見出し画像

【実践編8:“聞くこと”と“受け入れること”は別】

 今回は20代の頃、製造工程リーダーになった頃に現場のベテランの方から教えてもらった言葉について投稿させてもらいます。

◆現場の意見を聞くことが大事?~様々な意見に翻弄される~

 製造だけでなく、営業、資材、品保などどんな部署でも数十人以上の所帯になってくるとチーム内で必ずと言っていいほど、チームの方針や自分の待遇や他のメンバーの仕事の仕方に不満をもつ人が大なり小なりでてくるものです。今から10年以上前になりますが、若く未熟なリーダーであり、比較的言いやすいキャラであった私は多くの意見・不満を多くのメンバーから言われていました。例えば、

 -査定で、なぜあいつが評価されて俺がされないのか
    -このチームで何をやりたいかわからない、方針はこうすべきだ。
    -シフトメンバーの割り振りが間違っている。考え直せ。俺はあいつと組みたくない。

などなど、数え切れればきりがないですね。もちろん、意見を言ってくれるということ自体非常に良い現場という見方もあるのですが、わがままなのか、意見なのか。。何が正しいかわからないという状況でした。現場の話を聞くべきという言葉が、自分の中で独り歩きしてしまっている感じです。
 そんな時ある災害があり安全対策を決める時がありました。原因調査から対策検討まで行いますが、様々な意見がでてきます。あちらを立てれば、こちらが立たない、そうこうしている間に意思決定しなければならない時期が迫る。そして最終的に自分自身の思考時間が少ない中で、意思決定をしていしまいます。結果、どっちつかずで、意思も根拠も弱い対策となり、現場に提案すると総スカンとなる。なんてことも起きてしまいました。

◆聞くことと受け入れることは別~自分の思考時間を確保する。決める。~

 そんな時、となりの工程のたたき上げ現場リーダーが私に一言声をかけてくれました。

現場の意見を聞くのは重要だけど、受け入れるとは別の話だ。話は聞く、だがそこで答えを出す必要もないし鵜呑みにする必要もない。一度飲み込んで自分の意思決定のための情報と捉えてみな。

勤続20年以上のベテランの発言・・。当時、ハッとしました。聞いたことをそのまま鵜呑みにしていたことに気づいたのです。情報として各々の話や事情を聴く、そしてその情報を客観的に自分で整理する。その上で自分で正しいと思うかつロジックとしても筋が通る案を練り上げることが大事なのですよね。その思考時間を自分で確保できれば意思決定に自信もついてきます。なので質問を受けても、最後はこれはリーダーとして決めたと言い切ることができるということを実感しました。そして、その言い切る際に余計な不満が起きないように、よーく話を聞くことが必要、その上で決めたということが重要。だから”現場の話を聞け”とよく言われるのだと腑に落ちました。

◆最後に

  配属初期であったり若いころはリーダーになったとしても、現場であったり部下の方が知識や経験は多く持っているということが普通です。でもリーダーとして意思決定をゆだねられる。そんな場面があると思います。そんな時は話をよく聞く、そして自分でそれを受け入れるか、もしくは、そうでない意見を整理して話すかを思考時間を確保し意思決定していくのがいいのかなとこの経験から学びました。

*下記で、私のnoteのコンセプトと、ものづくりに関連するマネジメント理論のリンクを記載しています。もしご興味あれば、覗いていただければ幸いです。

休憩がてら、番外編マガジンもあります。

#習慣にしていること


この記事が参加している募集

習慣にしていること

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?