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「嫌いな芸能人」を克服したら、エンタメがもっともっと楽しくなった

あなたには、「嫌いな芸能人」いませんか?

本人に嫌なことをされたわけでもない。直接会って話をしたこともない。

だけど、嫌い。


あるときテレビで見た振る舞いが嫌だったとか、よくないニュースがあったからとか、それぞれ理由はあるけど、よく考えたらおかしな話だなぁと思います。

わたしは相手のことをメディアやSNSで切り出された面しか知らないし、相手に至っては1ミリもわたしのことを知りもしないのに、嫌いって。


でもでも、背伸びして冷静ぶってみても、嫌なものは嫌!!!!

わーん!!!


嫌いな人なんて居ない方がいい、そうわかっていても、わたしには「嫌いな芸能人」が居ました。

それは、お笑いコンビ・タカンドトシ。


どうしても苦手だったモーション

遡ること15年ほど前でしょうか。

タカアンドトシが大ブレイクを果たし、ゴールデンや昼の番組にじゃんじゃん出演していた頃。

そこで頻繁に行われていたのは「欧米か!」とツッコミながらボケの頭を叩くモーション。

お笑いを全く知らない当時中高生だったわたしは、バラエティを見る習慣がなくとも目に入ってくるタカトシのツッコミを「痛そう😩」と思い、見る度に憂鬱な気持ちになっていました。

お笑いがどうやって作られているかなんて、何もわかっていない頃です。



わたしが嫌悪感を持っていようと、容赦なくじゃんじゃんテレビで繰り出される「欧米か!(バシッ)」。

憂鬱。


📺「欧米か!(バシッ)」

憂鬱。


📺「欧米か!(バシッ)」

憂鬱。


📺「欧米か!(バシッ)」

憂鬱。


・・・

こうして「タカトシの『欧米か!(バシッ)』を見る度に憂鬱になる」経験が蓄積された結果、「タカトシは『欧米か!(バシッ)』をやるから、極力見ない!」にシフトしました。

出てたらすぐチャンネルを変える。簡単な動き。


元々バラエティを見る習慣がない家庭だったこともあって、いつの間にか彼らはわたしの生活から、するんとフェードアウトしてくれました。


そしてタカアンドトシの存在を思い出すこともない生活を続けます。


時は経ち、それから約10年後。
おっとりさん(夫)と付き合い始め、彼の影響でバラエティを見るようになり、お笑い芸人に高く関心を持つようになりました。

そこで「叩かれても痛がらないことで笑いが成立している」ことを知りました。


だから、カミナリやトム・ブラウンのネタは楽しめます。


それでも、タカアンドトシだけは、相変わらず苦手。

大人数の中にタカトシが混ざっているだけの番組でも、タカトシに切り替わった瞬間、自分の心の中のシャッターが降りて、全然楽しめない。


レギュラー出演してる番組なんてもってのほか!
「有吉ぃぃeeeee!」は内容が面白そうだなって思うけど、タカトシがレギュラーだから、見ない。
ううん、「見れない」。

ちょっと悲しくて、さみしい。



たまに見かける彼らは、過去の記憶ほど頻繁に「欧米か!」叩きはやっていなかったのですが、それでもわたしの中にはしっかりと嫌悪感が根付いてしまっていました。

憂鬱のトリガーは、もう「欧米か!(バシッ)」ではなく、タカアンドトシ本人たちへと移ってしまっていたんですね。



「嫌い」じゃなくなりたい

タカトシを見た瞬間、15年前と変わらず自分の中に湧き上がる嫌悪感。

バラエティ番組を見る習慣が完全についた頃、この気持ちをやめたいと、真剣に思うようになりました。

だって、"嫌いな人"は居ない方が人生楽しい!

※ここでは相手の存在を消したいの意味ではなく、相手を自分の中に受け入れて、「自分の嫌いな人フォルダから相手の名前が消える」心の動きを指します


番組をもっとピュアな気持ちで楽しみたい。

わたしの「嫌い」という感情のせいで、番組全てを勝手に台無しにしたくない。

全てを握っているのは、わたしの心の持ち様。


どうしたら克服できるだろう?

とりあえず今は、テレビに出てきても目を逸らさずに見るのが精一杯。


そんな小さな努力を繰り返すことで、どうにか「タカトシを見た瞬間、見ないようにする」動作を鎮め、「タカトシは苦手」くらいにまで落ち着けていきました。


とはいえ、目に入った瞬間、ちょっと「うっ」って具合は悪くなる。

あぁ、あとちょっとなんだけどな。そのちょっとが、進まないんです。



転機は突然に

タカトシとは関係なく、6月末、鬱屈した気持ちが自分の中に吹き溜まってしまい、「これを払拭できるように意識的に動かないと、ご飯も食べれないし眠れなくなってしまう!!」と危機感を覚える状態に陥りました。


外で"人が元気に生きている"と感じられる場所にいきたい。

ライブを観たい。

赤ちゃん(1歳)がいるから、夜は動けない。昼に何か楽しめるものはないだろうか!??


日本全体でライブ形式で観覧できる娯楽がほぼ開催されていない中、選択肢の一つとして検索した、🔍「よしもと チケット」。

行けそうな日時に都合よく開催していたのはルミネtheよしもとの公演。


出演者は...

タカアンドトシ/野性爆弾/麒麟/銀シャリ/ライス/GAG/守谷日和/インディアンス/インポッシブル

あーーーっ!

