生まれて初めて乙女ゲーをやる話②
前回のあらすじ
顔面クソデカ帝(cv.武内駿輔)
本記事には『恋愛幕末カレシ』高杉晋作ルートのネタバレが含まれます。ご注意ください。
ルート選択
前回全キャラ共通のプロローグを終わらせたことにより、ルート選択段階に移行した。
ご丁寧にプロローグのあらすじ四コマを出してくれる。え？ めっちゃかわいくない？ この絵柄で高杉晋作も出せ。
えっ！？ ヒロインかぁわいい！ 俺かわいい！
かわいいのは俺じゃなくて紫キちゃんなんだよ。
早速キャラクターを選んでいく。
運営からのオススメメンバーもいるようだが……
…………おいおいおい、見事に幕府・朝廷側の男ばっかじゃねーか。
さては運営、幕府の人間か？
維新志士もオススメしろ。
まあいい、私は誰になんと言われようと高杉晋作(cv.中村悠一)を攻略するんだ。
高杉晋作を選択！
ｯｼｬｵﾗ ﾐﾀｶｺﾗ ﾔﾝﾉｶﾜﾚｪ！！！！！！！！！(クソデカ声)
はい来た！！！！！！！！！！！！！！
っぱ高杉晋作でキャラメイクといえば傍若無人の裏に隠れた孤独だよなァ！！(個人の意見です)
尊敬する先生も信頼していた幼馴染も自分を慕ってくれた仲間たちもみんな先に死んで、頭が回って先が見えるが故に藩の人たちからも理解してもらえなかったり煙たがられたりする、心の底に孤独を抱える高杉晋作だよなァ！！(個人の見解です)
面白いこと大好きで傍若無人な俺様自由人だけど実は親しい人への感情が重くて湿度が高くて寂しがり屋な高杉晋作だよなァ！！！！！(解釈には個人差があります)
素晴らしい解釈一致。全世界がスタンディングオベーション。平和はここに築かれた。
いざ高杉晋作ルート開幕
幕末にタイムスリップしてきてしまったヒロインちゃん。
元いた時代に帰るために懐中時計捜索RTA in神社を開催していたところ、背後から声をかけられる。
振り向いた視線の先にいたのは……！！
もちろん高杉晋作！！
……なんだけどまさかの再会一発目のスクショを撮っていない！！ まじか！！
ので代わりにちょっと会話した後に出てきたドアップを載せておく。これでみんな表情筋と腹筋を鍛えるといい。
彼も再会して0秒で顎クイしてきたわけではない
おそらく、今後たびたびこういうことが起きる。なにせ感想記事を書くためにプレイしてるわけではなく、プレイするついでに感想を垂れ流しているだけなので。大目に見てください。
というかこれ、ヒロインちゃんに街中で道を聞かれたあと気になって神社まで追っかけてきたってことだよね？ それもうヒロインちゃんのことだいぶ気になってるのでは？ もしくは相当暇だったか。
こんな時間にこんなところで何をしているのかと尋ねる高杉晋作に、なんとか誤魔化そうとヒロインちゃんは咄嗟に「御朱印が欲しくて」と答える。
いやさすがに御朱印は無理があるだろ。なんで御朱印が欲しくて夜に神社の茂みに潜るんだよ……。
と思っていたら高杉晋作も同じことを言ってくれた。プレイヤーの気持ちを代弁してくれる男、高杉晋作。
そしてここで彼は目の前にいるヒロインちゃんが昼間帝の行列を邪魔した張本人だということに気がつく。面白いことセンサーがびびっと反応したのか、「お前を藩邸に連れていく」と言い出す高杉晋作。
藩邸（はんてい）とは、江戸時代に主要都市に置かれた各藩の屋敷のこと。その都市にいる間の行動拠点みたいな。イメージとしては大使館が近い。
大阪にある長州蔵屋敷跡には以前出張のついでに行ったことがあるのだが、京都の長州藩邸跡には行ったことがない。今度機会があったら行ってみたいね。
高杉晋作のわがままに、ヒロインちゃんがなんと答えるのか…………
…………それは私次第！！！！！！！！
で、出た～～～～～～～～～！！！！！！！！！！選択肢によって好感度変わるやつ～～～～～！！！乙女ゲーっぽくなってきたわね！！！！！！！！！
とりあえず素直に探し物をしていることを伝えたが、明日探せと言われた。それはそう！！
でも今日中に見つけないと元の時代に帰れないんだよね〜〜〜！！
高杉晋作相手にいくらゴネても無駄なわけで、無理やり藩邸に連れていかれるヒロインちゃん。
