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パン職人の修造22 江川と修造シリーズ 催事だよ!全員集合! 江川Small progress


「え〜!ひどい!」

「それから暗いのとか物音とかすごく怖くなってしまって」

「それで前のとこ辞めたんだ」いつの間にか戻ってきた修造がそれを聞いて言った。

「修造さん!元の職場の人達が藤岡君に後で公園に来いって言ってました!」

「へぇ。じゃあさっさと片付けて会いに行こうよ」修造と杉本が2人でやる気を出してきた。

「藤岡君、俺達車に荷物を全部仕舞いに行ってくるから蒲浦さんが来たらもう帰るって言っといて」

「はい」

藤岡は3人が行ってしまった後、急いで蒲浦を探して「パンロンドです。もう片付けたので帰ります。ありがとうございました」と言って公園へ走って行った。

「みんなの気持ちは嬉しいけどこれは俺の問題なんだ」

藤岡は真っ暗な道を公園に向かって走って行った。

公園の真ん中にはそこだけ明るい照明のついた時計のついている柱があり、3人はその下に立っていた。

藤岡は息を切らして「話ってなんだよ」と言った。

「お前なんで急に辞めたんだよ。俺達に挨拶もしないで」

「俺を1晩閉じ込めといてよく言うな。俺が倉庫にいるってわかってて鍵をしたんだろ?電気も消して!」

「さあな、なんの事だか」

「閉じ込められたんなら中から呼べば良かったろ?」

「よく言うよ!そのまま帰っただろ!仕事でも毎日の様に嫌がらせしてただろ?忘れたとは言わせないぞ」

「俺達はお前のものわかりの良い1を聞けば10を知るみたいなところがイラついて腹立つんだよ。出来杉君!」

そう言って2人が藤岡を羽交締めにしてもう一人が前に立った。

「うわ!」殴られる!

そう思った時、藤岡の前に立った男の頭に丸めたエプロンが当たってバサッと落ちた。

驚いて見るとパンロンドの3人が走ってくる。

「こらー!やめろ!」

「なんだお前ら!」

藤岡が2人の手を振り払い3対3.5で向かい合って立った。0.5は修造の後ろに隠れている江川だ。

「お前ら、嫌がらせなんて陰険で小さい奴らだ!悔しかったら藤岡を仕事で抜けば良かったんだろ。人の事をうらやんでる暇があったら自分がもっといい仕事してみろ!」

修造の話を聞いて藤岡も続けた。「あのままお前達と同じ所で働いて。同じようになるのが嫌だったんだ」

「なに!」

さっきのやつがまた藤岡の胸ぐらを掴んで首に力を入れてきたので、その手首を掴んで「おい!藤岡を離せよ!そいつはパンロンドの藤岡だ。もうお前達とは関係ない!2度と俺達に関わるなよ!」と修造が怒鳴りつけた。

そして調子に乗って杉本がファイテイングポーズをとって近寄り一人と揉み合いになった。

その時、ズザーンと音がした


一瞬修造達に気を取られた真ん中の奴に藤岡が一本背負いを決めた。

倒れた男から藤岡が一歩下がった。

突然のことで地面に倒れた男を囲んでみんなポカーンとしている。

江川が口を開いた「あの〜パンロンドって偶然すごい腕っ節の人達が集まってるんですよ。怪我人が出ないうちにもうお帰り下さい。騒ぎになったらあなた達も損ですよ」

と言って倒れた男を起こして「さあさあ。」と3人を促して帰した。

それを見てみんな「江川が1番度胸あるかも」と思っていた。

3人を見送りながら「おれ、学生の時柔道やってました。今度怖いことがあったらそれが霊でも一本背負い決めてやります。それに」

藤岡は真っ暗い道を見て「おれ、さっきあの道を必死で走ってたら怖さを忘れてました。俺には仲間もできたし。孤独でもない。もう怖いものはありません」

「俺、パンロンドの藤岡なんで」

「そうだな」

2人は顔を見合わせてフフと笑った。

「さあ帰るか!」


おわり

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