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2022年、配信で観た映画を自分のためにまとめておく

2022年に配信で観た映画のうち、印象的だったものに関してここにまとめておく。

  1. ヒッチ・ハイカー(1953年)
    アイダ・ルピノというあまりに偉大な女性監督。最小限の手数で撮るべきものを撮れてしまう技術力。50年代アメリカ映画にしてはあまりにコンパクトで驚く。

  2. ゾディアック(2006年)
    今年ベスト。ゾディアック事件に偏執的になる3人の男たち。ジレンホールの色気を漏らさず映すショット。鑑賞から数か月経ってもなお、"Hurdy Gurdy Man"が頭から離れない。

  3. ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書(2017年)
    流石はスピルバーグ。オープニングだけでこの映画の全貌を十全に語る簡潔さ、観やすいのは省略技法、苛烈な現実への目線。そして、『大統領の陰謀』(1976年) へと繋がっていく。

  4. キートンの酋長(1921年)
    今年上半期は、キートン、メリエス、リュミエールをよく観てた。サイレントの一番のお気に入りは今作。

  5. ライフ・ゴーズ・オン 彼女たちの選択(2016年)
    ケリー・ライカートのショットに対する的確な感性。個人的にはクリステン・スチュワートの撮り方に心を奪われてしまった。

  6. スチレンの唄(1958年)
    今年はアラン・レネをよく勉強した。有名どころでは『夜と霧』(1955年)など。特に初期のレネは芸術に接する手段としての映画に見える。この『スチレンの唄』はお気に入り。

  7. 銀座カンカン娘(1949年)
    戦後の銀座の野原、そして高峰秀子と笠木シヅ子を観れば思わず涙があふれてくる。

  8. はなればなれに(1964年)
    ようやく見た。冬のパリ。男2人と女1人という黄金比。そして会話に飽きたら沈黙する。ルーブル美術館を駆け抜ける3人。
    https://note.com/gm_magapink/n/nf2f92676dc5b

  9. 肉体の冠(1951年)
    シモーヌ・シニョレという女性の妖艶さ、そしてそれを映しとるジャック・ベッケル。窓枠という舞台装置。

他に印象的なものとしては『ナイト・スリーパーズ ダム爆破計画』(2013年)、『小さな兵隊』(1960年)、『アラブの盗賊』(1954年)などいろいろ。来年はシネマヴェーラ渋谷で「ヌーヴェルヴァーグ前夜」としてベッケルを観れるはず。ベッケルはちゃんと観たい監督なので楽しみ。

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