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全員参加型アセスメント

介護過程において一番重要といっても過言ではないアセスメント
ここがしっかりすればするほど、結果に繋がる。
ケアプラン作成はもちろん、日々起こる問題解決にも非常に有効。
チームで扱えればもちろんいいけど、自分自身で1人で利用しても悩み事の整理などにも有効。

そもそも問題解決の問題の部分をちゃんと見いだせてないケースやそれをチームで解決していくということに対しうまく、まわせてないケースもある。

そんなんもまるっと整理できる。
そんなアセスメント方法の話

決めごとの大まかな流れ

現場においての現実的で実際に成果のある流れ

といった括りでまとめてみました。

はじまりー

例えばの話

”〇〇はこういうことになりました。”
と連絡帳に書いてあった。

昼休憩1人のスタッフXが周囲に聞こえるぐらいの声で

「めんどくさ」

と呟いた。
周囲の人も巻き込もうみたいな言い草で

〇〇はこれからこうしましょう!!とかって
何か問題があって、それを良くするために誰かが決めたこと

良かれと思って

そう思ってのことであることは理解した方がいいのと同時に、良かれが良くない人も必ずいるものだってことも分かっておいた方がいい。

また現実的に無理があったり、あの人は出来るけど、あの人は出来ない、なんてこともある。

何かを決めるっていうのは後にも先にも大変で満場一致で「それだ!!それこそが大正解だー!!」って1人も漏れなく皆がハイタッチして納得するようなことなんて神様にも出来ないんじゃないかって思う。

「めんどくさ」って言われないように

「めんどくさ」って言っちゃう、そういう時もある。
ただXさんが「めんどくさ」ってならずに、まぁちょっと頑張ってみよっかなとか、昼休憩に周囲に同意を求めるように、「めんどくさ」って言うことををなくせる可能性を上げることは出来る。

相談するー決めた側になってもらう

連絡帳に”〇〇はこうなりました”って書く前に時を戻して

「Xさん、〇〇についてどう考えますか?」と質問をする。
返答があってもなくてもいい。

返答があって意見が真逆の場合は要注意。
「なるほどそういう意見もあるのか」みたいに受け入れてから次へ→
意見がない場合はそのまま次へ→

連絡帳に書こうとしていた内容を伝える。そう考える意図を添えて・・・

先ほどとは反対にこのタイミングで、真逆の意見が出る場合もある。

とにかく意見の不一致がある場合は他の人にも相談してみる。


多数決の結果が正しいとは限らないが、それだけでもXさんの意見はひるがえる場合もある。

例えば新たに相談した人がXさんより目上の人で、権力がある場合など…。

それはそれで使える"時"はある。

ただ自分の考えを改める可能性も消してはいけない。
話題の軸は本来は利用者であるということは忘れちゃいけない。

全体のバランスをみながら可能な限り最適な方法を見出すようにする。

決め事に参加してもらうことが重要

納得まではいかずとも、ある程度意図は理解して決め事の実施にあたってもらえる。
これが何も知らずに「こうなりましたー」ってお知らせのみであった場合どうだろうか?
冒頭のようにお知らせなしのお知らせに「めんどくさ」が生まれそうだなって思えるんじゃないか?

遠回りのようで近道。

「急がば回れ」

結果、「めんどくさ」はなくなるかもしれないし、なにより周囲に同意を得ようとすることはなくなる。これは経験談から。

ここまでが大まかな決め事をする際に有効な流れ、でもこれは実際の現場においては勤務日が合わなかったり、担当業務が違ったりで、すれ違いが重なったりして難しいかもしれないし…

そこでアンケート(相談)

”〇〇をこうしたい”だけでもいいし意図を添えておいても良い。
Xさんに相談したような
『主語・述語』の一文を題名に期間や相手の都合踏まえて可能な限りの人の参加を促す。

この時点での一文は抽象的でいい。

参加者の名前は予め入れておく

口で聞いて、口で返答が帰ってくるチームであればいいけど、会議などを思い浮かべると言いたいことを言えない人や、発言するつもりのない人などがいる光景が思い浮かぶ人は少なくないず。
出来るならそれでいい。ただ紙ベースで集めると思いがけない人の、実はこんな思いを持ってましたなんていう掘り出し物もある。

なので是非、紙ベースでやってみて欲しい。

そしてここまでみるとただの”ブレスト”やないかーい!!
って思うと思う。でも

こっからが全員参加型アセスメント

※否定的な反応はなし、しないように気をつけるっていうルールは設けて実施
どれぐらい否定しないか、実際にはどのように?って場合は
リンク→否定しない技術 《作成中》

集計してみると題名に対し3種類に分けられる返答と同じことでも違う印象を持っていることが分かる意見が書いてある
【問題視してる点】【案】【疑問・不満】【差】
更にそれが事実なのか思いなのかも分ける。

集計結果をこんな感じの中に入れていく。
同じような意見は例えば[暴言・・・・・]みたいに点などをつけて票数も分かるような形にしておく。

個々の思想や、感じ方を知ることが出来る。
未記入、白票も可とする、それもまた意見。

ここに否定しない技術がまだついていないスタッフが書いてくる内容は、まるでクレームのようなすごいのが来るんだけど、それが非常に使える。

皆が嫌だなと感じてることが分かるので、そこの解決も踏まえた提案に変われば逆に喜ばれることになる。
同じ内容でも言い回しで、こうすることであなた方の不満は解消されますよっていう持っていき方がとりやすい。

どちらかというとこちらは、スタッフのニーズが出てくる集計結果になる。

これらと普段行っているADLのチェックなどを合わせて情報収集が完了。

ここで元々題名となっていた『主語・述語』をより具体的な一文に変換するようなイメージで、本当に解決すべき課題、問題の本質が見えてくる。
その時点で計画の立案は、ほぼ達成したようなもの。

利用者主体は?