すごい!
知らない人がいない!それどころかみんな好き!!ラッキー!!!


野性爆弾/麒麟/銀シャリ/ライス/GAG/インポッシブル...

わたしの苦手な人・タカアンドトシが見えなくなるくらい、一瞬でテンションが上がりました。


出演者の名前を見ただけでこれだけテンションが上がったのだから、もう、これは行こう。行かなきゃだめだ。


ただ、このラインナップだと、トリはタカアンドトシだろうな...。

どうする?トリ前で退席する?

できれば最後まで観たいんだけどな。うーん。

・・・ま、最後まで観るかどうかはその時の気分で決めればいいや!ポチーーーっ!!!


チケット購入画面へ進むと、座席はまさかの"3列目"と表示!
前2列は感染症対策で元々人を座らせないから、実質最前列!!!!

ルミネtheよしもと来訪3回目にして、初めて最前列ゲット!やったーーーー!!!!


他にも別日にいくつか鬱傾向払拭のための策をちりばめて、しっかり寝てから迎えた当日。


最前列観覧は予想外に楽し過ぎる

ドキドキしながら実質最前列席へ向かうと、わたしの席はサイズが大きめで声のでかい男の子と、全身アースミュージック&エコロジーみたいな服を着た大人しそうな女の子の間でした。


うっ、男の子、ちょっとうざいかも...?
いや、最前列ならそんなことも忘れさせてくれ!

小さな不安もありつつ、楽しみが勝ったまま、暗転して出囃子が鳴り始める!


舞台はインディアンスからスタート!

前回遠い席から観た時と比べて、最前列で観る今回は、伝わってくるエネルギーが桁違い!!

さらに、わたしの隣の席の声のでかい男の子が元気よくリアクションするタイプの人で、客いじりは彼がメインに。

わたしの隣の席の人を見てるから、必然的にわたしの方にも顔がしっかり向けられている!わぁお!

楽しい!
過去2回と比べて、今日がダントツで楽しいぞ!!!!
でかい男の子、ちょっとうざいかもなんて思ってごめん!
もっともっと演者をこっちに引き寄せてくれ!!!!(軽率)


その後もインポッシブルの小道具なし、身体一つのリアクションギャグにヒヤヒヤして、

銀シャリの「野菜の法則」は舞台ならではの客参加型のコーナーが追加!
また隣のでかいお兄さんが当てられたんでニヤニヤして、

ライスはつい最近(当時)「ベストワン」で観たコントを披露してくれて「わーテレビとおんなじだぁー」とニコニコして、

GAGのコント「席替え部」の名札さばきに感動して、

守谷日和で会場がスン...と落ち着いて、

麒麟の漫才にどかーんと会場が盛り上がって、

野性爆弾が出てきた瞬間盛り上がる会場に彼らのスター性を感じていたら、

あっという間にトリのタカアンドトシの出番。


トリ前に退席するかも...なんて、微塵も思い出さなかった。
それくらい、ずーっと楽しかった。

モニターに出てきた「タカアンドトシ」の文字を見て、はじめてちょっとざわつく心。
もう退席には遅い。


あぁ、来る!


開始早々、予想外の発言

タカアンドトシが登場し、軽い挨拶のあと、早速ひとボケに対して叩くツッコミが発動。

その瞬間、叩かれた方が言ったんです。

「痛ぇ」って。


それを見た瞬間、ずっと抱えていた"苦手"がするんと抜け落ちる感覚がありました。

そうだよね。痛いよね。


テレビ越しに見ていて危惧していたことを、当の本人が口に出した。

たったそれだけ。

たったそれだけのことで、この15年抱えていた重苦しいものが消えた。


なぁんだ、きちんと「痛い」って思ったり言ったりしながら、自分たちの芸として処理して生きているんだ!


その姿を目の前で見ることで、やっと彼らの存在や芸を、受け入れることができました。


あぁ、来てよかった。


これまでの苦手意識が嘘だったかのように漫才も純粋に楽しめ、あっという間にタカトシの持ち時間である10分が終了。

舞台を後にする姿を、心からの拍手で見送りました。


ライブ、行って良かったなぁ。



好きなものを邪魔する人がいないって、最高!

タカトシへの苦手意識が取れてから1週間も経たずしてでしょうか。

ふと聴いた「#みちょパラ」(みちょぱのラジオ番組)で、わたしが大好きな水曜日のカンパネラの作曲担当・ケンモチヒデフミが作曲を担当した、「有吉ぃぃeeeee!」×「水曜日のカンパネラ」のカレーソングが出来たというニュースが!


ラジオ番組内で流れた曲はもうばりばりのケンモチソングで、みちょぱ本人がラジオで言及していた自身のぎこちないダンスも見たくなり、YouTubeでMVをチェック。

すると、サムネからがっつりタカアンドトシ...!!!



これまでのわたしだったら、このサムネを見ただけで再生を躊躇うレベルのタカトシの圧。

いやいや、わたしにはもう嫌いな芸能人はいないんじゃ!

今のわしは無敵じゃぁあああああああ!!!!!!!!!


と、強い気持ちで再生ボタンを押し、ぎこちないみちょぱも、ノってるタカトシも、気持ちよく楽しむことができたのでした。


めでたしめでたし。



「嫌いな芸能人」を克服してやったんだぜぇぇeeeee!

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