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牛丸 順登 代表取締役、企業が本来持っている可能性を最大化する。

「幸せ」は、与えることから始まる。企業への価値提供を徹底し、共に成長していくパートナービジネス業界での挑戦。

CEO PROFILE
牛丸 順登 (うしまる なおと)氏
1994年生まれ、兵庫県出身。deex株式会社を2021年3月に創業。 

経歴
2017年 関西学院大学 卒業
2017年 株式会社ワークスアプリケーションズ入社
2018年 株式会社リクルート入社
2021年 deex株式会社 創業

ー 本日はよろしくお願いいたします。早速ですが、牛丸さんの起業までの経緯を教えてください。

はい、よろしくお願いいたします。起業前は、サラリーマンとして2社経験しました。新卒で入社するまで起業意欲はなかったのですが、退職し転職をするときには、起業前提で会社を選んでいたので、ワークスアプリケーションズ社に新卒で入社したことが大きなキッカケになったかと思います。
入社してから真っ先に叩き込まれたことが、【As-Is / To-Be】という課題解決のフレーム。現状(As-Is)をしっかり把握して、目指すべき姿(To-Be)を描いて、その間にギャップをおいて、課題を解決していくというものです。
その時に思ったことなんですが、業務はこのフレームで課題解決をできるものの、自分の人生における「To-Be」とは何であり、どう解決していくべきなのだろうと。というのも正直、就活の時は自己分析を徹底的にやってこなかったこともあり、この時が初めて自分に向き合ってじっくり考える時間になりましたね。
その時に漠然と出てきたのが、「自分は他者を幸せにすることが、自分の幸せになっている。であれば、自分の幸福度を高めるには、誰かを幸せにすることが一番の近道なんじゃないか」という考えで、さらにその幸せにする人、つまり影響を与えられる人が、身近な人だけでなく、より広く多い人であれば、もっと自身の幸福度を深められるんじゃないかと、思いました。それを実現するには、自分が影響力を持つ人になるのが一番早いだろうと思いましたし、これが起業するにあたって土台となった考えです。

影響力を持つには、色んな手法がありますが、会社に属していたらできないのか?とか、
例えば、色んな会社に出資をする側にいくとどうなのか、はたまた政治家になるのはどうか?など、実際に言われたりもしたんですが、個人的にはやはり、自分で責任を持って自分で判断して、行動を起こしたことがダイレクトに跳ね返ってくるのが、色んなものを見比べた時に、起業だと思いました。そのタイミングで、起業しようと決めました。

起業すると決めたのはいいものの、起業に関する知見も何もなかったので、まず環境を選ぼうと思いました。そして、社員が起業して巣立っていくようなことが積極的に行われている環境、会社に行こうという考えで選んだのが、リクルート社です。
起業を目標としていたので、入社当初から3年経ったら起業すると自分の中で期限を決めて入社しました。
実際にほぼ丸3年で退職し、起業したという経緯になります。

​​ー 3年後には起業しようという思いがあった中で、リクルート社で特に意識的に学ぼうとしたことはありますか?

表面的なところはたくさんありますが、コアな内容だと「リクルート社の根幹にある考え方とバリューを体に染み込ませること」を強く意識しました。
リクルート社は、何十年と経営していく中で経営理念も変化しましたが、聞いたところ昔は「一人一人が経営者である」というバリューが置かれていたそうなんです。そして、実際にものすごく事業成長しましたし、今もその血が通っています。この言葉自体が今はもうないとしても、会社として大事にしている価値観や、ミッション・バリューへの考え方は今も通ずるところがあるんじゃないかと思っています。
ミッション・バリューに対する考え方、それをどう日常に染み込ませて業務をしていくのか、みたいなところが特に意識したポイントです。

リクルート社を退職する時、従業員の方々にご挨拶のメールを配信したんですが、当時3つあったバリューを「自分が一番体現できるような人間になったんじゃないかって思えたことが、リクルートに入社して一番良かったことでした。」と、記載して配信しました。なので、改めてそれは3年間ずっと意識し続けられたことなんじゃないかなと思います。

ー 事業アイディアや方向性も在籍中から決めていたんでしょうか?

今展開している事業が3つあるんですが、共通するのが、パートナービジネスであるということです。モノやサービスを作っている企業が、エンドユーザーに提供する時、自社の営業マンがいくのももちろんありですが、パートナーと呼ばれるような代理店、協業している企業、どこかや何かを経由して販売していく手法ってとても多いんです。というかパートナー活用している企業さんが、すごく多いんです。
営業手法においては、これまでの実務経験の中で違和感を感じるところが多々ありました。強烈な違和感じゃないけど、少しずつ募っていくような形で。もっと最適化できるんじゃないか、こういう切り口で変えていったら、日本ってもっとよくなるんじゃないか?とか。
もともと3年で辞めるリミットを設けていたので、何か決めないとという思いもあり、他にも課題を感じていることはありましたが、より身近で、変え方も自分の中である程度のイメージを持てて、課題もすごく根深いというか日本に蔓延っている課題なので。課題の難易度や大きさ、深さが申し分ないというところで、一旦ここに身を置こうと事業ドメインを設定しました。

​​ー 起業するにあたって、刺激を受けた方はいらっしゃいますか?

