【24/08/27】海外展開を成功させる地域ブランドの力とは？

こんにちは。
一般社団法人 Glocal Solutions Japan の深野です。

先日、ある地方の企業から
海外展開の相談を受けました。
この企業は、地域の一次産業の産品を加工して
海外へ輸出しています。
彼らからの相談内容は、海外の取引先を増やすことと、
商品の質を向上させることでした。

質を上げたい理由は、
一次産業が天候や環境の変化などの条件によって、
生産量が増減するためです。

また、急に大量の発注があっても
生産が追いつかないことがあり、
自然を相手にしているため、
単純に設備投資すれば
生産拡大できるわけではありません。

そのため、取引先の質を上げて、
より単価の高いビジネスを展開したいという考えです。

質を上げるために何をすればよいのか？

より良い商品を提供することで
単価を上げるというのは当然なことです。
しかし、一次産業と関連している場合、
地域としてのブランド力が上がれば、
人気が出て商品単価も上がります。

ところが、地域ブランドというのは、
1社の努力だけで築けるものではありません。

そこで、私がアドバイスしたのは次の3つの方法です。

1つ目は、単価を上げるために
取引先との関係性を向上させることです。

既存の取引先と商談するきっかけから
今に至るまでの話を詳しく聞いたところ、
課題が見えてきました。

それは、取引先が価格や取引条件で
この会社を選んでいることです。
もちろん、どんなビジネスにおいても
条件が合うことは必須ですが、
関係性が希薄では条件が合わなくなったときに
すぐにビジネスが終了してしまいます。

これは私がビジネスの原理原則だと考えているのですが、
条件でつながっている取引関係は条件で終わります。

ビジネスパートナーも同じです。
お金儲けしたいという関係でビジネスをスタートすれば、
お金の問題でビジネスは終了します。

しかし、信頼関係をベースにしていれば、
信頼関係が壊れたときが最後です。

ですから、彼らに伝えたのは、
信頼関係を構築するために
具体的に何をすべきか考えるようアドバイスしました。

2つ目は、生産者への訪問機会をつくり、
地域の素晴らしさを知ってもらうことです。

限られた一次産業の資源をより高く買ってもらうには、
ブランド力を高めるために
その土地の良さを知ってもらうことが非常に重要です。

しかし、彼らの海外の取引先は
一度も生産現場を見に来ていません。

海外からアクセスしづらい地域だということもありますが、
実際に見てもらい、体感してもらわなければ、
その地域の素晴らしさは分かりません。

自社の商品を販売してくれる人たちが商品の良さだけでなく、
その地域の素晴らしさを多くの人に伝えてもらうことで、
地域ブランディングに貢献します。

販売店の方がその地域を好きになってくれれば、
ビジネス面での関係性も良くなるでしょう。

そして3つ目は、地域の産業に同じ価値観を持って
海外取引先と接することを広めることです。

一人の力はどんなに強くても1馬力です。
取引先の数もそれほど多くはありません。

しかし、地域の企業100社が同じ価値観で行動すれば100馬力です。

さらに、各企業の取引先が10社ずつ海外にあれば、1000馬力です。
この取引先が、その地域の良さを現地の取引先やお客さんに伝えてくれれば、
地域ブランディングは広がっていきます。

大切なことは、これを実現可能なものと信じてやり続けることです。
そして、その結果、自社のビジネス拡大にもつながっていきます。

いかがでしょうか？
地域ブランディングの成功は、
その地域を好きになり、
他者に伝える人をいかに増やすかにかかっています。

あなたはどう思いますか？


今後、この企業を継続的に支援することになりました。
次回、新たな変化が出てきた段階で、
メルマガでご報告したいと考えています。
ぜひ楽しみにしていてください。

一般社団法人 Glocal Solutions Japan
代表理事　深野裕之