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吉本闇営業はなぜ起こったのか?吉本の歴史からISDロジックで分析してみました

吉本の歴史から見ていく

NewsPicksの 株式会社吉本興行 本質は裏にある
【ビジュアル】今知っておくべき、吉本興業と「裏社会」全史
の記事をもとに自分の見解を加えて作成しています。

昨年話題になった芸人の闇営業に関して分析してみます。
2011年8月23日、島田紳介氏が裏社会とのつながりを指摘され引退という流れになりました。
暴力団とは付き合ってはいけないとしながらも、なぜこのような事態がなくならないのか?これにはもっと根の深いところに原因があるのではと考えて、吉本興業と裏社会との繋がりから見ていくことにします。

吉本興業の成り立ち

1912年4月1日に創業しました。
桶やざるなどの荒物商を営む吉本吉兵衛とせい(旧姓:林)夫妻が大阪北区にあった寄席「第二文芸館」を買収し、興行に乗り出したことから始まります。
寄席はたくさんの人が集まるので安全を維持するのが難しいため、会場の警備などは暴力団に依頼するのが慣例となっていました。
そこから吉本興業と暴力団との関係の始まりでした。
朝の連続テレビ小説とのイメージとは大違いです。

第二文芸館の経営がうまくいき、吉兵衛とせいが次々と寄席の買収を推進し、1920年代には40以上の寄席を経営していました。
1922年には複数の派閥を統合し大阪の演芸会が総なめという状態になりました。

実質的な経営や吉本せいと実弟の林正之助があたっており、うまくいった要因には林正之助の活躍がありました。

ISDロジックで林正之助を分析

林正之助本質感性

林正之助タイプ

林正之助能力グラフ

林正之助師がどんなタイプだったかを分析しています。
感性タイプで、ピンとくる直感力が凄い方ですね。戦略と戦術共に感性タイプなので2つのモードがあるのでややこしい人だったのでしょう。

ビジネススタイルから見ていくと、常に開拓精神に燃え、他人からの命令や束縛を極端に嫌います。反発や反抗のそぶりを見せないので掴みどころがない人物だと見られがち。

第一能力が包容力。これはリーダーシップを発揮するのに必要な力で、第二能力に吸収力があり、自分が見た物聞いた物をすぐに自分のものにしてしまうというスポンジのような能力を持っていました。

かなり天才的な才能の持ちに主というのは間違いないです。

芸人のマネジメントでは敏腕ぶりを発揮するが、ライバルの興行会社から人気芸人を引き抜くなどかなり荒っぽい手法を使っていたのでトラブルが絶えなかった。
また関係がこじれた組の親分は火箸を持って正之助氏の胸元へ突きつけても、「刺せるもんなら刺してミイ」と睨み返すと相手はそのまま引き下がったというエピソードもあります。

成長を続けていく吉本興行

その他演芸のジャンルに進出し、
1920年代には上方落語、万才、安来節
1930年代には映画、ラジオ
芸人マネジメントから多方面への進出を果たし、笑いの帝国を築いていくのでし1つ目は漫才の発明です。

吉本の成長の3つの柱

その当時の万才は日本の楽器を使い、衣装は着物、内容は踊りとトーク、テーマは謎かけ・モノマネなどでした。
林正之助氏はそれを洋風化させるのです。楽器は使わない、衣装はスーツ、内容はトークのみ、テーマは身近な日常に変えていきました。

1つ目の柱が漫才の祖である横山エンタツ氏花菱アチャコ氏の存在です。アメリカの巡業中にエンタツ氏がチャップリン氏の影響を受け、帰国後の1930年にコンビを結成し、会話中心のスタイルを確立します

吉本新喜劇が2つ目の柱です。複数人で軽演劇をして笑わせる、コントスタイルの先駆けとなったのが吉本新喜劇です。
1959年に吉本ヴァラエティとしてスタートし、毎日放送の開局と重なり、テレビ放映されて関西においては長寿番組となっています。
1962年から吉本新喜劇に改名し関西のお茶の間のマストな番組となっています。
小学校が終わると帰る頃にちょうど吉本新喜劇が始まって、食い入るように見ていた記憶があります。

