人生最大のピンチ
人生最大のピンチに陥っている。
店の存続の危機である。
世間はご存知のとおり、コロナが猛威をふるっていて、増え続ける感染者や亡くなった方の人数が発表される毎日。
Twitterなんか開こうもんなら、世の中の殺伐とした空気がテキストからでも伝わってくるので、ヒットポイントがゼロになる前にiPhoneを閉じないと危険だ。
誰もが今までに経験したことのない恐怖の中で、いろんなことを我慢しているのだろう。
悲観的になったり、攻撃的になったりするのも仕方がない・・・。
お客さんが来ない
で、何が人生最大のピンチなのかって話なのだが・・・。
お客さまが来ないのである。
「申し遅れましたが、美容院をやっています。」
スタッフはおらず、2席だけの小さなサロンだ。
2月ぐらいからうすうす出ていたけど、4月の緊急事態宣言が発令されてからというもの、その影響は顕著にあらわれた。
予約が入らないのだ。
店にいても電話すらならない。
何度も電話線抜けてないか確認したよ。
不要不急の外出を避けている証
ほかのお店のお客さまはどうかわからないが、うちのお客さまはしっかりと自粛されている。
国の要請を粛々と守っていらっしゃるのだ。
しかし、美容室は営業停止要請の対象にはなっていない。
当たり前だが、協力金の対象にもならない。
「不要不急の外出は避けて、3蜜の場所には行かないようにすること。」
「毎日こんなに感染者が出ています」
「あなたが無症状でも、あなたが人に感染させてしまうかもしれないのです」
そんな風に言われたら美容院行きにくくね?
でも国からは生活に必要な場所として認められているようだ。
不急ではないけど、不要ではないという判断なんだろう。
自主休業しているところも多い
都内の大型店は軒並み自主休業している。
国から1銭もお金は出ないのだから、休業すればマイナスばかりだ。
でも従業員やお客さまの安全を考えてのオーナーの決断。
本当に頭が下がる。
都内の1等地なら家賃も相当だろう。
想像もつかんけど。
個人店はどうすればいい?
こればかりは正解はわからない。
生きていくため、店の存続のため、ひとりでもでも来てくれるお客さまがいるのならと店を開けている状態。
それでも前年比半減以上は間違いないだろう。
そうすると助成金は出るとは言われている。
本当にありがたいけど、今後もこのままコロナの影響が長引けばたいして持ちこたえられる金額とは言えない。
それでも店を守る?
好きで20年以上続けてきた美容師だけど、店を閉める選択網を持っていることも状況によっては必要なことだと思っている。
10年以上続けて店を閉める選択は簡単ではない。
ただそういう決断をせざるを得ない状態が目の前に迫っている。
いつも髪を切らせていただいているお客様の顔を浮かべると、後ろ髪を引かれる(刈り上がってるけど)
それでも妻と2人の子供との生活を守らなくてはいけない。
自分には店よりも優先して守らなくてはいけないものがあるのだ。
命を守る
何よりも命を守ることが大事なことに異論はない。
でも、生活費を稼がないことには生きてもいけない。
家にいても今の生活を誰かが守ってくれるなら、喜んで自粛しよう。
コロナより怖いもの
今のところ僕たち美容院を営む人間を日本は守ってくれないようだ。
ならば自分で生活を守るしかない。
働かないといけないから、外に出なくてはいけない。
家族と生活を守るため仕方ない。
住むところも食べるものもない生活はコロナより怖い。
人それぞれの正義がある
外出を自粛して生活を維持できる人は、それで良いと思う。
でも美容院だけでなく、休業要請対象外のお店の経営者は生きるためにお店を開けざるを得ない人がたくさんいる。
なのに
そんな人や、そのお店を利用している人に対して攻撃する人を見ると悲しくなる。
自粛することが間違いではない。
でも休業要請が出ていないお店を利用することも間違いではない。
コロナが収束した後
コロナが収束するのか?
それがいつなのか?
それは全く想像できない。
ただひとついえるのは、元の世の中に、元の生活に戻るわけじゃないということ。
うちのお店もふくめ、今まで利用していたお店が無くなってしまうこともあるだろう。
リストラされる人もたくさんいるだろう。
どんな状況になるにせよ、その時に合わせて生きていくしかないのだ。
そのためには「早くコロナが流行る前みたいな世の中に戻らないかなあ」なんて思ってる場合じゃない。
自分で生き抜くためのスキルというか決意というか、そんなものが必要だ。
最後に
大好きな美容師が続けられるかどうかという状況の中、胸の内にあるもやもやを吐き出すように書いたため乱文失礼しました。
まあどんな状況でも乱文だけど・・・。
べつにこれを読んだ人にどうしてほしいとかはない。
自分を奮い立たせるみたいなもんなのかもしれない。
でも、これを読んでくれた人が考えるきっかけになってくれたらうれしい。
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