トップ画面

イベントレポートNo.9「あなたの人生をもっと愛せるCRAZY流組織カルチャーの育み方」

7月26日(金)に株式会社CRAZY創立者の森山さん、採用責任者の乾さん、上級執行役員でありグロービスの2018期同期でもある高橋さんにお越しいただき、変革クラブ7月全体会を開催しました。
CRAZYは独特な経営手法で話題を呼んでおり、そのエッセンスを加えながら変革を軸に話を展開いただきました。変革者に向けて、今回のテーマでは敢えてビジネスサイドの話ではなく、カルチャーや感情に寄せて、テーマは「あなたの人生をもっと愛せるCRAZY流組織カルチャーの育み方」と題目をつけ、3部構成で開催いたしました。第1部はワーク、第2部は講演、第3部はパネルディスカッションの形で、それぞれの部が大変盛り上がり会場は最初から最後まで熱気に包まれ最高の会となりました!
それでは会の様子をレポートしていきます。

第1部は高橋さんのファシリテーションによって、参加者自身がどのような組織環境に置かれていて、今後どのように行動していきたいのか見つめ直すワークを中心に進めていきました。

印象に残ったのは【組織を変革する、現状を打破するリーダーになるには、100人くらいのところから成果を出していく。成果を経営に証明しながら進めていく中で、1年で組織を変えるのは150人くらいの規模が限界。】という部分。変革は時間を要し、くじけそうな時も多いのが実態で、改めて積み上げていくことの重要性を認識しました。

「変革って出来ますか?本当に人生をかけて実行したいですか?」

第2部は、森山さんの究極の問いから始まりました。この後に出てくる重要ワード”メタ認知”と”内省”をし、本当に変革に取り組みたいのか?この時間で問い続けることになりました。
それでは、講演の詳細について、いくつか心に残ったフレーズとともにご紹介していきます。

1.あなたそのものが変革を止めている。

自分が気付いている領域と気付いていない領域を認識することが必要。その時に自分の認識する範囲を広げる”メタ認知”がとても重要になる。実は、あなたそのものが変革を止めている可能性もある。例えば、無意識に自分の心の声に蓋をし、自分との対話・内省を避けてしまう。何かを起こそうとしたときにどこか冷めた声が出てくる。そこを打破するには転換が必要であり、そのためにはメタ認知がキーとなる。冷めた声や、そう感じることに対して、判断することは一旦保留して、「なぜそう感じるのか?」をひたすら観察することが重要。(参考:U理論)
そして、変革には内省が必要。自分を変革しない限り、何かを変革することは難しい。なぜならば、変革するときは人と衝突したり、嫌な思いをたくさん経験する。そういう気持ちを抱かないのであれば、誰かのせいにしているだけ。変革するためには内省して自己変革を起こすことが大切。
自分の既成概念を疑って、毎日再構築することが変革の一歩。いつも自分が何に制限を感じ、何に囚われているのか?を確認しながら、そこから出ていくことが変革の一歩になる。

2.変革のベースには覚悟や熱い想い、感情が必要。

変革のベースにあるのは、覚悟や想い。
企業を変革するよりも、自分自身を変える方が難しい。自分に染みついている価値観を変えていくのは考えるよりも難しい。だから苦役があり、苦しいと価値観が変わる。
何かを変えるために論理的なことだけではなく、感情も重要。何かを動かすという物理的エネルギー。エネルギーの起点は感情で、論理が線路となって運んでいく。
感情を扱うことにはメリットもたくさんあるが、面倒くささや不安定さなどのデメリットもある。上手く活用していくために、自分の感情にアクセスすることも必要となる。
変革できる人は、変革するもの(例えば自分や会社)を愛している人。信じる未来がないと変革はできない。今の社会で難しいのは国、会社、配偶者、自分のことを「愛すること」。難しい方を選んでいこう!
大企業のトップには共感力もあるし、感情を上手く扱える方もすごく多い。
変革したければ論理と感情のバランスが取れているレイヤーの高い人を捕まえる。全部を合意形成取って進めるのは限界がある。最後はキーマンを捕まえて感情を活用しながら強引に持っていくことも必要。

3.カルチャーは文脈のデザインが大事。

組織のカルチャーが強いというのは、空気感が文脈になって連なっているということ。例えば、CRAZYは創業から人間性と生産性の両立が大切だと考えているし、事業もウェディングというお客様の感情にアクセスする仕事。だから、感情に寄り添い、表現するカルチャーを醸成することは文脈として繋がっているから、それが組織としての競争力になる。
ここにいるそれぞれが望むカルチャーを作りたいと思うなら、まずは自分の部署、チームの中で作る。自分と上司の中という二人からでも始められる。
CRAZYは創業時から健康が大事だと考えているからずっと考えてきた。ユニークな制度として注目される睡眠報酬(※)も、労働管理の概念を疑い、労働時間を管理するのではなく、「睡眠による健康管理を行おう」という発想をもとに生まれ、考えに考え抜いて今の形になっている。
※睡眠報酬とは、1日6時間以上睡眠をとると報酬が出るという、CRAZY社独自の制度。


