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高校生プログラム「熟議④」一ノ瀬メイさんから学ぶ”個のActionがもたらす世界へのインパクト”

こんにちは、とにーです。今回も前回に引き続き、社会人プロボノとして参加してくれている、みさみさこと、横町さんのレポートをしてくれています!

最後の熟議はリオパラリンピックアスリート(競泳)の一ノ瀬メイさん。
理想の社会に近づくための、自分が出来る小さなアクションについてお話しいただきました。グローカルスタッフのHilaがモデレーターとなり、メイさんとの軽快なトークが始まります!

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メイさんの理想の社会とその為のAction

「あなたにとって理想の社会とは?」

「その社会を作るためにあなたが出来るActionは?」

早速メイさんから高校生に投げかけられた問い。
「私はね、世界平和!」と、力強く答えるメイさん。
メイさんの理想の社会とその為のActionについてお話しいただきました。

メイさんの理想の社会:「世界平和」

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障害による差別や、海外ではアジア人としての差別も経験したメイさん。この世にはいろんな差別、生きにくさがあり、その一つ一つを無くしてきたいという想いから「世界平和」を目指すようになりました。

メイさんのAction:出来るだけ動物搾取をしない生き方

メイさんは昨年からビーガン(動物性の食品を口にしない)を選択しています。
ドキュメンタリー「COWSPIRACY」で、畜産がもたらす気候変動への影響を知ったことがきっかけだそうです。畜産牛、家畜を育てる際に必要なエネルギー量、森林伐採、他にも工業畜産に関わる労働者への差別等、畜産をとりまく社会課題を知り、畜産牛を食べないビーガンについて勉強し始めました。
そしてその中で知った言葉が「種差別」。

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腕の障害によって生きづらさを感じてきたから、影響力のある人になって声をあげる為に競泳を頑張ってきた自分が、実は種差別については加害者だった・・・。その気づきにメイさんはとても衝撃を受けたそうです。

メイさんが伝えたいのは、「知らなかった事実を知った時に、自分がどう感じてどう動くかを考える」ということ。
メイさんからのメッセージはとても力強く、私たちの心を大きく揺さぶります。

一人の行動のインパクトが波及して大きなインパクトになる

メイさんがビーガンを続けてきた1年3カ月間でどのくらい環境にインパクトを与えているかを、節水量、穀物の節約量等の数字を示しながら説明をしてくれました。

▼メイさんが1年3か月の結果を見せてくれた "Vegan Calculator”

「自分一人がやっても・・・」「どうせやっても無駄」と思いがちだけれど、個人が起こせるインパクトの大きさを感じてほしい。私たちの行動一つ一つの全てがいろんなことに影響をしていることを感じてほしい。

塩瀬先生の講義にもあったように「社会課題のようなスケールが大きい課題を自分の課題として考える」ことは、Actionをする上でとても大切なことだと、メイさんの言葉を聞いて改めて感じました。

ここでHilaさんから質問

「毎日忙しいし、楽したいと思ってしまうのが人間。メイちゃんはどうやってActionを続けているの?」

メイさんの答えは「自分を整えること」

大きな理想「世界平和」も、自分の平和から始まっていて個人個人の平和が波紋のように広がって世界平和が実現出来る。物事は0か100じゃない。自分が少しのことでも続けられる場所を探して継続出来るActionをすることが大切だと思う、とメイさん。

自分を大切にしなければ、Sustainnableは実現出来ない・・自分のあり方(to be)を整えることが、継続的な行動(to do)に繋がるんですね。

高校生からメイさんへ質問!

ここで事前に回収していた高校生からの質問に答えていただきました。会う前から高校生たちはメイさんへの興味津々!色々な質問が集まりました!

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(下記Q&Aを一部抜粋)

Q.メイさんにとっての幸せとは?

→A.自分が思っていることと行動が一致していることが幸せ。(英語ではharmony というそうです)だから、一番大切にしていることは、自分の感覚や、思い、人に対して正直でいること。自分に対してついている嘘に向き合い、正直になって自分の思いと行動を一致させてく。自分に正直に行動して自分との信頼関係を築いていくことが大切。これが自信になると思う。
Q.自信をもてるまでに葛藤はあった?

→A.みんな私の腕が無いことが気になると思うけど、私は腕が短いことより足が短い方が気になる(笑)そのくらい腕が無いことは私には気にならないこと。
でもアスリートとして、自分がほしいパラリンピックのメダルを持っている人と持っていない自分を比べていた。周りからすごいねと言われるけど「まだまだです。私なんて…」と言って、その言葉を口にする度に落ち込んでいった。でもある時、自分を卑下する言葉をたくさん聞いているのは自分だと気付いた。自分との信頼関係を築けてなかった。他人と信頼関係を築くのと同じように、自分とも築いていく。その為に「無いもの」に目を向けるのでなく、「あるもの」に目を向ける。あるものに感謝した時に心が満たされると思う。

どんな質問にもまっすぐ答えてくれるメイさん。その言葉のパワー、前向きさはオーストラリアへの留学経験が大きく影響しているそうです。東京パラリンピックでメダルをとるまで幸せになれない思っていたメイさんに対して、オーストラリアで出会ったアスリート達は、満たされた人生がある上で水泳をやりたいから選択しているというマインドを持っていました。この気付きから、メイさんはやっと自分の人生を自己肯定出来るようになったそうです。

高校生の理想の社会とその為のAction

最後に、高校生自身の「理想の社会」と「その為にできる日々のAction」についてグループに分かれてシェアしてもらいました。とても難しい「問い」でしたが、学生たちはしっかりと自分で考え、自分の言葉で話しをしてくれました。

【高校生たちの理想の社会と、そのためにできる日々アクション】
(一部抜粋)

■自分の考えを素直に言える社会
→人とうまくコミュニケーションをとっていく。話しやすい環境を作ること
■みんなが自信を持てる社会。
→毎日誰かを笑顔にする。人の意見を簡単に否定しない
■学歴社会じゃない社会
→課外活動に積極的に参加する

講義後も質問が絶えず、高校生人生相談の時間に(笑)
メイさんのパワーが学生たちに波及し、とても熱い空気に包まれた時間でした。

メンバーと一緒に大切にして行きたいコト

メイさんの講義で高校生のみんなに持ち帰ってほしいことを3つまとめてみました。
①事実を知り、その上で自分がどう選択するかを考えること
②自分との信頼関係を築くこと
③一人一人の小さなアクションの波紋が大きなインパクトを与えるということ

全4回の「熟議」を終えて

以上で、2日間の熱い熟議が終了しました。
講師陣から学んだ「to be」「to do」の学びを大切にして、チーム活動に取組んでもらいたいです!!

(by 横町美沙)

🐬

横町さん、今回もレポートありがとうございました。

プログラムが終わった後も、時間の限り高校生の質問に答えてくださったメイさん。これまでの熟議で感じてきた事や知った事とリンクするような内容で、かつ、遠くに感じられる世界や未来の事を、参加者のそばにぐっと近づけて、一人一人の歩幅をイメージさせてくださいました。
素晴らしい時間を本当にありがとうございました!


さて、引き続き、グローカルシフトプログラムのレポートの更新お楽しみにお待ちください♪

▼これまでの「熟議・ワークショップ」レポートはこちら

 

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