実業家である藤井清孝さんや、ワークスアプリケーションズの創業者である牧野正幸さんですね。そういった大先輩となる方々に、これからどのように事業を進めていけば良いか、ご相談させていただきました。そこで教えていただいたことや、ご指摘いただいたことは、学びになることはもちろん心に深く残っている言葉も多く、刺激も大変多くありました。

もう一つが、今の会社に所属しているメンバーですね。実は、メンバーのほとんど全員が年上なんです。というのも、前職や前々職の先輩に声をかけて集めたメンバーでして。今まで一緒に仕事してきた先輩たちから、日々の業務の中で色んな学びや刺激を受けてきたので、それが環境の変化によってなくなるってすごくもったいないな、と思ったんです。
井の中の蛙だと言われてしまうかもしれませんが、本当にすごく優秀な人たちばかりで。一緒に働くことで、改めて身にしみて感じることも多く、こういったメンバーでやったらどこまで行けるんだろうか。というチャレンジでもありますね。

​​ー 自社のMVVについて、特に重んじていることや大切にしていることはありますか?

まず、会社を経営していく中で、重要視していることが、大きく二つあります。
一つが、ミッションドリブン型かバリュードリブン型か?あるいはそのハイブリット型か?というもので、ハイブリットは正直大手企業じゃないと難しいと思うので、スタートアップ企業だと、どちらかに寄ると思います。

ミッション型はベクトルが全部外向き。誰かの何かを変えたい。”それ”によって、こういう社会にしたい。そのために自分はこういう存在意義を持つんだ。っていうものだと考えています。
一方で、バリュー型は、”それ”を体現するためにこういう価値観を大事にする。という、内向きのものだと理解しています。両方大事なんですけど、意思決定を外に向けてするのか、内に向けてするのかを考えてみた時に、我々は外に向けようというので、ミッション型にしました。

批判的な見え方になってしまうかもしれませんが、バリュー型は、自分達がよければいい、社員みんなで美味しいご飯食べて楽しくやりたいとか、そういった観点が根源にあると思うのですが、僕は、そのために起業したわけじゃないと思ったんです。
誰かを幸せにすることによって、自分達が幸せになる。目指すべきはミッションとして、自分達の前にまず向き合っているマーケットや顧客の方々に価値を還元して、彼らに喜んでいただくこと。それができないと、僕たちの存在意義はない。もうこれに尽きるんだ、コミットするんだということを意識して、経営しています。

とはいえ、株式会社としてやっている以上、義務として利益追求があります。
これが重要視しているもう一つの要素なのですが、自分達の他に、株主としてご出資いただいている方々がいるため、彼らに対する利益追求はマストです。そこをしっかりとクリアしつつ、その上でバリュー型経営をしていくのか、ミッション型経営をしていくのか?という問いがあり、僕達はミッションドリブンを選んだというところです。

ー 今後について

短期目標だとまずはPMFですね。(PMF:Product Market Fit、製品(サービスや商品)が特定の市場において適合している状態)ちゃんとこの市場にフィットするのか、そこを達成したいです。
自分達の正義を押し付けたくはないのですが、”これが正義なのだ”という仮説は持つべきだと思っています。すごく難しいポイントですが、要は、市場はこう変わっていくべきだとい「べき論」を押し付けるのではなく、自分達の価値観を持ちながら、事業やサービスを市場にフィットさせていくようにしていく。自分達の思想をお客様に強要するということはしていなくて、どちらかというと、「そういう考え方も面白いかもね」って共感していただいて、一緒にマーケットを作って行くかたちで、巻き込んでいければなと思います。それが、数字や、体制とか、目で見てわかる変化として見えてくると、PMFも近くなってくるんじゃないかなと思います。

​​ー メンバーについて

前述のミッションドリブンについてなのですが、これはメンバーもしっかり共感をしてくれていると感じます。例えば、社外の方に、我々が大事にしているもの、考え方、僕の想いに関する話をしてくれているのを見たり聞いたりしたこともあります。
他に、特徴をあげるとするとワークもライフも含めて一つの人生だよというか、そういう意味であまり明確に公私の線引きをあえてしないという人は多いかと思います。その辺りはそれぞれがバランスをとってうまくやっているなと思いますね。

今後、仲間になってくださる方には、僕たちはこういう想いを持っているけどあなたはどんな考えや想いがあるのか、その方だけの色があれば、それがどんな色なのか見てみたいです。あとは、個人的には当社というより、なぜ「スタートアップ」に興味を持つのか、お聞きしたいところではありますね。



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