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「楽しくなければ仕事じゃない!」HILLTOP株式会社へ行ってきました!【フィールドワーク①】

こんにちは、グローカルセンタースタッフの とにー です。

高校生が社会課題への提案を行い、また自分自身の人生を深めていく「グローカルシフトプログラム」。7/23にキックオフ、8/2、3に「熟議」のパートを終え、8月4日は京都企業へのフィールドワークへ行ってきました!👟当日いけなかったメンバーにも届くように写真たっぷりでお届けします📷

今回訪問した京都企業はHILLTOP株式会社さま!

フィールドワーク①HILLTOPへ行ってみよう!

スタッフのきのPこと木下による、フィールドワークレクチャー動画で事前学習をして当日を迎えました✨


フィールドワークのポイント★

高校生からの事前質問(一部抜粋)
●どういうことが、様々なアイデアを思いつくための思考力を身につけるのに役立ったか。
●社員さんのモチベーションを上げるために具体的にどんなことをしていますか??
●米国の有名娯楽産業とも取引をしているとありましたが、どんなことをしているんですか??
●元ヤンキー・元暴走族の社員を育てるとき、価値観が180度違うとあったのですが、一番驚いたその社員と自分との違いはありますか?
●バブル全盛期、量産の仕事をすれば放っておいても、儲かったとあったのですが、その誘惑に負けそうになったことはありますか?

メンバー集合!

集合場所の大久保駅でチェックインをして出発!早めに集合する様子からもワクワクが伝わってきます。
オンラインメンバーは、会場とつながるまでじっくりチェックイン♪
「企業訪問は小学校ぶりかも?!」というメンバーも居ました。
どんな発見があるのか、スタッフも一緒にワクワクしながら会場へ向かいます!

HILLTOP株式会社 本社に到着!

遂に本社に到着!青空の下にピンクの社屋が映えています✨

コーポレートカラーが「ビビッドなピンク」の会社って珍しい!
見上げると本当に山の上にいるみたいな景色が✨

はじめまして!昌作さん(HILLTOP株式会社 相談役)

今回の企業訪問では山本昌作さん(相談役 前 代表取締役副社長、以下昌作さんと呼ばせていただきます✨)に会社についてお話しを伺い、質問にお答えいただきました。

<略歴>
鉄工所の平均利益率3~8%を大きく凌ぐ「利益率20%を超えるIT鉄工所」を創り上げる。生産性追求と監視・管理型の指導を徹底排除。人間が本来やるべき知的作業に特化し、機械にできることは機械にやらせる24時間無人加工を実現。
「入社半年の社員でもプログラムが組めるしくみや、新しいこと・面白いことにどんどんチャレンジできる風土で、やる気あふれる社員が続出。「楽しくなければ仕事じゃない」がモットー


HILLTOP株式会社って?

いよいよ会社概要についてのお話が始まりました。工場では、機械をコントロールするプログラムで24時間体制で機械が動いていること、それが納品の短縮化と多品種少量生産を可能にしていることなど、臨場感たっぷりにお話しいただきました。
HILLTOPは、現場で製造業をしている人には信じられない非常にミラクル!なことを仕組み化している!ということについてご説明をいただきます。

「日本の製造業で『DX(デジタルトランスフォーメーション)』が出来ている会社はHILLTOP以外、ほぼ他にはありません。」「それを可能にしている職人技を数値化した超重要データは社外秘です!」など、高校生を子ども扱いせず包み隠さず色んなリアルをお話ししてくださり、真剣に聞き入っていました。

企業見学の学びを生かす視点ヒント「じゃまくさい」に目を向けてみよう。

HILLTOPの「機械加工部品」の仕事は、注文を受けて「少量多品種」を特徴としています。受注される数は1個、2個。それを数千件引き受ける!というやりかたです。普通の会社からすると「それじゃあ数が少なくて稼ぎにはならないんじゃない?」「そんなじゃまくさいことやるの??」と感じられるようなことに取り組んでいます。

昌作さん曰く、「『じゃまくさい』と思われることは、何回か続けてしまうと『仕方がないな…』になってしまい抜け出せない良くないルーティーンになる。だからHILLTOPは『どうしたら誰でも、効率よくできるか?』を常に考えている。それが自動化を駆使したHILLTOPシステムにつながっています。」

創造的で面白いなオトナ代表として昌作さんを前に、高校生たちが圧倒される中『じゃまくさい』をキーワードに、社会や日常の中にある「じゃまくさい」を『こんな風にできるんじゃないか』と捉えるヒントや伸びしろを見る思考力を学びました。日常に持ち帰れる学びの視点を振り返り、いよいよ社内見学に出発です!

どきどき&ワクワク、社内見学スタート!

オンラインでも中継させていただきました!

