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サッカード素人の相模原市民が、ジュビロ磐田から誇りを感じ、憧れを抱いた話

"あの"ジュビロ磐田が、ギオンスにやってきた。

1ヶ月前の"あの"大宮アルディージャ、
先々週の"あの"アルビレックス新潟。

そして2021年4月18日、J2第8節。
ついに、相模原にJリーグ・天皇杯優勝経験クラブがやってきた。

勢いのある上位チームと次々に当たる日程で正直気が滅入りそうだが、ギオンスに着いて、外周のスタグルエリアやイベントゾーンを歩くたくさんのサックスブルーのユニフォームを目の当たりにして、思わず見惚れてしまった。ユニフォーム、かっこいい。

まだサッカーを見始めて2ヶ月にも満たない、首すら座っていないようなひよっこSC相模原サポだが、こんな記事を上げるずっと前から名前を見聞きしていたクラブだ。

(両記事ともたくさん読んでいただき、また有り難いお声をたくさん頂戴しました。ありがとうございます! 今シーズン中は書きたい話が見つかったら、積極的に記事にしていきたいと思います。引き続きご贔屓いただけますと大変嬉しいです。)



試合は1-2で相模原は惜敗してしまった。

普段よりも攻撃主体の試合運びをした相模原だったが、全体がいつもより少し上がっているが故に磐田にディフェンスの裏を取られて決定機を演出されたり、チェックのタイミングが遅れてゴールに繋がるクロスを綺麗に放たれたりと、今季のこれまでの相模原らしい粘り強いディフェンスがうまく活きなかった印象があった。

磐田はクロスの精度が素晴らしく、またエースストライカーのルキアンに勢いがありすぎて、とても止められる気がしなかった。

また、磐田FWから相模原DFへのボールチェックがかなり厳しかったのも印象的だった。
これまでは、「取られるかもしれない」だったものが、この試合では明確に「やばい、奪われる」と思わされる場面が何度もあった。
高いクオリティの攻撃とハードワークを繰り返す磐田のサッカーは、今季の相模原の対戦相手の中で、一番手強かったように映った。


相模原は後半、#30川崎が強烈なシュートを身体を張って防いだ影響で負傷退場せざるを得なかったことや、前半にボックス内での磐田のハンドを取ってもらえなかったことなど、全体的に逆風が吹いていた試合展開だったが、それを差し引いても磐田が1枚、2枚上手に映る試合だった。

ただ、#4藤本の冷静なパスワーク、#32芝本のなめらかで無駄のないボールタッチは試合中かなり目を引かれた。フォーメーションも普段と変わっていたようだったが、この2人がいることで格段にパスサッカーの質が上がっていたように感じた。

次節アウェイ甲府戦を3日後に控えるタイトなスケジュール、更に強者のオーラを纏うジュビロとの一戦ということで、厳しい試合にはなってしまったが、十分に相模原も渡り合えていることは分かった。



王者の風格漂うジュビロ磐田だったが、それはチームからだけではなく、ギオンスに詰めかけたジュビロサポーターからも感じた。

ギオンスタジアムでは、アウェイファンをもてなすイベントがよく開催されている。
磐田戦では、マスクの染めもの教室(相模原サポーターの有志の方が開催しているらしい)で、磐田のロゴなどをあしらったマスクを作れるコーナーや、ジュビロカラーのミサンガを専用の機械で編めるコーナーなどに、たくさんのジュビロサポーターが列を作っていた。

ギオンス外周のスタグルエリアも、アウェイ側だけでなく、相模原側のキッチンカーにも多くの磐田ファンが足を運んでくれ、とてもよく賑わっていた。


先々週、ギオンスをオレンジに埋めつくしたアルビレックス新潟サポーターたちの姿を「威風堂々」と例えるならば、ジュビロ磐田のサポーターは「泰然自若」という表現がよく似合う。

きっと、酸いも甘いもたくさん経験してきたジュビロサポーターなら、まだまだ発展途上中のギオンスに来て、「ちょっとしょぼい」とか「行き届いていないところがあるな」とか、そういう感想を持つことも間々あると思う。

しかし、そういう気持ちを感じさせず、ギオンスの色々な企画に乗っかってもらい、たくさん相模原のご飯を買ってもらい食べている光景が、本当に嬉しかった。

アウェイゴール裏のスタグルエリアで、先着配布していた相模原カラーのネックストラップをさげた磐田サポーターのグループを見たときは、思わず涙がこみ上げそうになった。


あのジュビロ磐田のサポーター達が、ギオンスを楽しんでくれている光景が、すごく誇らしかった。
サッカー自体も初めて行くスタジアムも、広い心で楽しもうとする心意気がよく伝わってきた。

あのアウェイ側スタンドを埋め尽くしたジュビロサポーターには、「ジュビロ磐田」という固有名詞が一人一人に深く刻まれているのだと感じた。

きっと、それが"誇り"と呼ばれるものなのだと思う。


相模原も、あのかっこいいクラブのようになってほしい。
僕も、あのジュビロサポーター達のように、広い心で試合やスタジアムを楽しめるサポーターになりたい。

そう感じずにはいられなかった。

ジュビロのようになれるまで、あと何年かかるか分からない。
けれども、ああなりたいと痛切に感じた。強烈に憧れた。


相模原ギオンスタジアムにジュビロ磐田がやってきた日、
アウェイスタンドに息づく誇りを感じ、
積み重ね磨かれた風格への憧れを抱くことになった。

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