3つ目が吉本総合芸能学院、通称NSCの存在です。才能あるお笑い芸人の発掘と育てた芸人を囲い込むための芸人養成所です。1期生にダウンタウン、7期生に雨上がり決死隊がいます。

その成長と呼応する形で裏社会との関係も深まっていきます。

裏歴史

暴力団との関係がみつになるにつれて、警察沙汰になる事件を引き起こすことになります。

1940年の山口組トップ襲撃事件
1968年林正之助社長逮捕される
「ワシが親分(山口組3代目組長田岡一雄氏)に電話したら、兵隊を300人呼べるんや、血の雨ふらしたるぞ」という恐喝をしたためです。
山口組の組長とかなりの濃い仲でしたから、林正之助氏は山口組準構成員としてマークされる存在でした。
1987年暴力団誕生会への出席
間寛平氏、坂田利夫氏など計7人の芸人が白神組トップの誕生パーティーに出席
間寛平氏「知り合いから出席を頼まれたが、行ってみて、相手が暴力団組長と知り、驚いた。急に帰ることもできず、20分ほどそこにいたように思う」
この時は特に処分はなかった。

裏社会との決別

1991年林正之助氏が逝去
現在の吉本興行の大崎会長によると、
「林会長は裏の社会とも程よい距離感で彼らをうまくコントロールしていました」
「おそらく林会長の存在は、反社会的勢力に対する重石というか防御壁みたいなものになっていたのでしょう」
林会長の死は、日本で例えると米国の基地がなくなり日本が脅威に晒されてしまうという状態です。
吉本は反社会勢力の標的になります。そこでダウンタウンの人気に目をつけられますが、ダウンタウンの育ての親である大崎氏が反社会的勢力の防波堤になり裏の力とは付き合わないようにしていました。

2007年に政府が暴力団が住民との関わりを禁止する「暴力団排除条例」を制定します。
大崎会長が先頭に立ち本腰を入れて反社会的勢力との決別に向けて動きます。

2005年林正之助氏の娘婿の会長を務めていた林裕章氏が他界します。
これを機に吉野伊佐男社長と大崎副社長(当時)に経営主導権が移ります

これに異を唱えたのが裕章氏の妻である林マサ氏です。この行為が御家騒動に発展することになります。

ここで吉本の芸人である中田カウス氏が出てきます。
暴力団との関係が噂され、中田氏自身が2007年に事実を認めています。
大崎会長との関係はそれほど良くはありませんでしたが、脱創業家と上場廃止で利害が一致し手を組むことになります。

そして雑誌上で吉本マサ氏と吉本興行・中田カウス氏の攻防が始まります。
2007年1月大崎副社長呼び出し事件
2009年1月中田カウス襲撃事件
2009年6月大荒れの「株主総会」
2010年10月林マサ氏他界と非上場化で幕が閉じます

2011年8月島田紳介氏が暴力団との交際が発覚し引退へ

ここで1つ疑問点がなぜ中田カウス氏にはお咎めがなかったのか?
本気で反社会的勢力と決別するためにはインパクトが必要だと考えられる。
大崎会長とも親しかった島田氏を引退させることで吉本興行が反社会的勢力と決別姿勢を世間に知らしめるためには、有名な中田氏より島田氏を辞めさせた方が衝撃は大きいし、本気度が違います。
また中田氏の政治的な駆け引きが作用していたともいわれています。
何かしら大きな変革をするには大きな痛みを伴うものです。

