グルテンふり子の自己紹介(2022年版)
「グルテンふり子」の名前から察せられるように、わたしはグルテンフリー生活を続けて11年になります。
理由は趣味嗜好ではありません。食べると体調を崩すからです。
発端は20歳の時。
自分がグルテンアレルギーになっているとは知らず、メンチカツを食べた後のランニングでアナフィラキシーショックを起こし、救急車で運ばれました。
原因は「茶のしずく石鹸」によるもの。
10年以上前のニュースなので覚えてない方も多いでしょうが、「茶のしずく」という洗顔石鹸を使っていたら、それが原因でグルテンアレルギーになってしまったという事件の被害者です。
石鹸といった、口から取り入れるもの以外のものが原因でアレルギーになってしまった症例は世界で初めてのものでした。
「世界初の症例なので避けられなかった」と言われても何の慰めにもならず。
茶のしずく石鹸は自分から進んで手にしたものではなく、母親が大量に買い、飽きてわたしに回してきたものだったので、こんなもので人生が壊されるのかと愕然としました。
アナフィラキシーショックで倒れたために急遽休んだバイトへ復帰後、事情を説明すると「あのニュースの!」と周りの人からたかられ、これまで大した関わりのない人たちから野次馬質問を散々され、わたしを気遣う言葉はひとつもなく、帰り道では怒りで目の前が真っ赤になったことは、今も鮮明に覚えています。
ニュース性の面でも傷つきましたが、それよりも長く辛かったのは「あまりにも理解されないこと」でした。
アレルギーへの理解はこんなにも浅いのかと。
アレルギーを公言すると「めんどくさい人だ!」と面と向かって言われるくらいは当たり前、長期的に関係を保とうとすると「ふり子がいると食事が選べないから来ないでほしい」とキッパリ言われたり。
当時20歳そこらの大学生だったわたしにとって、自分ではどうしようもないことに対して拒絶を示されることは、とてもとても辛かったです。
しかもわたしも周りも薬学生!
医療を学んでいる人たちですら、これなのかと絶望しました。
場所を変えてアレルギーの人が集まるコミュニティなら良いのかと思いきや、そこは「アレルギーの重症度を競い、より不幸な人が上から目線で喋る」という、なんとも不健全な場でした。
ほどなくしてわたしはサラッと「店の予約はわたしが取るね」と面倒な幹事役を全て引き受け、誰にも告げずに自分が食べられるものをするりと頼む、先回り手法をとるようになりました。
アレルギーだと伝えないのが一番。
わざわざ自分の弱点を曝け出しても、何もいいことなんてない。
どうしても食べなければいけないシーンがあれば、少し食べて後で薬を飲む。
そう無理をしていた時期もありました。
今はアレルギーがある旨を伝えつつ、どうしても食事に行きたい相手の時だけ幹事役を引き受けています。
改めて幅広くお伝えしたいのですが、アレルギーは好き嫌いではありません。
「食べたいのに食べられない」。
このストレスは甚大です。
わたしも、自分がなって初めて、この辛さに気付きました。
美味しいものが食べたい。
でも、食べられない。
だからおかしなことになる。
食べたらひどく体調を壊す。
そんなの分かってる。
でも食べたい。
後で罰をくらうとわかっていても、それをしたい衝動。
グルテンに関わらず、アレルギーと一口に言ってもさまざまな症状があります。
有名なのは
・死
・口がピリピリする
・喉がイガイガする
・蕁麻疹
などでしょうか。
しかしその他にもたくさんあって、「え?そんなところにアレルギーが関わっているの???」と思われる症状も。
「グルテンフリーをやってみたいけれど、難しくてできない」人のために始めた、
その日食べたものとお悩みをテキストで送ってもらい、それに回答する「グルテンフリー生活2週間サポート」サービスでは、
スーさんも悩まされている頭痛の他にも、肌荒れ、鼻炎、寝起きの悪さが改善したとお客様からお声をいただきました。
自分が「当たり前」だと思っている不調は、実は食べ物が要因かもしれない。
そう疑うことが珍しくない世の中になるように、わたしも微力ながら力添えしたいと思い、
こうしてnoteで細々と書いたりもしています。
元々茶のしずく石鹸が発端でグルテンアレルギーになったわたしですが、現在は「石鹸由来のアレルギーは完治したが、体が弱すぎてアレルギーと同じ症状が出ている人」と、これまた複雑な人になってしまいました。
28歳からはグルテンだけでなく、大豆、りんご、桃、ココナッツなど、アレルギー症状が出る食べ物がずいぶん増えています。
細かいところまで伝えるのが難しいので、ざっくりと「アレルギー」と周囲には伝えています。
避ける必要があり、食べれば体調が悪くなることは事実ですし。
自分の弱点であるアレルギーを公表すること、理解されない辛さと正面から向き合うこと。
そして何より、食べられない時間を生き続けねばならないこと。
それら全てに「負けへんで」。
グルテンだけでなく大豆も食べられなくなったことによるダメージが大きく、自分のことで一杯一杯になってしまう日々ですが、
理解と認知が広まるよう、活動を続けていきたい所存です。
2022年9月
グルテン ふり子
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