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GLOCAL SHIFT CAMP2021 Day2 「組織の中での対話がなぜ、Sustainabilityにつながるのか?」

2021年で5期目となる異業種合同対話型研修!グローカルセンターのMISSONである「風通しの良い社会」を体現するひとつの手がかりとして、組織や社会を構成する個の自己変革から組織変革を起こしていくことを目指し、12名の仲間とスタートしたグローカルシフトキャンプ!✨

DAY2は「組織の中での対話がなぜ、Sustainabilityにつながるのか?」と題して牧原ゆりえさん(以下、ゆりさん)をチェンジメーカー(講師)としてお招きしました。GLOCAL SHIFT CAMP2021 Day1の様子はコチラ

牧原ゆりえさん
SDプロセスデザイナー/複雑系プロセスホスト、一般社団法人サステナビリティ・ダイアログ代表理事、Art of Hosting Japan 世話人。1997年国際基督教大学を卒業後、大手監査法人に公認会計士として勤務。出産を機にサステナビリティに強い関心を持つようになりスウェーデンへ。留学中に出会った北欧発の参加型リーダーシップトレーニング”Art of Hosting and Harvesting〔対話を変化へつなげるための実践〕” を日本に紹介。地域におけるグラフィックを使ったハーベスティングの普及啓発を行いながら、自らも実践者として活動している。2016年より札幌移住。

実は、4年前の約束から今日の日が生まれた

「いつかこういう場をいっしょにやりましょう」というゆりさんとタオルマンこと肥後さんとの4年前の約束が実り、現実になったDAY2。「感動。Air乾杯!感謝。」という言葉で、開始前のチームチェックインがスタートし感慨深い気持ちでした。ゆりさんと一緒にグロス梯愛依子さん(旦那様がもったいないキッチンの監督さん)もお越し頂きとっても贅沢なメンバーで運営。

タオルマンからは「京都の企業だけではなく色んな人が参加しているシフトキャンプ。このメンバーだからこそ、持続可能性は自分の会社だけではなく、みんなで紡いでいくという形をつくりたい」と想いが語られました。


「ごきげんいかが?」チェックインからスタート

4日間で、唯一の終日開催になるDAY2。長い旅路になるからこそ、12名の
参加者のみなさんがどんなつながりにあるのか、どんな状況にあるのか。ていねいに確認しようとチェックインの重要性を確かめる時間から。

「ごきげんいかが?つかれてなぁい?」難しいことに取り組む前に、中までこうした声掛けをすることが一番大切。
Phil Cassさん(医師会の組織開発をされた方)

ゆりさんからは上記の言葉を引用しながら「安心で安全な場があったら、むずかしいことも出来る。お互いがお互いの安全・安心の場が作れるように。集う人たちがお互いが良い土となるように。自分の感覚や経験を持ち寄って参加するには準備がいる。自分が落ち着く方法で。」と優しく呼び掛けていただきました。

DAY2の流れ

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盛りだくさんの、1日を終えた参加者の声(抜粋)

・改めて「対話」について俯瞰的に考える機会になった。
・1つのことを伝えるにも同じように伝わらない・理解できないことも多いのが実際の仕事の上では発生するので、その意識をもって進めなければならないと感じました。
・人に自分の考えを伝える事も難しさが改めてわかりました。話し方だけでなく、話すスピードや雰囲気とかも重要な要素だなと思いました。
・全部印象的でした。ゲストの話もですが、参加者同士の会話が面白かった。分からない気持ちを伝え合うのが、いいなと思いました。

こんな声を引き出して下さった1日は、チェックインでみなさんの状況を受け取ったゆりさんの原点のお話から出発。

大切なのは理論ではなく、お話しすることだった。

公認会計士として大手企業に務めた後、出産を機にサステナビリティに強い関心を持つようになり2009年家族でスウェーデンへ渡ったゆりさん。SD(後述します)、デザインの2つの修士課程で学び、帰国後、スウェーデンの大学院と小さなまちでの暮らしから学び、いいなと思った暮らしを生き、伝え、日本というローカルに戻ってこうしてやってみる場をつくっておられます。

印象的だったのは、

「sustainabilityをみんなでしよう!という時に、実際にやらないといけないことは理論をインプットすることだけではなく人とお話しすることだった。
それで対話をはじめた。」

という言葉。持続可能な仲間たちと活動をはじめて7年、ゆりさんの原点。組織は人がつながって活動するには有効なシステム。参加型リーダーシップのコミュニティは、やってみるを大切にしている、そのつながりを大切にしている。ということで会を通じてまず実践に重きを置いた時間を過ごしました。

愛依子さんからも、自分らしく効果的に学ぶ為にはまずは自分をホストすることが大切。”自分”を大切しながら、みんなで場を作っていく。そして感覚を大切にする。右脳的に考える。ということを共有いただき、まずやってみました。

🌠プチダイアログ①「組織の中での対話がSustainabilityに繋がっているって思っていないのは、なぜ?」

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「対話=ダイアログ」は誤訳!?

