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デザイナーが課題点から施策を産み出すまで

こんにちは!
エアークローゼットでUIUXデザイナーをしている古澤です!
社内ではgomachanと呼ばれています。

この記事は、airCloset Advent Calendar 2021 24日目の記事です。
(イヴということもあり、割としっかりめに緊張しながら文面を綴りました。)

私からは、デザイナーが課題点から施策を生み出すために活用できるフレームワークを話します。下記の様な課題をお持ちの方が読まれると何かヒントになるかもしれません。

PL(PM)と並走しながら今持つ課題に対して一緒に適解となる施策を考える。あるいは、自ら課題点から抽出した厳選施策を提案する。

私自身が実務でこのフレームワークを取り入れてから、課題へ目を向けやすくなり、PLと構想段階から一緒に施策を考えるフェーズに声をかけてもらえるようになりました。その具体フローについて語ろうと思います。

Wダイヤモンドって?

2005年に英国デザイン協議会で初めて導入された、2つのダイヤモンドを描くように発散と収束を行う課題解決方法です。 https://innovationenglish.sites.ku.dk/model/double-diamond-2/

【探索】
課題点に着目し、課題の深掘りを行う。
【定義】
探索で発散された課題点をグルーピングし、施策に落とし込むべき課題を抜粋する。
【展開】
定義で上がってきた課題点を解消できそうな施策を発散する。
【提供】
発散させた施策をグルーピングし、取り組むべき施策を絞り込こむ。

流れとしては発散→収束→発散→収束のリピートです。
この4ステップを踏めばいいのですが、どうやって次のステップに進めばいいの?と当時私は戸惑った経験があるので、ここから噛み砕いていこうと思います。

step1:課題の発散(探索)

課題点に着目し、課題の深掘りを行う。

実際にツリーで発散を行った図

今課題として捉えられていることを軸に、その課題がなぜ起こっているのか?をツリーもしくはKJ法で掘っていきます。なぜの繰り返しがこれ以上出てこないなと思ったところでその枝の発散は終了させてOKです。


step2:課題の収束(定義)

探索で発散された課題点をグルーピングし、施策に落とし込むべき課題を抜粋する。

KJ法で課題の収束を行った図

ここでは課題点をグルーピングしていきます。KJ法で発散された場合はグルーピングを、ツリーで深掘りをした場合は、類似課題をまとめてみてください。すると、およそコアとなる課題が見えてくると思います。

また、ここで出たきた課題はかなり仮説ベースになることが多いので、もし時間にゆとりがあればユーザーインタビューをして確からしさをヒアリングすることもおすすめです。
もし、インタビューしたいなと思いつつ、どうやるんだ?と思った方には個人的におすすめの本を記載しておきます!
インタビューに必要な知識が網羅的に書かれており、贅沢に事例を元に書いて下さっているので実務に活かしやすいです。


実際にやってみて色々課題は見えてきたけれど、何を軸に絞りこむのが適解なの?
当時の私はここでつまずきました。課題は出たものの何からやるべきなのかが自分じゃ判断がつかん...と。
そこで、各課題に対してファクトの有無や事業インパクト等の軸で5段階の評価を設け、マッピングすることで優先順位を炙ることにしました。もし順位付けに戸惑ったらこのようにリストで判断することがおすすめです。

優先順位付けするときのリスト

この優先順位付けは、D4Vのryoさんにご提案いただいて活用してみたところ主観が入ることなく純粋に優先順位を付けることができた方法です。(ryoさん、ありがとうございます!)

ある程度定量化させることで、主観が入ることなく順位付けをすることができます。場合によっては疑う余地なく、この課題が最優先!と出てくることもあるのでその場合は次に進んで良いと思います。

step3:施策の発散(展開)

定義で上がってきた課題点を解消できそうな施策を発散する。

抜粋された課題に対して有効性の高そうな施策を発散させていきます。
ここでは複数の方に参加していただいてブレストを行い、できる限り沢山の案を出せると良いです。私はこのフェーズではKJ法で行うことが多いです。方法としては、step1:課題の発散(探索)と類似するので割愛します。


step4:施策の収束(提供)

発散させた施策をグルーピングし、取り組むべき施策を絞り込こむ。

ここでは、どの施策が有効性が高いのかを決めていきます。
有効性は、開発コスト × ビジネスインパクトを軸に考えます。一見、UXやユーザー観点での検討がされていないように見えるかもしれませんが、ここでいうビジネスインパクトはユーザーニーズにも直結することが多いです。何故なら、利用するユーザーが多いところで利益が生まれるからです。
結果的に改修することで、ユーザーの為にもサービスの為にもなるwinwinな状態に辿り着きやすくなります。
ここを判断軸にデザイン提案することを意識してから、PLとよりコミュニケーションを取りやすくなりました。確からしさと定量データって大事ですね。

各ファネルでの予測遷移率

実際にインパクトを精査する方法は、ユーザーの離脱率やCVRをデータ部門の方に聞いてみて、実態を把握してみることがおすすめです。
私は抽出していただいた数字を元に、一番遷移率が高い施策はどれなのかを優先順位付けしました。

この数字を元に、インパクトが高くなるべくミニマムで施策として運用できるものをリスト化していきます。まずは小さく効果検証し、想定KPIに達成もしくは想定以上のインパクトが出た時に、改めて方針を見直す機会を設けることでリスク回避にも繋がります。

全体の流れは以上です!


まとめ

日頃デザイナーが取り組む業務の背景には、何か課題を解消させるというミッションが存在しているはずですが、ふと気づくとPM(PL)から言われた指示を忠実に理解し、クリエイティブを作ることだけに視点が向いてしまうことってないでしょうか?
私自身、エアクロに入社したての頃は、まさにこの状態に陥ってしまっており、指示に対して適切に肉付けをしてアウトプットを出すことしかできませんでした。
ですが、デザインは必ず「今現在抱えている課題を解決する」という目的があるはずです。
その問いを出すフェーズからプロジェクトに関わることで、何か新しい視点が発見できたり、上流の段階から深くプロジェクトに参加することでアウトプットの質を高められたり、デザイナーとして貢献できるリーチが広がることを私は上記方法で実感しました。この記事が何かヒントになれば嬉しいです!

いい感じでまとまった(そう思いたい)ところで、最後に伝えたいことが。
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