第3部のパネルディスカッションでは、高橋さんがモデレーターとなって、森山さん、乾さんにお話を聞いていきました。こちらも抜粋してお伝えしていきます。

Q. CRAZYは特徴的なカルチャーなので、入社した社員のカルチャーマッチが難しいのではないか?

A. 乾さん:8割がリファラル採用でカルチャーマッチしやすい。さらに、面接のプロセス設計を入念にしており、その中で”変革”に対しての姿勢を見ている。入社後も社内で行われる合宿などで"自分が変革する”経験・体験ができるような工夫を凝らしている。採用においてカルチャーマッチする人材を見極めることはもちろん大切だが、入社後に本人が変化していける土壌をつくっておくことが重要。
森山さん:僕が尊敬できると思うのは”変化できるひと”なので、”進化・成長すること”は約束してもらう。自分の意見を持っている人を増幅させることができるのが、会社の強み。自分の人生、会社を本気で考え生きている人がカウンセリングできるような集団ということが、会社の強みとなって機能している。
乾さん:普通の会社では感情を扱わないので、ライフプレゼンテーション(※)やフィードバックに戸惑う人も、もちろん存在する。けれど、今いるメンバーがすでに自ら体験しておりその変化のプロセスも大切にしているからこそ、新しく入ってきたメンバーにも受け入れやすいように提供できている。
高橋さん:採用時は、スキルはもちろんだが、何よりも価値観を大切にしている。
※ライフプレゼンテーション:社員全員の前で弱みや葛藤もさらけ出す自分自身の人生を語るプレゼンテーション。

Q. 企業文化が合わずに辞めた人はいるか?その人への対応は?

A. 乾さん:この1年間、ビジョン変更してから一番人が辞めていった。振り返ってみるとこの一年間で組織文化の根幹は変わったとは思わなかったけど、渦中にいるときはあらゆるものが変わったように感じた。特に最初の半年間は変化を感じやすかったと思う。自分もその半年間の内省を続けることにより、今まで以上に目指すものがはっきりして自己変革を選ぶことができた。
森山さん:「Style for Earth」というのが分かりにくいから変えようぜ、と合宿中に言われ、全社員と話しながら変えていった。めちゃくちゃ大変だったけど、変えてよかった。20名ほど辞めていったので寂しさなどの感情はもちろんあるが、目指す未来のためにお互いベストな選択をできたと思っているので、結果としてよかったと思う。(辞めた人にとっても、その人の人生が幸せになるという意味で)辞めた人とはひとりひとり全員と面談している。納得がいくまで話しあった。残念だなという気持ちもあるが、それは一瞬でその人にとって人生の中で一番良いと思う決断をしてほしいと思っている。ただ「この会社最低」と思う人に対しては徹底的に話して、ネガティブなものを発散してもらって改善する旨も伝えながら、和解するようにしている。
高橋さん:一般的な会社では、会社の利益を考えて、引き留めることが多いが、それは見透かされる。その人が自分自身の人生を生きられるか?と、憑依して考えてあげられることが大事だと思う。それがなされないことが多い。
森山さん:面倒だと思うけど、面倒な方に価値がある。今でもやめたメンバーとの繋がり、良い関係が続いていく。

皆さん、社内のこともオープンに話してくださり、CRAZYという会社が、感情を大切にし自分自身が考えるという集団である雰囲気が伝わってきました。熱気が冷めやまず、この熱量のまま懇親会でも白熱した議論を繰り広げました。参加者の皆さんからも、アンケート含めて嬉しいフィードバックをたくさんいただきました。

私はこのイベントを通じて、”熱い想いは人に伝播する”ということを強く感じました。私自身が、CRAZYの皆さんの熱い想いに触れ、鳥肌が立つほどの感動を味わった時、大切な友人たちとこの感動を共有したいと思い、企画をしました。森山さんから始まった「火」は私に移り、その熱狂的な想いを持って走り続けた結果、参加者の皆さんの心にも響く会となったと信じています。
次回8月全体会は9/6(金)に予定しております!
ここで聞ききれなかった組織変革について、引き続き 高橋潤さんをお招きして深堀していこうと思いますので、皆様お楽しみに!

レポーター:グロービス変革クラブ幹事 江角和沙(2018期)

この記事が参加している募集

#イベントレポ

26,409件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?