曰く、「俺は面白い女が好きなんだ。お前みたいな女がな」とのこと。そりゃどうも。
キャラ紹介画面にも書いてあったセリフ。お前はいつでもどの世界でも面白い女が好きだな……安心感すらあるよ。
さて、突然だがここで京都市内の地図を見てみよう。
ヒロインちゃんと高杉晋作が再会した神社、すなわちヒロインちゃんがタイムスリップしたきた神社は上賀茂神社であると作中で明言されている。
つまり、ヒロインちゃんは上賀茂神社で帝とエンカウントして輿に乗せられ京都御所へ移動。御所内で「その格好は目立つから」と着物を貰って着替えた後、懐中時計捜索のために今度は徒歩で上賀茂神社に戻っている。
わけのわからん状況におそらく精神も極限状態の中、慣れない着物と慣れない草履で慣れない夜道を徒歩で約60分移動。しかも時計捜索RTA中なのでなるべく急いで。
すごいよヒロインちゃんは……尊敬するよ……。
そして高杉晋作に出会い、藩邸に連れていかれることになる。高杉晋作が向かう藩邸といえば、当然長州藩邸だ。
と……遠いなァ～～～～～～～～～～～～～～～！
1時間20分とかスニーカーでもちょっと気合を入れたくなる距離だぞ！
だがまあ、これはあくまでも移動手段の発達した現代に暮らす私だからこその感覚なのだろう。
当時はまだ陸路の長距離移動手段が馬くらいだったわけで、基本的には徒歩移動のはずだ。山口県にある萩から京や江戸へ車も新幹線も飛行機も無しに移動してしまう当時の彼らにとっては、京都市内の徒歩移動なんてまさに朝飯前の散歩くらいの感覚に違いない。夜だけど。
でもほら……ヒロインちゃんは現代日本生まれの現代日本育ちで着物にも草履にも慣れてないから……優しくしてあげてくれ高杉晋作……。
長州藩邸到着
こうして無事長州藩邸に到着。
ヒロインちゃんえらい！ よく頑張った！ よくその距離をその格好で歩いたね！ えらいよ！
なんか途中で道端の外国人を斬り殺そうとする長州藩士に会って高杉晋作が止めるとかいうトラブルもあったけど、まあそういうこともあるよね。長州だし。お前は長州をなんだと思ってるんだ。
止めに入った高杉晋作が撃たれそうになったからヒロインちゃんが高杉晋作を守ろうと飛び出して、逆に高杉晋作に抱き寄せられて助かるとかいうスチルありイベントもあったけど、まあそういうこともあるよね。乙女ゲーだし。お前は乙女ゲーを……って乙女ゲーはそういうもんか。
服の袖にめちゃくちゃデカく家紋が入っている
幕府に追われる立場だろお前いいのかそれで
藩邸で2人を迎えた……というか高杉晋作に説教をしようと待ち構えていたのは桂小五郎だった。
やったー！ メガネ美人だー！
しかも高杉晋作より桂小五郎の方が若干背が高い！
良い！
彼のお小言もなんのその、高杉晋作はヒロインちゃんをしばらく手元に置いておく宣言。
犬猫かな？？？？？
これは「元いた場所に返してきなさい」の気配。
でも元いた場所、ここから徒歩1時間20分なんだよな！！ ちょっと今日はもう歩きたくないかな！！
そして発生する選択肢。
秘技！ 友人に相談する！
私「助けてクレメンス」
友人「芯があるところを見せたいので『聞いてません』かな。それか『拾われてない』。『勝手に決めないで』はちょっと違う気がする」
なんだこいつ私より高杉晋作の解像度が高いぞ。
高杉晋作推してるの私なのに。
とりあえず「勝手に決めないで」はやめておいて、「拾われてない」と言わせてみることにする。
この選択肢の中でそれが1番好きだから。
思ってたリアクションと違う！！！！！！！！！
「つっこむところそこかよw」みたいなリアクション期待してたのに！！！！！！！！！！！
思ったよりリアクションが塩！！！！！！！！！
素直に友人に勧められた「聞いてません」にすればよかった。相談した意味。
というか相手からの好感度を上げるのに自分の好みを選んでちゃダメだよな。コミュニケーション初心者すぎる。
ちなみにこの好感度……もとい信頼度、その回を読み終わると上昇具合を教えてくれる。
教えてくれるのはありがたいのだが、結果しか教えてもらえないためどれが正解だったのかがわからない。
どうやって対策を練ったらいいのかわからないだろこれじゃ！ 傾向を掴ませろ！
