親の熟年離婚に子供はどう向き合ったのか

熟年離婚

この言葉が自分に関係すると思っている子供は、どれぐらいいるのでしょうか?

ほとんどいないと思います。
私がそうでした。

熟年離婚

この言葉が自分に関係すると思っている親は、どれぐらいいるのでしょうか?

かなり居る。
私はそう思います。

夫が定年退職して、一緒に過ごす時間が増えた時、どんなに長く結婚生活をしていた夫婦でもお互いの知らない顔を見てしまいます。知らない言葉を聞いてしまいます。
その知らない顔は、きっと今まで違う人が見ていた顔なんだと思います。
引き受けてきた顔なんだと思います。

職場の同僚や後輩が見ていた顔、子供が昼間に見ていた顔、友達が見ていた顔、祖父や祖母が見てきた顔。

人は属している人間関係の数だけ顔を持っていて、いい意味で使い分けています。

他の人が見てきた顔や、他人への接し方を、夫婦は突如相手から見せられます。
それは、自分が属していた人間関係のコミュニティが1つ減り、減った分だけ家族という関係に使う時間が増えるからです。
熟年離婚する年齢では子供も既に大人です。
結果、夫婦の人間関係に使う時間が増えることになるのです。

今まで聞いたことない思いやりのない言葉を相手の口から聞いてしまいます。
今まで見たことのない相手のカッコ悪い姿を見てしまいます。
殆どの日本の会社では、定年間近の男性や女性というのは後輩社員から多大なサポートをされている存在です。仕事への生産性は下がり仕事への能力は低下してしまいますが、年功序列の制度によって課長や部長や取締役や社長と持ち上げられています。

昭和型の会社でほ、歳をとり老化していっても会社という組織の中で必要とされ、社会と重要なポジションで接点があると満足させてくれます。

定年前日、定年当日、定年翌日、この3日だけで人は社会の中でのポジションが大きく変わります。会社の中では、みんなが偉い人と扱ってくれていたとしても、辞めれば、1りの人であり、1人の旦那であり、1人の嫁であり、1人の壮年男女なのです。
新しい自分の社会的なポジションと、新しい人間関係を認識させられる日になります。

昨日まで後輩に、言っていた言葉を妻や旦那に言ってはいけません。

昨日まで後輩に見せていた態度を妻や旦那に見せてはいけません。

妻や旦那は後輩でも部下でもありません。
今まで支え合ってきた、同等のパートナーです。

初めて見る顔、初めて聞く言葉に相手も心の中では戸惑っています。
ずっと続けてきた夫婦関係に少しずつ変化が生じます。穏やかに過ごしたい誰もが思う慣れた生活に少しずつ変化が生じます。

変化は人の心から生じます。

女性の心に生じます。男性の心に生じます。
日々の少しだけの我慢から生じています。

変化は知らないうちに、少しずつ少しずつ、生じます。初めは姿を現さず、でもその間にも少しずつ少しずつ変わっていきます。
そして、気付いた時にはもう止めることができないほど大きくなっているのです。

変化が起きていることを、子供は知りません。
ずっと一緒に暮らしてきた家族だから。
ずっと一緒だった両親だから。私の両親だから。
これからもずっと変わらず、ずっと私の両親だから。
それが当たり前だと思っていたから。

私にだって私の生活があって、勉強に向き合わなければいけない、
仕事に向き合わなければいけない、
友達に向き合わなければいけない、
恋人に向き合わなければいけない、
自分の人生に向き合わなければいけないから。
両親の関係が変わるなんて考えは全くありません。
私がそうでした。

でも、変化は私の知らないところで少しずつ起きていました。今思えば、その予兆は確かにあったのです。

私にとってのその時は、

時間を遡り、
2012年 9月30日
前日の台風で飛行機が欠航したことで東京に戻れなかった私は、

長崎でその電話を受けました。

「あっもしもし、、お母さんだけど。」
私は母からの突然の、そしてなんだか声が弱々しい⁈ 電話を受けました。






※書きかけです。まだまだ、続きます!!


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