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クレイジー行為

コロナウイルスの影響で緊急事態宣言が発出され、


当時、学生だった自分はリモートでの授業。



色々なお店は営業を休止してシャッターが軒並み閉まっていて、街ゆく人の景色も無くなっていた。


マスク不足、コンビニに行っても品揃えの悪かったことを覚えている。

街はゾンビ映画のように閑散としていた。


そんな中で家にいる事が多くなり、
コロナ禍における離婚、DV、児童虐待なども
世の中では起こっていたそうだ。


厄介なウイルスだ。


外出する事は制限されるので、自分も家で引きこもるしかなかった。

そんな中で、世間では「おうち時間」というものが流行った。


例えば、これを機に家にいる事が多いので
料理に目覚めてみたり、資格を取ってみたり、
サブスクを活用したりする事だ。


自分もその流行りに乗って始めようかと思ったがなかなか続かない。


家でゴロゴロする日々、学校やバイトにも行けず人と接することもない。


正直、生きた心地がしなかった。


暇を持て余していたので好きな芸人
「オードリー」の出ているテレビ、ラジオなどを片っ端から観てやろうと思った。

もちろん、面白かったが想定内の感情を
抱くだけだった。





そう、日向坂で会いましょうを観るまでは


アイドルというものを毛嫌いしていた自分。


何の気なしに、見た番組。
初めて見た時は大喜利コーナーをやっていた。


アイドルが大喜利なんて‥と思っていたけど、
IPPONグランプリに出たことあるMCの若林さんも唸るくらいの面白さなのだ。


その次に見たのはヒット祈願。
シングルが発売される度に「ヒット祈願」企画が恒例となり過酷な内容に挑戦するのである。



東京、麻布にある日向坂から
静岡の三嶋大社までの約120キロを走る駅伝。



アイドル(14歳〜20歳くらい)の子達が
それぞれ2人1組で平均12キロくらいを走る。 


メンバーの皆さんが難題に取り組み、達成されていくのを観て、胸が熱くなった。



てか、涙もこぼしていた。



自分はとんだイかれた野郎である。


コロナで人と会えなくて家にいる時間が多くなり、モヤモヤした気持ち洗い流してくれた。

という事にして欲しい‥

にしても気持ち悪い‥

ドラマのルーキーズくらい久しぶりの号泣だった。


あの時の自分はどうしちゃったんだろうってくらい泣いていた。


アイドルなんて、皆んな同じ顔だろうと思っていた、おじさんの考えを一気に吹き飛ばした。


1週間もせず、メンバー全員の名前を覚えて
出演している番組を隈なくチェックした。


配信ライブ、グッズ、本や雑誌も
気づいたら買っていた。

Twitterで専用のアカウントを作り、情報を取り入れていた。

怖い話だ。


2020年4月から、
『日向坂46の「ひ」』という番組が文化放送
でスタートした。


もともと、ラジオは好きだったので毎週欠かさずに聴いた。


番組のノベルティを欲しいがために、
コーナーに毎日100通くらい送っていた。



バイト中もネタになりそうなことを考えてはメモをする毎日だった。



時々、バイトの子に何メモしてるの?って
言われた時はバイト後にスケジュール管理をしていたんだよと、意識高い系男子と演じていた。


多分バレていただろう。


そして、読まれた時は脳汁が溢れかえっていた。

親にアイドルにハマってることがバレてしまって、オタクと罵られていたが

関係ないね〜って心の中で思いながら
日向坂に没頭していた。


コロナが緩和されてから地元の友達と
LIVEに行った。


オードリーのグッズを着て
ちゃんと推しのタオルも買って。

自分がアイドルにハマる2年前くらいにアイドルをめちゃくちゃ語ってる地元の友達。
その時は正直、蔑んでいた。


2年前の自分に言いたい。
ごめんなさいと言えよと。
もっと感心して聞いとけよと。

LIVEで初めて生のアイドルを見て感動した。
ファンサービスで手を振ってくれたのを覚えている。

あれは絶対に自分に振っていると。


ディズニーでいう、ショー中のミッキーと同じ現象を目の当たりにしている感じだ。





今ではもう、興味がなくなりグッズも売り、番組さえもみてない。


もう、クレイジー行為はしていないのだ。



あー、あの時は生きてる心地してたな。




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