真の決別とは

反社会的勢力とは決別したかに見えたが、昨年の2019年6月に闇営業問題が発覚します。

雨上がり決死隊の宮迫博之氏とロンドンブーツ1号2号の田村亮氏らが参加したとのすっぱ抜かれます。

経緯
2014年12月27日     振り込め詐欺グループの会合に吉本の芸人などが参加
2019年5月30日   FRIDAYが宮迫氏に直撃
   6月3日   宮迫氏・田村氏は記憶なしと報告
   6月5日   吉本が会合を仲介した元カラテカの入江慎也氏との
          契約解除
   6月7日   FRIDAYが宮迫氏・田村氏の闇営業問題報道
          宮迫氏が「ギャラはもらっていない」とツイート
   6月8日   田村氏が「ギャラはもらっていない」とツイート
          田村氏がツイート後、宮迫氏に相談
          宮迫氏が吉本にギャラをもらっていた旨を伝える 
   6月24日    吉本が参加していた芸人11人の謹慎処分を発表
           岡本社長と宮迫氏・田村氏らが面談し圧力をかける
   6月27日     吉本が反社会的勢力との決意表明をリリース
  7月6日〜8日    宮迫氏と田村氏が早期の謝罪記者会見を要望
   7月18日      吉本は2人に会見を伴う引退か契約解消への選択を
           提示
   7月19日         吉本は宮迫氏への計画解消を通告
   7月20日     宮迫氏・田村氏が独断で記者会見
           松本人志氏が大崎会長、岡本社長に記者会見を提案
   7月22日     岡本社長が記者会見
   7月25日     吉本がタレントと契約書を交わす方針     

金銭授受があったのに嘘の報告をすることになり、そのための謝罪会見を宮迫氏と田村氏が独断で行うのですが

ここで問題が宮迫氏と田村氏が記者会見を熱望したにもかかわらず、岡本氏が会見をすれば全員クビという発言をしたことが2人の会見で明るみになります。

なぜバレる嘘をつかねばならなかったのかISDロジックで分析

闇営業13人

上の13人が処分を受けました。かなりテレビでも一時期よくみた顔が並んでいます。

検証

まずは12タイプ分類、2分類、4分類から検証していきます。
パッションタイプが多く、その次がパーフェクトタイプ、バランスタイプという発生比率です。
ISDロジックではパッションタイプを危篤状態、パーフェクトタイプを部長、バランスタイプを社長として分けています。
この闇営業に関わった方たちを見ると、当時お笑い芸人として人気に陰りが見えている人が多かったからです。

1番注目したいところは2分類のリターンマネージメント、リスクマネージメントです。
リスクマネージメントが80%であるにもかかわらず、なぜこのような法を犯してまでやったのかということです。
リスクマネージメントタイプはリスクを考えて行動するタイプです。何かしらの安全という保証がないと今回のような行動には出ないのですが…
と言うことを考えると絶対にバレないという保証があったと考えられます。

それがなんだったのか憶測ですが、入江氏への絶対的な信頼だったのかなと考えています。
特に宮迫氏と田村氏に関しては闇営業をしなくてもそれなりに売れていたと考えると確実にバレないという根拠という保険があったと考えるとしっくりきます。

次に驚くべきは4分類ではイノベーター全くいないということ。闇営業は率先してやる短期的にはメリットがあるが、もっと先を考えたときにデメリットが大きいいと感じる行為なので0%という数字になったと考えられます。

宮迫氏と田村氏は共にリスクマネージメントありながらなぜツイートで嘘をつく必要があったのか?

闇営業12・2・4タイプ

宮迫氏と田村氏の行動特性から考える

宮迫氏と田村氏は共にリスクマネージメントありながらなぜツイートで嘘をつく必要があったのか?

宮迫氏と田村氏の個性を分析してみます。

宮迫氏理性戦略戦術選択

宮迫氏行動特性

田村亮氏戦略戦術選択

田村亮氏行動特性

宮迫氏が理性タイプでみんなと和気あいあいと仲良くというタイプです。田村氏も同じタイプです。

宮迫氏は戦略がトラスト、選択がトラスト。
田村氏が戦略がリサーチ、選択がインスピレーション。
トラストは歴史とか古きものに価値があると考えるタイプ、ということを考えると、反社会的勢力と付き合うことにあまり違和感がなかったのではと考えられ、
選択という意思決定もトラストなのでやる方向になるのはそれほど違和感がなかったと思います。

一方田村氏はリサーチなので必ず情報収集はしますが、周りの意見を尊重する傾向があること、選択がインスピレーションであることを考えると付き合いで参加した可能性が非常に高く、悩んだらそのままの流れに乗るタイプなのでそれが行動に出ました。

Twitterに関しては宮迫氏は臨機応変タイプかつデータ思考、データ思考は現実的なものの見方をする傾向があります。

田村氏は若干目標思考タイプ、若干のリスクマネージメントタイプ、ビジュアル思考で非現実的なものの見方をするタイプです。
宮迫氏はリスク(保身)を考えて嘘の内容をツイートし、田村氏はおそらくこのまま嘘が続けばいいと考えていながらも嘘をつくリスクも考えていたに違いないです。