社員の加藤さん、遠藤さん2グループに分かれて社内ツアーのスタートです✨まず訪れたのはプログラマーと営業の方がいるフロア。ここは普通の工場で言うと技術をもった人が教えながら作業している場所ですが、HILLTOPではHILLTOPシステムと呼ばれる独自の生産管理システムにより、工場では24時間無人稼働しています。
低めのパーテーションや座席にはコミュニケーションを促す仕掛けが施されたりと、パッと見気づかない大事な工夫もちりばめられています。

工場の「ピンク色」の秘密・・・😻

カラフルな工場に興味津々の様子!
ちなみに、アメリカの工場も日本からプログラミングを送って動かしているそうです!

工場の様子はこんな感じ。見渡す限りピンク・ピンク・ピンクが映えるフロアです。え~っ??!こんな色の鉄工場もあるの?!鮮やかで、床も新品のようにきれいですが…

「そういえば、なぜピンクなんですか?」
というメンバーからの素朴な疑問には思いがけず深い回答が。

A:普通の工場では安全性の観点から青や薄いみどり「沈静色」が使われますが、自動化により人が張り付かずに24時間稼働しているからこそ、ビビッドな色が使えるんですよ~!

また部品などのカスタマイズやカラーリングに愛とこだわりを持つメンバーが、コーポ―レートカラーを「紫にしたい!(元暴走族メンバーのバイクのカラーリングでは一番いい色が紫だったそうです)」と強く要望していたところ、昌作さんが「どうにかもう少し抑えて…!」と話し合った結果「派手なピンク」におさまった🤗というストーリーも聞かせていただきました。

技術を使って出来上がったものがこちら(一例)

トイレのサイン

色ひとつとっても、会社の成り立ちを詳しく知ることができることに感心しながら別のフロアへ向かう途中、社員さんから質問です。
「皆さん、『アルミの切削』って言われてピンときますか?」
分からないなぁ…という顔のメンバーに天井を指さす社員さん。
見上げるとアルミ製のトイレのサインが天井からぶら下がっています。きれいな立体で、「まるでCGみたい」という声が漏れました。どんなものを作っているのか具体的なものが見られて、「なるほど~!」という表情に。

工場のシステムだけじゃない!クリエイティブな会社のかたち

その後、検査室、社員食堂、ラボなどを、順番に案内いただきました。写真には写せない場所もありましたがオンラインのメンバーにも見えるようにご説明いただき、Instagramでも加工の様子が詳しくみられることも教えていただきました♪

三次元測定を使って夜間無人で検査が可能に!?
▼機械の動きはInstagramで見られますよ~!
https://www.instagram.com/hilltop_corp/
エレベーターで一緒に次のフロアへ!
不思議な椅子があるこの場所は…?食堂です!
マッサージチェアも、電子ピアノもあります!
社員の方はラボの工具使い放題!いったいいくつあるんだろう~?

カラフルな社員食堂、人が行う検査をプログラムと三次元測定を使って一部無人で検査もできる検査室、福利厚生として用意されているマッサージルーム、広い机が並ぶフロア、誰でも使用できるラボで社内の技術を使って社員さんが作った様々な用途のグッズが並ぶ棚(赤ちゃんお誕生記念の足跡、ワークショップグッズ、保育園のグッズ、キャラクターの模型、お菓子の型などなど)…会社に詰まっている色々な工夫は高校生の目にどんな風に映ったのでしょうか?

▽見学中の学生の声
・社員さんが本当に自由な雰囲気で楽しそう
・ドラマで見るオフィスみたいで憧れる…!
・楽しそう!自由でいきいきしている所だった!
・「紫/ピンク」の話で今まで感じていた工場のイメージがいい意味で覆った・・・

いよいよ、高校生と昌作さんとのお話!

社内見学から戻って、感じたことや気になっていたことについて、昌作さんからじっくり話していただきました。

有名なロックバンドに注文を受けて作られたマイクスタンドを見せていただきました♪

Q:ロゴってどうやってできたんですか?
A:今のロゴは、30年前に来ていたアルバイトの方が作ってくれて、今のデザイナーがバランスを整えてくれました。

Q:機械で自動化しようと思ったりその途中の課題を突破する思考力はどこで見につけましたか?学校の学びは役に立ちましたか??
A:「限界」の中で。8割の自動車部品をやめた当時、かなり手ごわい返済をしながらやっていたので買った機械を100%生かすしか勝ち目はない!と思い限界まで機能を使いきりました。説明が書かれた分厚い本を読破し、機能の一つ一つをやりつくした…!!そのことで、20代の当時から今まで「利用技術」は京都で一番だと言われ続けています!
皆さんはスマートフォンの機能をすべて知っていますか?使ったことがない機能があるように、その機能を全部やり切った。だから強いんです。
色んな人の話も聞きに行った。30代に入り講演活動も始めて今で35年くらい…仕事をしながら、常に課題を解決するために何が必要か考え続けている「探求心が大事ですね。

Q:積極的に調べることが自信につながるんでしょうか?
A:とにかくまず、「やってみること」が大事。そして短期的に儲かることにとらわれず、面白いことに突っ込んでいくこと。やってみて、成功した時自分のものになる。「成功事例」をたくさん作ることが自信につながる。ゲームをやっているのと一緒で、まだこんなに課題がある!とワクワクするよ!儲かるより「面白いかどうか」がまず先に来る!どんどんやってみる

Q:大切にしている考え方はありますか?
A:「座して半畳、寝て一畳」人間せいぜい座れば畳半畳分、寝ても畳一畳分の大きさでしかない。 蓄えた財貨がどれほどであろうが、性別や年齢がどのようであろうが、人間である限り結局大差はなく一人ではなにもできない。

山本昌作さんから高校生へのメッセージ

お話はどんどん深まり、あっという間の2時間でした。名残惜しいですが最後に2つの大事なメッセージをいただきました。

💗何を残すか。企業や社会の見方
★お金・人・技術・満足感…何を残すか?