人間の会話には絶対の正解などないということか。
いや正解はあるっつってんだろ信頼度が変動するんだから。一番信頼度が上昇するのが正解だよ。
困る。ただでさえリアル人間関係で不正解を叩き出しまくっているというのに、ゲームですら正解がわからないままなのか。
人間関係に頭を悩ませる私をよそに、会話は進んでいく。
あﾞ？？？？？？？？？？？？？？？？？？？
いつもの？ いつものっつった？
高杉晋作、いつもその辺で女を拾ってきてるわけ？
女遊びをする男は嫌いだ。マイナス20点。
でもそういう軽いやつが一人に沼って人生めちゃくちゃになって狂っていくのは好きなので、そういう展開をやってくれるならプラス50点するのも吝かではない。期待してるぞ。
やっっっっった〜〜〜〜〜！！！！！！！！
元いた場所に返してきなさいだ〜〜〜！！！！！！
言ってほしいことを言ってくれる男、桂小五郎。
でも元いた場所に返されるの明日でもいいですか？
今日はちょっと……もう夜ですし……
というか桂小五郎もめっちゃ良くないか？ こういうタイプも結構好きだ。まずメガネのイケメンが好きだからな。
どうしよう、高杉晋作が終わったら坂本龍馬ルートを見ようかと思ってたのに、桂小五郎ルートも良いな。高杉晋作も出てきそうだし。
ところでこういうコンテンツって横恋慕する当て馬ポジはいるもんなのかね。
取り合いストーリーが別で用意されてるっぽいので本編中はないんだろうか。本命の男じゃないにしろ、人の思いをごめんなさいするのは悲しいもんね。
でも当て馬ポジが出てきて嫉妬で狂う本命の男は見たいよ。
RTA失敗
元いた場所に返してもらえるはずもなく、なんやかんやと話が進み高杉晋作は酒を飲む準備をしに部屋を出ていってしまう。
時計を探すために神社に戻っていいっすか？ と桂さんに一応聞いてみるも、「近頃の京は物騒だし、今日はもう夜遅いから一晩泊まっていくといい」と言われる。優し。
そしてここからの流れがうろ覚えなのだが、確か桂さんも部屋を出ていき、遠くで鳴る鐘の音を聞きながら「今何時くらいなのかな……時計探さなきゃいけないのにな……」と外を眺めていると部屋の扉が開く。だった気がする。多分。
高杉晋作が戻ってきたのかと思いきや…………そこにいたのは晴明さん。
うわ出たなんでここにおんねん。
なんと懐中時計が見つかったらしく、届けに来てくれたらしい。ありがとう。でもなんでここにいるってわかったんですか。
曰く、懐中時計は帝が回収していたとのこと。そりゃいくら探しても見つからないわけだ。あの顔面ドアップ男め、声帯が武内駿輔だからって調子乗りやがって。
とにかくこれで現代に帰れる！ 幕末カレシ～完～
…………なわけはなく、先程日付が変わってしまったので帰れるのは3ヶ月後になるそうだ。うーん、RTA失敗。
先程遠くで聞こえた鐘の音は、日付変更を知らせるものだったのだ。
ストーリーを読んでいる最中は全く気にならなかったが、今これを書きながらふと思った。
夜中の0時に鳴る鐘、迷惑すぎないか。
普通そういうのって6時18時とかなんじゃ……除夜の鐘じゃないんだから……え、どうなんだろう当時は日付が変わったら鐘が鳴るものだったのかな。みんな寝てるのに？ 安眠妨害にもほどがないか？
そして晴明さんと話しているうちに部屋に戻ってくる高杉晋作。
ほぉーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん？
神社で？ いつものように？ 適当に拾ってきた紫キちゃんに？ 男がいるのが気に食わないか？ ほぉーーーーーーん？ へぇーーーーーーー？ ふーーーーーん？
あれだな、こいつも「俺以外の奴と親しくするな」って言いそうだな。
でもそもそもが俺様キャラに近いタイプの自由人っぽいから、高杉社長程の湿度はなさそう。まあ高杉社長の湿度はシチュエーションのせいもあるんだが。
晴明さんについてはさすがに「未来からタイムスリップしてきました！ 晴明さんはその元凶です！」……なーんてことは言えないので、適当に「上京してきたばかりで困っていたところを晴明さんが助けてくれて知り合った」と誤魔化す。