利用者主体を念頭に作りあげられたプランもあれば、そうでないプランも実在する。

Xさんが「めんどくさ」って言っていたように、それが例え利用者主体にのっとった物であってもスタッフが気持ちよく動けるような方法をとらないと、スタッフの気持ちが乗らずかえって質を落とす結果となってしまう。

スタッフのことも考えてすすめる方が結果的には利用者主体に繋がると感じている。

スタッフの都合を正当化してまかり通そうというわけではない。

例えばの話

水分1500cc摂取が推奨されている利用者でよもぎさんという方がいて水分摂取量に対する見解

スタッフXさんの意見
「この歳でこんな飲まされるなんてよもぎさんが可哀想だ」と言い。よもぎさんの辛さを主張。

一方、スタッフBさんは
「いつも頑張って飲んでくれてます。雑談しながらだと意外と進みがよくて」なんて言ってる。

この2人の差はなんだ?同じことなのに何故こうも違うんだ?
現場をのぞいてみる。
Xさんの日は「飲んで、飲んでー!!」
自分で飲めるのに介助して飲まそうとしたりまるで水責めだ。
確かによもぎさんは辛そうで可哀想。Xさんはそれが辛いらしい。
結局、コップの下の方に少しお茶は残った状態。
Xさんシンクにコップを運び、捨て台詞「こんなに飲めるわけねーだろ」。

Bさんの日、よもぎさんのコップにまだ半分以上お茶が残っている、次の瞬間Bさんは「よもぎさん、1口飲んでくれたんですね。さすがです。この前家の近くのスーパーでね・・・」なんて会話が始まった。よもぎさんも「私も昔は・・・」なんて話してる。途中でBさん「どうぞ、どうぞ」とか「最近乾燥してるからね」なんて言いながらさりげなくお茶を進めお互い笑顔の状態で飲み切った。

こんなことが現場ではある、きっと全国にあると思う。
こうやるとうまくいくよみたいなことは散々伝え合ってきて、言っても無駄だからと職場を移ったり、介護の仕事をやめて行ったりなんてこともあるだろうし自分自身が実際に何度も経験してきた。

Xさんも、Bさんも辛いところはあるだろうと思う。Bさんには技術があるし、Xさんもあれでいて、補充する物とかよくやってくれてるんだけどな。
それぞれ良いとこも悪いとこもある。

みたいな話、あるあるなんじゃないかな。
連絡帳に書いても伝わらないのは読み手それぞれが捉え方や感じていることが違ってる。そこがないがしろだった。または理解していなかった。

さて本当にXさんは利用者のこと考えて「よもぎさんが可哀想だ」と言っていたんだろうか?

可視化する

意見の不一致や差が生じていることについて、それぞれの位置を可視化する。
Xさんによもぎさんの水分摂取1500ccについて自分自身とよもぎさんの位置は下の表でどの位置にあたるか聞いた。

「私はよもぎさんに水分を進める事は苦痛だし、なかなか飲まないから他の人も観ながらだと業務的にも負担です」とXさんの位置が決まった。
「よもぎさんの健康面にとって1500とれることがいいことは分かります。だけど普通に飲まないから飲め飲め言われたりしながら辛そうな表情で飲んでるところをみると・・・」とXさんからみたよもぎさんの位置も決まった。

Bさんはどうか

「会話しながら、水分も摂れて良いことしかないと思います。」

この表で自分の位置と対象の物事、人の位置2カ所を埋めてもらう。

自分も対象も右上に近ければ近いほど良い。

Xさんの表をみて分かることは「よもぎさんが可哀想だ」と仰っていたが1番可哀想なのはXさんじゃないのか?ということ

Xさんを責めることは決してない。
責めるのではなくXさんとよもぎさんが右上にいくためにはどうしたら良いのかを考える。

考えるもなにもすでにマックス右上のBさんを真似たら良いんじゃないか?

ここでやようやく連絡帳に書くだけじゃ腑に落ちなかったXさんが腑に落ちることとなる。

めんどくさいけど

よもぎさんが気持ちよく水分摂れちゃったのは、Bさんのひと工夫があったから。

Xさんが気持ちよく働くためにもひと工夫あればいいんじゃないか?

結果どうなるか、Xさんの日もよもぎさん笑ってお茶を飲み干すようになる。

アセスメントでほぼほぼの道筋はみえてくる。
同じ方向に向かって考えることが出来る。
スタッフ対スタッフの構図を敢えてスタッフの状況を汲み取ることで"目を逸らす"というか本来見るべきだった方向、同じ方向をみて建設的な遣り取りが出来るということとなる。

以上!!

数施設での実験を開始します。

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