「今までの企業・世の中の経営者は利益(どれくらい儲かるか)を、世の中の企業経営者はお金が残ればいいと思っている人
も多いが、その外にあるものを狙いに行ける勇気はあるか?
自分は、人と技術が残ることがお金以上に大切なことだと思っていて、その積み重ねが多品種単品の中で生まれたHILLTOPの仕事になっています。
会社を選ぶうえで大事なことは、お金ばかりではなく、人を育てることを考えているか、これが一番大事なことだと思っています。」

💗チャンスは皆の手の中にある
TikTokを使いこなして情報収集をしているという昌作さん。
「今はみんなこうして情報を得ることができる!これはすごいチャンスだよ!」と
創造的になる力は皆にある。
・そして、チャンスもみんな平等にある!

「いい情報を自分の引出しにライブラリ化しておくことが力になるよ!どんどん引出しに入れて行ってください!」

と熱いメッセージをくださいました。ありがとうございました!

自分の探求心で社会へ飛び出そう!

探求は「調べる、考える、足を運ぶ、確かめる。」…の繰り返し!これからみんな、自分の探求に向かってどんどん自分の手と頭と足をフルに動かして動いていきましょう!

顧問でありチャーミングな弟さんでもある昌治さんもずっと見守って下さいました、このマスク欲しいですw
加藤さん、遠藤さんみなさんありがとうございました✨

見学を終えて、学生の声

▽学生の声(抜粋)
・私がイメージしている工場とは大きな違いがありました、しかも会社全体の雰囲気がすごくよかったです。私が最も印象的なのはオフィスの座席デザインです!コミュニケーションがすごく取りやすい感じですごく好きです‼︎話をしてくれた方もすごく面白かったです‼︎
・山本さんがTikTokを見て情報収集をしているというお話を聞いて、想像力などはそういったコンテンツからも得ることができるのだなぁと思いました!
・挑戦したいことには、リスクをとってでもやってみることが大事だと思った。
・最初自分の工場のイメージは機会の目の前でずっと作業してるような感じを思ってたのに、でも行って聞いたり見てたらそのイメージの反対の感じだったのが驚きました。

💻オンライン参加者:
今回、現地の方には行けなかったんですけど、オンラインでも充分なほど、今まで思っていた工場のイメージがガラッと変わるものでした。 また、山本さんの夢工場は、一人一人の社員を信頼してるからこそできるもののように感じました。 工場って、機械の音が凄くてうるさい場所だと思ってたのですが、とても静かで意外でした。

💻オンライン参加者:
オンラインでの工場見学はどんな感じなのか不安な部分もあったけど、想像していた倍楽しかったし、たくさんのことを学べました。従来のやり方や固定概念にとらわれず、より良くを追求し、働く人にとって居心地のいい環境があるからこそ、企業としても成長していくんだなと感じました。また、情報化の偉大さを実感することができたし、他にも多くの場でこのような情報化を取り入れるべきだと思いました。

💻オンライン参加者:
私はオンラインでの見学でしたが、とても楽しく、学びのある時間でした!私の中の「工場」というイメージが完全に書き換えられました。工場の外壁や内部にビビッドなピンクの塗装がされていたり、会社内にマッサージチェアやマッサージルームまで用意されていて、すごく自由で、働くことに対する意欲が上がりそうな環境だと感じました。利益重視の社会のなかで、「楽しくなければ仕事じゃない!」と単純作業ばかりの大量生産をやめ、ロボットにできる仕事はロボットに、人にしかできない仕事は人が行うという仕事のあり方は、「職人技」という言葉が強く存在する業界において次世代的でありながら、「人とロボット」という関係を示す一つの具体例としても大きな役割を果たしているように思います。また、既存の概念に囚われず、新しい技術を取り込みながら自分達にとってより良い環境を作っていくという試行錯誤に、自分のライフスタイルにも当てはめて取り組んでみたいです!

HILLTOP株式会社
▼もっと知りたい方はぜひ色々な記事を読んでみてください🔍

📝山本さんインタビュー記事 高利益率のIT鉄工所「HILLTOP」の常識を覆すデジタルものづくり(GEMBA 2018.11.29)
📚山本さん著書「遊ぶ鉄工所」 ダイヤモンド社
📝ディズニーやNASAも認めた、型破りな「京都の試作屋」が世界に求められる理由(Forbes 2019/03/04)

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