そして晴明さんの提案により、しばらく長州藩邸で暮らすことに。
「俺は元からそのつもりだった」！？！？！？
見ず知らずのその辺で拾ってきた女を自分の下で生活させるつもりだったの！？ すごいね！？ 拾った女を養う趣味でもあるの！？ どういう趣味！？ 最低！！
勢いで罵倒してしまったが、住まいを提供してくれるのは大変ありがたい。あとさすがにそういう趣味があるわけではなく今回たまたまヒロインちゃんがクリティカルイットだっただけだと信じたい。
この提案に対してゴネるヒロインちゃん。
ここを出て自力で何とかします！
……いや無理だろ。
長州藩が所有する石高は約36万石と言われているが、これは幕府に目をつけられないように逆サバ読みした表石。実際のところは100万石に近い財力を持ち、幕末の藩の中では規模も力も全国トップ層に位置している。おそらく藩邸もそれなりにでかくてそれなりの立派さはあったはずだ。江戸時代末期の大きなお屋敷なんて、今でも残っている日本家屋と大差ない。これ以上の優良物件はまずないぞ。
そんな優良物件をなぜそこまで嫌がるのかというと、ただでさえ男性ばかりの空間に、襖と障子だけでプライバシーの欠片もない！とのこと。
なーにがプライバシーじゃ！ お前はおじいちゃんおばあちゃんの家に行った時もそう言うんか！ 地方の広大な土地に立つおじいちゃんおばあちゃんの家だって障子と襖がメインの日本家屋だろうが！ そのくらい我慢しろ！ 刀と銃が蔓延る動乱の時代だぞお前がいるのは！ 銃刀法が機能している現代日本でも女性の夜歩きは危ないんだぞ！
あと高杉晋作の「ぷらいばしー？」助かる。日本出身勢のたどたどしいカタカナ語からしか得られない栄養素がある。ありがとう。
結局、高杉晋作の提案で行ったコイントス対決(よくそんなオシャレなもの知ってんね、江戸時代の男なのに)で見事負けたヒロインちゃんは、しばらく長州藩邸に置いてもらうことになった。
それがいいと思うよ、私も。ヒロインちゃんすっごい不服そうだったけど。何でそんなに嫌なんだよ。3ヶ月間サバイバル生活より良いだろ。
そして最後に高杉晋作から晴明さんへ一言。
はい好き。わがまま自由人に見せかけた頭の回る男大好き。わかるよ高杉晋作そういうところあるよな、わかる(お前は高杉晋作の何を知っているんだ)。
いや、そう、このタイプの男好きなんだよな～！ 熱血バカに見せかけた冷徹リアリストとかさ～！ 力でごり押ししそうな見た目で実際火力もバカ高いくせに実は搦め手も得意とかさ～！
高杉社長もこのタイプじゃない？ あの人も結構何重にも策略を巡らせて頭脳戦をやるタイプなので。空回り率も高いけど。愛おしいね。
というか晴明さん、ミステリアスキャラのくせに藩邸への侵入方法が思ったより力技だな。こいつも結構おもしれ―男なのかもしれん。
こうしてヒロインちゃんの長い1日が幕を閉じ、3ヶ月間の幕末生活が始まるのであった、とさ。
ところで、なにやら特定ストーリー通過時に信頼度が基準値を超えると攻略対象から手紙を貰えるシステムがあるらしい。
えっ、じゃあ高杉晋作が「俺以外と親しくするな」って手紙を寄越してくる可能性が本当にあるんですか。楽しみにしてます。
今回手紙を入手するのに必要な信頼度基準値は20。そして私が獲得していた信頼度も20。
……ぎりぎりだったな？
これどこかで絶対「良」じゃなくて「普通」選んだな？ どこだ？
いくら考えても答えを出してもらえないのでわからない。悲しい。
余談
まさかの出来事が起こった。
私がTwitterでぎゃんすか騒いでいる様子を見ていた友人がスクショの中で好みの男を発見したらしく、なんと友人も幕末カレシをやり始めた。
FGOの布教はことごとく失敗しているのに、特に誰かに勧める気のない幕末カレシの布教が成功するってどういうことだよ。
布教が成功もなにも布教してるつもりなんて1ミクロンもなかったよ。完全に交通事故だよ。
晴明さんを攻略中らしいので、私も友人の感想を楽しみに待つことにする。
ではまた次回。
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