対話の訳とされるダイアログは、ギリシア語のダイアロゴスから来ている。元々の言語は、意味を流すという意味だったそう。

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【ダイアロゴス】=意味を流す
・Sense Making/センスメイキング
・Meaning Making/ミーニングメイキング
何を感じたのかをメイクする。こねこねもみもみすったもんだするのがプロセス。外から見ると、AHA~というような。

対話では「課題解決」しない。みんなで課題をマクロ目線で見る為のもの。
パターンまで見えてきたら課題に対して対応出来る。課題を生み出しているものは何か?どんな頻度どんなパターンででてきているのだろう?そもそも引き起こしている原因とは?課題と感じているのは?何だろう。学校とは行くべきもの?そもそも、思い込みと向き合う。もぐらたたきの構造を見つめる。対話をすると、普段出てこない景色が見える。あたりまえ、思い込み・・もぐらたたかなくてもいいのでは?課題と思っているものは違うのかもということも。当たり前から見つめられたら、限られた時間energyをつかって実践。やっていこう!

🌠プチダイアログ②:
①ここまでの話を聞いて、あなたの頭や心に届いたものがあったかどうかを探ってみます。そのうち、話したくなったことは何ですか?
②今、このことを学んでいる意味は何だと思いますか?

一緒に仲間になる為にはFikaと”対話”

サステナビリティについて学ぶことは生活する為の手段。”みんな”で行動していく為には対話が必要。スウェーデン滞在中それを象徴するような、問いをもらったそうです。「一緒に働く人とFika(お茶)しないでどうやったら良い仕事出来るの?」

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日常のささいな雑談、関係性で邪推がなくなったことを実感したというゆりさん。「今日も、みなさんのことばで、ねえねえってはなす。ところからスタートしませんか」と参加者にも呼び掛けていただきました。

大切な話は、もてなす価値がある。個人をホストできるのは自分自身。私の中には問いがある。対話の練習をする。自分にインパクトを与えてくれる人は自分とは違う。違いを受け入れる。自分を導く。参加者からは、プチダイアログのあとには個人のタイミングでチャットやグラフィックで感想が共有されました。

・対話は、話す内容よりも、どんなふうに思ったかを知るということだと思う。
・対話をすることで、win-winを目指せるのかもしれない。対話できる文化や風土を作るのはどうしたらできるのかなと思いました。

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愛依子さんの、グラフィックミニ講座も受けてランチタイムへ~😋


SD(エスディ)ってなんだろう、未来に向けたていねいな発展。

午後は、SDについてのお話しからスタート!

SD:持続可能な発展、開発発展
ブルントラント報告書(1987年)持続可能な開発/発展とは、将来世代のニーズを満たす能力を損なうことなく、今の世代のニーズを満たすような開発/発展をいう。

SDという言葉をみなさんと共有し、ていねいに扱うところからスタート。SDは、巷でよく耳にするSDGsという言葉のお陰で拡がっているという。持続可能なというと、お話をしづらい、話題にあげにくい。なんだかすごい大事そうなSDの旗をたててみた。これまで関心がなかった人に届いて響いて同じ方角を見て欲しいというのがSDGs。みんなでわいわいつくったものなので、沢山漏れていることもあるという視点も。ゆりさんが、SDGsに追加できるとしたら下記3つを18番目以降の目標にしたいという。

🌈18:どんな理由であれ戦争は絶対にやめよう
🌈19:個人の信念に向き合って食に向き合える環境をつくろう
🌈20:若い人や小さい人とともに歩むための仕組みをつくろう

他にもある。けどみんなが出し合って目標が15000個あるんだね、となるとそれを学んでいる間に終わってしまう。SDが目指したものをカタチにすること、皆で行動していくことを大切にしている。

報告書にもあるように、すべての人のニーズが満たされる。ことが大切。その手段としてD(開発/発展)ていねいな発展がある。将来世代のニーズを未だ顔があってもいない、能力があるよねということばが入っている。私は我慢するのであなたたちお幸せに、ではない!我慢はしません。将来の人たちにも我慢させない。対話をして知恵を持ち寄って考えてアクションしましょうというのがSD。

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ニーズってなんだろう?

