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DAY3:5単語以上のタイトルの映画

今日も今日とて、30-DAY FILM CHALLENGEです。3日目のお題は「a film has more than five words」

もともとこのチャレンジが英語でのお題なので、映画タイトルも、英語の原題で、5 words以上、と受け取っています。

しかしながら、英語の原題で5単語以上の映画って、何があるんだろう?と、まずは、redditで検索して探してみました。

https://www.reddit.com/r/movies/comments/4re212/what_is_your_favorite_movie_with_a_title_longer/

副題まで含めると、結構ありますが、私が選んだのは、この映画。

「Birdman or (The Unexpected Virtue of Ignorance)」(邦題:バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」)

https://eiga.com/movie/81227/

「バベル」「21グラム」など、シリアスな人間ドラマで高い評価を得ているメキシコのアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督がダークファタジーに挑戦。第87回アカデミー賞では同年度最多タイの9部門でノミネートされ、作品賞、監督賞を含む4部門を受賞した。「バードマン」というヒーロー映画で一世を風靡した俳優が再起をかけてブロードウェイの舞台に挑む姿を、「バットマン」のマイケル・キートン主演で描いた。

もともとは、以前の海外出張の時に、UNITEDの機内で観た映画なんですが、ストーリーもキャスティングも音楽も、とにかく刺激的で!

主人公は、昔のヒット映画「バードマン」で主人公を演じていた俳優。いまは落ちぶれて人気もないが、ブロードウェイの舞台で再起をかける。その主人公を演じるのが、マイケル・キートン!そう、「バットマン」の主役ですね。

もうこういうアイロニックな設定だけで、心鷲掴みでした。

主人公は、昔の栄光と現実の狭間で、なんとか人気を取り戻そう、ちやほやされたい、認められたい、という葛藤に悩まされる。舞台劇を題材としているのに、僕たちは映画という形で観ている。ハリウッドとブロードウェイとの対立(?)構造がストーリーの中でも、形としても表現されていて、めちゃくちゃ面白い。(ブロードウェイはプライドが高く、ハリウッドを見下している雰囲気がプンプン。)

また、夢(妄想)と現実が入り交ぜとなり、主人公の心情・苦悩そのものを観客が体験することになります。脚本もうまい!

さらには、ワンカットの超長回しで進むカメラワーク。映画を見ているのに、舞台を見ているような、知的興奮がおさえられません。撮影は「ゼロ・グラビティ」の方です。あの映画も映像が非常に美しかった。もちろん、この作品も美しいです。

共演に、エドワード・ノートンやエマ・ストーン、ナオミ・ワッツなど。

エマ・ストーンは、主人公の娘で、ヤク中のリハビリ中。しかし、若者らしく、「ブログやTwitterやFacebookもやってないんだから、もう存在すら忘れ去られてるよ!あんたなんか、どうでもいいわ!」と父親を口撃。...しかし、エマはほんと、美しいですねえ。「スパイダーマン」ではお嬢様役でしたが、こういう擦れた役もいいですね。といいますか、エマ目当てに観たんですけどね(笑)

エドワード・ノートンも最初は嫌なヤツ、とか思ったけど、やっぱり苦悩を抱えていて、後半はなんだか憎めないキャラに。しかし演技うまいですね、この方は。舞台上での泥酔や舞台セットの破壊、そして白ブリーフ姿(しかも◯起してる)までさらりとこなす。

ナオミ・ワッツに至っては、売れない女優役。ご本人は売れてるのにね。しかし、この人は「売れない役者」役が多い。

役者が役者を演じる、ということで、演じている俳優さんたちの過去の作品なんかを思い出すと、設定自体が非常に倒錯的、というか、それだけでブラック・コメディーというか。マイケル・キートンがバットマンを彷彿とさせる、バードマン、ですよ。しかも途中で、超能力を発揮したり空を飛んだりして(もちろん主人公の妄想なのですが)。

映画や演劇の舞台裏を見ているようで、それも楽しい。役者=芸術家、と、プロデューサー=ビジネス、の相関関係も見ることができて、いま、実際に音楽家をサポートしている私としては「わかる、わかる」と頷きながら見てました。芸術家は、本質を追求したい。プロデューサーはお金になることがしたい。相容れない関係性なんですよね、これって。お金を追求すれば芸術性は低くなる。でも、主人公は、昔は、業界的には(ブロードウェイから見れば)芸術性の低い(とされている)ハリウッドのアクションムービーの主人公だった。芸術性か、娯楽か。自信と不安。そういう狭間で悶々とする主人公。それをアメリカンなユーモアを交えながら、話は進んでいきます。

あと、特筆すべきは、音楽!ドラムのみのサントラで、ニューヨークという舞台に合っていて、めっちゃクールでかっこよかった。しびれます。ドラムサウンドを担当したのは、アントニオ・サンチェス!パット・メセニーとの仕事でも知られているジャズドラマーです。

物語は、エマの「フフッ」という驚いたような嬉しいような笑いで終わり、エマの視線の先に見えていることは、観客には見えません。想像、というか妄想を掻き立てられる終わり方。

最初は、エマ・ストーン目当てで観たんですが、映画作品全体にハマってしまいました。また観ようっと。

http://www.foxmovies-jp.com/birdman/


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