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2023.5.28 愛知旅③寄り道、骨董市

(その2はこちら)
(今回が最終回)

2023年5月28日
起きたら9時すぎ。早起きして名古屋モーニングを決めるつもりだったが出鼻を自らくじいてしまう。しかしがっかりというよりは、よく寝てすっきりが勝った。

今日のホテルの窓

支度をどらえもんのようにどたばたして、ひとまずチェックアウトする。
昨夜ホテルの近くで、駅名にもなっている大須観音らしき、でかい寺院をうっすら見かけていたので寄ってみる。すると骨董市をやっていた。思わぬ形で3日連続の市場となった。

時代が取り残されたかのように、古びた品々が売られている。お宝鑑定団でよく描写される風景だ。露店をのぞいてみると、引力の高すぎる逸品の数々で、はなれられなくなった。

●コアラのグラス (5個500円)

コアラグッズに目がないので、即購入を決める。
調べてみると、1980年ぐらいに販売されていた『サントリーエード』というオレンジジュースの販促品のようだ。1リットルのビンを2本という単位も珍しい。

当時のCM。


●広告マッチ箱(1つ100~300円)

喫茶店や旅館、車屋、選挙や交通安全協会などの広告が載っているマッチ箱。時代を感じさせる絵柄や、ロゴのフォントが本当に最高。
そもそも広告マッチ箱の概念っていつの話しなのかなと思い調べてみる。『ティッシュ配り』のページにかろうじて載っていた。

当時(1960年台)、日本で最も一般的な販促品はマッチ箱であった。マッチ箱はしばしば銀行で配布され、家庭の台所で女性に使用されていた。しかし、ガスコンロや使い捨てライターが普及したことにより、マッチの有用性が低くなっていった

Wikipedia『ティッシュ配り』より


単価もそれほど高くなく無限回収してしまいそうだが際限がないので、名古屋の昔のサウナ店のマッチ箱を収集した。店名で検索してもほとんど出てこないくらいかつてのサウナ。思いを馳せることでととのう。
(追記)調査を進めると、現ウェルビーの前身の岐阜大和観光系列のサウナだったとわかる。

数十年前のこととつながるれるなんてすげえと思うと同時に、骨董市をも愛でることのできる人になっていたことに気づく。

しかし実体があってこそ、こういう出会いにつながっていったわけで、デジタルでヴァーチャルになりつつある現代は数十年先に残っているのだろうか。いつかはインターネットも滅ぶかもしれない。
個人が抱えるには大きすぎる問いを抱えながら物色していると、視線の先で『松岡修造 日めくりカレンダー』をとらえる。少し気持ちが明るくなった。

感性が時代に追いつく


それから、モーニングの夢は捨てられないと、一日中モーニングできるところを見つけてシェアサイクルで向かう。さすが車社会ともいうべきか、道が広くてすいすい楽しかった。
30分ぐらい漕いで、名古屋駅からちょっと離れた『喫茶モーニング』に到着。古民家をリノベした素敵な空間だった。昼時だったが、空いててゆったりできた。朝飯をのがしたので、タコライス、小倉トーストをつけて満喫。

後世に残したい風景

それから電車で東山公園駅に行く。東山動植物園のコアラと、本屋のON READINGに巡礼しにいくためだ。
(洋食屋のコアラドも行きたかったが休みだった)

意外と両者が近い位置にあったので、コアラ舎→ON READING→コアラ舎→ON READINGと往復する。コアラは寝ていることが多いので何度も行くことが大事(これはビジネスのキーマン攻略にもいえることである)で、本屋は欲しいものがありすぎて一旦落ち着かせるという効能がある。

コアラ舎は閉園前の夕方がフィーバータイムだった。夜行性で夕方から起きるコアラたちが多いのだ。でも寝ている姿も愛らしかった。

人気者おもちさんにも顔をあわせることに成功

ON READINGでは特にびびびときた本たちを選んで購入。
・生活フォーエバー/寺井奈緒美
ひとつの題材に対して短歌→エッセイ→短歌という構成が新鮮。
・居心地のわるい泡/平井基
装丁がよくて手に取った。中身の世界のひろがりも好みでこれは買いだ!となる。
隣のギャラリーで開催していた熊谷聖司さん写真展『心とその周り』も想像が膨らむ場所ですばらしかった。


そして名古屋に戻り、手羽先と天むすを買って、新幹線で食べて東京に帰るまでが旅だった。帰ったら近所の銭湯でもれなくリカバリーして寝た。

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