SDのパートでは、将来世代のニーズを満たす能力を損なうことなく、顔が知らない人たちの能力を信じているロマンが感じられるとお話しされたゆりさん。

ライフも人それぞれ。人間の基本的ニーズ。ニーズってなに?あなたの人生、幸せにとって本当に必要なものって何だろう?という問いをいただきました。9つの基本ニーズ(生存・保護・愛情・理解・参加・怠惰・創造・アイデンティティ・自由)について、愛依子さんからお話し頂きました。

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例えば、貧困ということば。「長期的に満たせないニーズがあることが貧困。同時に、足りていないことは可能性でもある。」という見方も共有いただきました。ニーズをみたすものはモノやサービスではなく「ニーズをみたすもの」である。

🌠ミニダイアログ③:9つのニーズから気になるものを選び
「どんな色?どんな手触り?どんな音?どんな香り?」を話してみよう
ワークを終えて(抜粋)
・創造という同じ言葉でもイメージするものが人によって違ったことが対話を通じて感じられた。
・一人一人のニーズを満たすことで、その人もチームも居心地良く、前に進んでいける
・見えてるものが人それぞれ違うということろ。言葉で伝えようとしても完全には伝えることは難しいということを理解出来た。

ニーズの言葉を眺めた上で・・・
SDで大切にしているものは「時間」。
ゆりさんは暮らしの質が変わる、変化の中で時間が大切だという。1個ずつ無くなっていくことは大したことない。大きな流れの中で、いろんなものを失っていることに気がづく。取り戻すのは本当にパワーがかかる。一人では出来ないことも大勢ならば出来る。これをやらなければ、時間が無い!せっかちになる。こうやった方が良いよね、チャンスだ!こっちも良いなという感覚を。経済も自然もニーズを満たす為に必要。

組織は大きなエンジン

ー組織ってなんですか?という問いには人によって色んな捉え方がある。成長させてくれる場所、社会に貢献する場所。協働のためのシステム・・・「共に働くため」に立ち返るとどの組織の方ともお話しできる。
お互いに影響を与え合いながら、目的に向かって動いたり機能を果たしたりするもの。冒頭のゆりさんの言葉に立ち返る。

「組織は人がつながって活動するには有効なシステム。参加型リーダーシップのコミュニティは、やってみるを大切にしている、そのつながりを大切にしている。」

私たちは生き物である。だからそのつながりであるシステムも生き物である。(リビングシステム論)あなたと私のあいだ。「人と人とのつながりの結果生まれたもの、あなたと私のあいだに何が流れる?何を流す?何なら流せる?どんな風に流れるでしょう?」こうした問いを眺めながら、午前中の愛依子さんのグラレコミニ講座を生かして実践!

👀みたものを、言葉だけで相手に伝える。書いてもらうというワークに🖋

□四角、〇丸、△三角などこれまで定義できたもの、概念は簡単に伝わる。けれど、線や曲線、を伝えようとするときに伝わらないことを全員が体感。

DAY1でも触れたケイオディックパス(カオスとオーダーの間をぐねぐねDANCEしながら創発へ進む)にも触れつつ、新しい動きはこれまで定義できたものや概念では伝わらない。新しいものや創造的なものが、相手になかなか伝わらない由縁が腹落ちしました。

私たちがこれから新しいものを創り上げていったり、相手に伝えようとする時、既存の概念や言葉では表現できないということをワークを通じて体感し、だから感じることの重要性や「うわぁ」とか「こんな感じ」とか言葉にならないー表現がみつからないー状況に陥ることをみんなでAHA~とセンスメイキングし、おおおおおとなって会を閉じました。

おたのしみさまでした :)

「お楽しみ様でした。」「SDという言葉。」ゆりさん、愛依子さんから紡がれるていねいなことばと対話を、次の世代に届けたいなという思いです。

▼最後にチェンジメーカーからのメッセージです
ゆりさん「学びの機会をつくる、やるということが大切。サステナビリティについての理解よりも対話。自分の想いを大切にしてるから楽しい。」

愛依子さん「知ることが大切、でもやる人が居ないと進まない、レイチェルカーソン人類が知恵時間もコストもかけてつむいできたものを受け取り次の世代へ」

ありがとうございました。おたのしみさまでした!


▼下記 Miroの様子です🍁皆さんとの対話で耕されました。

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次回予告
【DAY3】 2021年11月24日(水)13:00~16:30
「自分の中にある自己否定感にどう向き合い、どう実存的変容を遂げるか?」
講師:天外伺朗さんです!




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