧒;整理・整頓・清掃・清潔・躾ですよね。入社時の集合研修で習ったのと、去年、部署でも5Sキャンペーンやっていました。

👱🏼‍♂️:そうか、いまは現場の5S状況はどうかな?

🧒:そんなに、、よくはないというか、汚れていたりするところはあります。

👱🏼‍♂️;なるほど、まあそれが普通なんだよね。でもね、5Sっていうのは絶対にキャンペーンでやってはいけないんだ。5Sをするっていうのは、その現場の仕事そのものの改善なんだ。

🧒;仕事そのもの?

👱🏼‍♂️;そう。仕事のしやすさ、仕事の整い方の指標なんだ。整理されていること、整頓されていること、きれいであること、それが継続されていること。これができる組織、できない組織では仕事のレベルが変わってくるよね。とどのつまり、利益に影響する活動なんだ。例えばスーパーとか食品工場に行ったとしてこれができていなかったらどう思うかな?

🧒;はい。管理できてない・・と思い、ここの商品買うのはちょっと・・と思ってしまいます。

👱🏼‍♂️;そうなんだよ。その時点で、売り上げ・利益に関わっているね。うちの工場に見学に来るお客さんも同じ目で見るだろうし、上司や工場長も同じようにみると思うよ。

🧒;ある意味怖い・・。でも、奥深いですね。

👱🏼‍♂️;そう。わかったと思うけど、だからキャンペーンではないんだ。常にベースとなるべき、現場・仕事の基本、そして利益貢献活動なんだ。さらにこれを習慣化できないと、どんな活動をしても一過性のものになってしまう。だから一度やると言ったらしっかり理解して、トップも腰を据えてやらないといけない。

🧒;腑に落ちます。まずこれをやらないと、リーン・生産性向上と言っていられないのですね。でも、どうやって。。。

整理の方法

👱🏼‍♂️;まずは基本ステップ1、整理だ。

🧒;整理ですね。整理・・。はい。整理・・・。

👱🏼‍♂️;整理は“不要なものを捨てて数を絞る”ことなんだ。整列ではないんだ。捨てることが重要。

🧒;捨てる・・ですか。

👱🏼‍♂️;そうなんだ、ちなみになかなか捨てられないよ(笑)。やってみるとわかるけど。まず、実践してみようか。その前に、下記のポイントを教えておくから自分の現場でやってみて。整理の質がこれからの5Sの結果を左右するからしっかりやっていこう。

A,何から捨てていくか決める。
 -いらないもの=使っていないもの
B,捨てるものの基準を決める
 -いつか使う・・もの=使わないもの。
 -整理には曖昧さが大敵。機械的に捨てていくルールを作る。
 -優先順位を決めて捨てる。(何を捨てないか?そのものの価値は?自分が使うか?)
C,社内の廃棄ルールの事前確認。
 (固定資産になっているものを捨てる際は要注意。経理に活動を事前に伝えておくこと。)

🧒;わかりました。やってみます!

・・2週間後・・

👱🏼‍♂️;おはよう。今日も工場の朝は早いぞ。

🧒;おはようございます。(今日も6時半、早い・・・)

👱🏼‍♂️;どうだい、整理の進捗は?

🧒;下記のようにやってみました。

 まず、①現場のメンバーに5Sの真の目的を説明しました。そして、使っていないもの=捨てるものと定義して、②ポストイットを使っていないものに端から貼っていきました。さらに、③使っているもの(青)、使っていないもの(赤)、使うかもしれないもの(黄)でポストイットの色を分けて区別させました。

👱🏼‍♂️;すごいじゃん。いいじゃない。

🧒;いやー、そういう目で見るといらないものがあるわ、あるわです。最近撤去した設備の予備品やツール、不必要な道具や放置されたクレーム返却品の山、不良品の山の放置などです。てか、撤去した設備の予備品はやばかったっす。もう除却処理が始まっているものが残っていたりして、、もう少し遅れていたら・・。。アドバイス聞いておいてよかったです。。。大問題になるところでした。。だいぶ現場がすっきりしました。
 でも、説明してもらったBの優先順位を決めるってところですが、黄のポストイットをものをどうするのか、、やっぱり捨てるかどうか、迷うものもでてきてます。私が使わなくても、、現場メンバーが使うかもというものは、強く言えなくて。例えば、使うかもしれない設備の予備品。使うかもしれないジグ。です。

👱🏼‍♂️;そんなときは、そのいるかもしれないものを、“もう一度調達した場合のリードタイム”を考えてみて。それが“必要となるとわかってから使うまでの期間”と比べて、短いか長いか、これが判断基準になる。もし必要とわかった時にそれを注文・製作して、間に合うものなら捨てるべきだ。特にジグは、判断次第ですぐ作れるものが多いね。なお、悩んだときに、そのものの値段で決めてしまうと本当に捨てられない。思い切って、ものの費用は無視するんだ。時間で判断してみてくれ。そこまで考えて判断できなければ、必要なものと分類せざるを得ない。

🧒;思い切ってやってます!でも、やはりやってみると難しい部分や教えてもらったポイントの意味がわかりますね。

👱🏼‍♂️:そうなんだよ。それが理論と実践なんだ。難しく考えることはないんだよ。そこまで実施できれば、かなりスペースも空いてくるはずだから、次の整頓に進んでいこう。

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今回は、5Sの意味と整理について解説しました。

 5Sの意味付けは大事です。ただの活動でなく、現場の仕事の質そのものです。それが現場の評価であったり価値、ひいてはその企業の価値にもなるということです。活動前にここを理解することが、本当に重要です。

 整理についてですが、家の大掃除でもなかなか捨てられないですよね。工場活動で、決めるということがなかなか難しいときは、時間(リードタイム)を中心に意思決定していくことをお勧めします。捨てるのがもったいないと思っても、その場所の維持コストや活用できてない機会損失を考えると、実は”捨てていないことの方がもったいない場合”があります。”思い切って捨てる”これが肝です。整理ができないと、整頓へは進めません。

次は下記の記事で整頓について解説したいと思います。整頓は見える化とも連携してきます。整理、整頓は2Sとも言われ5Sの中でもさらに基盤となる活動です。


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