シーザーは野心を抱いた？

ちょいネタバレがほしい方のためのnoteです。
今日は演説の稽古をたくさんやった日でした。
それぞれ、どんなシーンなのかを紹介します。
ですので今日は主にストーリーのネタバレです。
最後の方に演出についてもちょこっと。

ブルータスの演説・アントニーの演説

『ジュリアス・シーザー』の物語の中に、登場人物による演説が2つ出てきます。

1つ目は、英雄であるジュリアス・シーザーを暗殺したブルータスが市民たちに、自分達が手を下した正当な理由を語る演説。

ブルータスを演じるのは神原弘之さん。

なぜ、ブルータス達は、ローマの王にならんとするジュリアス・シーザーを殺さなければならなかったのか？
ブルータス曰く『シーザーが野心を抱いたから』です。
偉大なるシーザーとて、王冠を与えられ強大な権力を手に入れればその権力を振りかざし、勝手気ままな振る舞いをするだろうと。そうなれば祖国ローマは、ローマの市民は、彼の奴隷として生きねばならないだろうと。
それが、ブルータス派の主張です。

そのブルータスの演説により、市民たちはシーザー暗殺を肯定します。
「シーザーは暴君だったんだ！」
「ブルータスならシーザーのいいとこ取りだ！！」

そのように市民に受け入れてもらったブルータスは「諸君はアントニーの話を聞いてくれ」と言い残し、その場を去ります。
アントニーはシーザー派ですので、ブルータスとは敵対関係にあります。
しかしシーザーの暗殺の直後、アントニーはブルータス派の仲間と手を取り、敵ではないことを表明します。そして「市民の前でシーザーの追悼の言葉を述べる、ただしブルータスたちを非難してはいけない」という約束を交わしていたのでした。

アントニーを演じるのは鷹野。

アントニーは演説というより、“シーザーの追悼”です。
しかし、シーザーがいかに立派な人物であったかを語り、それを倒したブルータスがいかに公明正大な人物であるかを語るうちに、市民の心には疑問が芽生え始めます。
「公明正大・・・？」
「シーザーに野心はなかったんじゃないか・・・？」

ついにアントニーは、「ローマ市民それぞれに75ドラクマ(現代の日本円で約50万円超)を与える」「私的所有の土地全てをローマ市民のための公園として遺す」というシーザーの遺言を公表し、それを聞いた市民達は再びブルータス一派に対して暴動を起こすのです。

『ジュリアス・シーザー』はその先、ブルータス軍とシーザー軍による戦争に突入します。
『シェイクスピア・ラプソディ』では、先にちょこっと話すと、この先はキャシアスとブルータスを中心としたシーンが採用されています。
それはまた明日以降の稽古で当たるかと・・・。
なにかネタがあったらまた書きますね。

ブルータスの演説を聴く

ブルータスの言葉に加えて、市民のリアクションによって、その演説がどのように受け取られているかが明確になります。
今日はそのリアクションを探りました。
“市民”と言っても、4人しかいないので、頑張らなくてはいけません。

読み稽古の段階では、“客席をローマ市民だと捉えて進める”となっていましたが、実際に立ってみると4人の市民に訴えかける方が良かったり、時に客席を利用するのが良かったりと、色々と見えてきました。

そして、ブルータスの立ち位置も、ずっと台上に立っているのか、台にはのぼらずに語り続けた方がいいのか、どの台詞の時に動くのがいいのか、何度も試してみて、今日のところの動きを固めました。

アントニーの演説

アントニーは逆に、市民を説得するというよりも、純粋に“シーザーに対する追悼の言葉を述べる”という態度でいるのがいいのかな・・・ということで、台にのぼるのは市民達だけにしたり、アントニーも椅子に座ったり、市民それぞれに語り掛けたり、清介さんの提案をいただいて色々試してみました。

ただし、アントニーは、その“追悼の言葉”を利用して、市民達の復讐心に火を点けるものすごく頭のキレる策士なのです。
悪者っぽくやるわけでも、アジテーションするわけでもなく、淡々と語りつつ市民の心を操作する狡猾さが求められます。

観ていて、ゾクゾクするようなシーンを創りたいです。
どのシーンも重要ですが、鷹野にとっては特にこのシーンが責任重大。
もがきます。

というわけで、今日は『ジュリアス・シーザー』を中心に書きました。
明日はどんな稽古になるでしょうか。。。
また書きたいと思います。

公演詳細

イエローヘルメッツプレ公演
『シェイクスピア・ラプソディ』

2021年9月7日(火)18時　公開ゲネプロ
9月8日(水)14時／19時
9月9日(木)13時／17時半
＠すみだパークシアター倉

来場チケット・配信チケット・DVDご予約
→https://gmbh0802.stores.jp/

GMBH 鷹野梨恵子
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