田村氏(ネゴシエーター)がこのままではいけないということ、ネゴシエーターは帳尻合わせが得意ですが、次の一手が思いつかなかったもうこのままではバレるのも時間の問題だという内容を宮迫氏(プロデューサー)に伝えたのでしょう。
話の流れは田村氏から宮迫氏へ流れる傾向なので、話を受け止めて宮迫氏が全てのことを考えて真実を話すという流れに。

独自会見を開くという流れになったと考えられます。

新たな問題が発覚

吉本と芸人の信頼問題やパワハラへと発展し、ダウンタウンの松本氏の発言から始まり、極楽とんぼの加藤浩司氏の自身の司会する番組での発言が波紋を呼び、2019年7月29日の岡本氏の記者会見での経緯と対応の説明になります。
宮迫博之氏の契約解除撤回。
会長、社長は1年間50%の減俸
クビ発言は「親が子を叱る気持ち」だった

松本氏と経営サイドの話し合いになったわけですが、構図としては

三分類によるリレーション

松本氏が感性タイプで、大崎会長、岡本社長が理性タイプです。
話の流れは松本氏から入りやすいという状態なので、この話し合いでは松本氏の話が通り会見の内容に落ち着いたのでしょう。

岡本社長はどんな人かというと

岡本昭彦社長スタイル

理性タイプです。本質的には人を大事にする方で、最新の情報や格好良さを重要視します。
岡本社長の「会見したらクビや」という発言にはビジネススタイルの影響がかなり出ています。規律的タイプは規則の遵守やメンツにこだわります。
また慎重に行動をするので、駆け引きが苦手なんですよね、なので宮迫氏と田村氏の発言に対してあのような発言になったと考えられます。

完全には反社会勢力との関係を断ち切れていなかった

大崎会長曰く「僕が吉本興業に入社した40年前は、ヤクザの組みの盆踊り大会の演芸で、漫才師さん3組を連れて行って、というのは普通にありましたから。40年前でもダメだと思うんですけど。

でも、吉本の芸人に限らず、歌手でも誰でも日本の至るところで、そんなことはあった。
しかし今は、時代の空気をきちんと吸わなきゃいけない。

時代の流れのなかで、暴排条例ができて、僕たちは僕たちできちっと過去のことを反省して、関係を断ち切って、努力したきたつもり。

なので、今回の件は、忸怩たる思いはある。

ただ、道半ばだったちうことだと理解しています。」

こうした言葉から考えると、起こるべくして起こったということもあるが、怠慢であり、認識が甘すぎたのだと思う。
島田紳介氏が開いた会見は何だったのだろうか?
人は不完全な生き物ということから考えるとまた再び起こる恐れがあることは間違いない。しかし二度と起きないように予防策は講じておかなくてはなりません。

過去を振り返ってばかりいても仕方がない、前を向いて進むしかないのです。

時が経つことで今回のことがどう吉本のあり方になっていくのかを静観していきたいです。

最後に大崎会長を分析

大崎洋スタイル

大崎会長は理性タイプで、人を大切にし見えない価値に重きを置きます、伝統や歴史、物では品質などです。

セキュリティタイプで安心安全な環境が大切な人でそれを作ろうとします。まさしく反社会勢力からの決別がそうですね。

仕事での顔はスマートにリーダーシップを取ります、選択意思決定のベンチマークは短期決戦。あれこれ悩まずに結果に向かって突き進みたいというタイプです。素早い判断で意思決定するところが長所であります。

ビジネススタイルが表すのはクールな知識吸収型で、歴史や古典に特に興味を持ちます。
物事に対しての流れを掴み、人の意見を聞き入れようとする度量も備わっている反面、理屈っぽく、批判力が旺盛な分、客観的に物事を捉えることができる人です。

分析していくとなぜそういう行動になるのかが見えてきます。また個人の持つ思考・行動特性・性格から外側だけですが読み取ることが可能です。

もっと色々な事案を分析していくことで精度を上げていき、人の問題解決に役立ててく所存でございます。

最後までご覧いただきありがとうございます。

追伸
有名人の分析をインスタグラム でアップしています。
よかったら覗いてみてください。

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