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アオダイショウは記憶の中で移動する

小学3年のころの出来事。

小学生のワイルドさの基準ってよくわからないが、うんていの上を走るとか、消火器をいじって廊下を真っ白にするとかのイメージだろうか。

同じクラスのT君はそのすこし斜め上、首にアオダイショウを巻いて登校するくらいのワイルドさを持っていた。

授業中には余っている飼育ケースに入れられて教室の後ろで保管されていたと思う。

休み時間には男子たちが取り囲み眺めるようなシーンが浮かぶ。

とくに問題視されないところに昭和を感じる。

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そんなある日、何度か学校に同伴させていたT君のアオダイショウが脱走したことがあった。

それはさすがに事件となり、ヘビ注意報の校内放送が流れた。

休み時間になるごと、みんなでヘビを捜索した。

結果、掃除の時間に手洗い場の端の一段低くなったバケツなどを洗う場所で発見されめでたしめでたし。

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わたしの記憶は上記のとおり。

40歳を超えてから居酒屋の席で旧友たちとたまたま例の会話になった。

私「Tのアオダイショウが逃げたことあったよなー」
A「あったあった、大騒ぎになったよな」
私「あれって水道のところで見つかったんだよな」
A「違うわ、〇〇さんの下駄箱で見つかったんだよ」
B「そうそう」

あれっ、自分の記憶違い? でもAだけじゃなく援軍のBもいるし。

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記憶の中でアオダイショウは、静かに下駄箱から水場に移動したのではないだろうか。




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