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イベントレポートvol.23「変革の可能性を信じ、組織カルチャーを変える人材になるためには」

8月3日(月)、足立光さん(ナイアンティックシニアディレクター)、志水雄一郎さん(フォースタートアップス代表取締役兼CEO)、唐澤俊輔さん(Almoha LLC,Co-Founder)にご登壇いただき、組織カルチャーの変革についてお話いただきました。
モデレーターは、変革クラブ代表の澁谷直幸(NTTぷらら担当部長)が務めました。

皆様のご紹介は、1つ前の記事をご覧ください。

はじめに、組織カルチャーとは何か?についてお話を伺いました。組織カルチャーは、組織の「価値観」「判断軸」なるものであり、意思決定の拠り所となるもの。組織カルチャーが浸透していれば、事業の成長スピードにもよい影響があります。

価値観とは、その会社でどういう行動が賞賛されるか?ということです。フォースタートアップスでも、バリューが経営戦略含め全ての意思決定の拠り所であり、顧客(成長産業支援)に対しても同じくバリュー(ミッション・ビジョン)の徹底を求めるとのこと。

続いて、カルチャーを変える人材とは?についても伺いました。
カルチャーはトップが体現していくものである、というのが共通した見解でしたが、それを体現するまでにのプロセスで、社員がどう関わるかも成功の秘訣であると学びました。

お伝えしたいことはたくさんあるのですが、私がなかでも印象に残った5つのポイントについて、書きたいと思います。


1.カルチャーの変革は目的ではなく手段

最初の問いは、「ビジネスを成長させるために何をすべきか?」です。戦略を変えることでビジネスが成長するのか、そうではなく組織体制、カルチャーがドライバーとなり得るのか?と、何がビジネスの成長に繋がるかを見極めることが重要とのことです。そこで、カルチャーを変えるべきと判断したならば、カルチャー変革に取り組む。こういった順番を間違えないようにしないといけません。足立さんも、マーケティング戦略そのものを変えるために、カルチャーを変えることが必要と見極めたら、そのために必要なことに取り組まれていたとのことです。

私も会社でバリュー策定PJに参加しているのですが、社長が明確に「事業が成長して、人が増えると考え方のバラつきが多くなる。その中で意思決定のスピードを上げるために、バリューを再定義する。」と明言しているので、策定の議論もしやすいです。


2.ビジネスモデルとカルチャーモデル

カルチャーは、人と人が行動を取っていく中で意図せずとも自然とできるものである、ということが大前提にあります。
ビジネスとカルチャーは両輪であり、ビジネスモデルがあればカルチャーモデルもある、と唐澤さんは言います。両者は相互作用の関係があり、カルチャーはビジネスからのインプットを受けてできていくもの。目指すカルチャーに変えていくためには、必要なインプットをしていかなければならないとのことです。

たしかに、カルチャーの創り方は、ビジネスモデルのように「モデル」があまり意識されていなかったように思います。どういうインプットが自社にとって必要なのか、言語化してみないと、と気づかされました。

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3.自分たちの「命の言葉」として言語化する

成長している会社は、環境に適したカルチャーがあることが当たり前で、カルチャーがあるからこそ困難を乗り越えることができています。多くのスタートアップの支援をしてきた志水さんは、「みんな、カルチャーに拘っている」と言います。
カルチャーの言語化、ミッション・ビジョン・バリューを策定している会社も多いと思います。

これを自分たちの「命の言葉」として創れているか?

誰かの真似、コンサルティング会社の提案をそのまま使うなどではなく、経営陣・メンバーが共感でき、それを意思決定の羅針盤として思い切り仕事できるかが大事とのこと。

コロナ禍でオンラインコミュニケーションが中心になる今、何を仕事の判断軸としていくかが、経営陣から発される言葉ひとつでも印象が変わるなと思っているところです。そこに、思いがどれだけ込められているか、というのは誰でも読めば/聞けば分かるものです。バリュー策定PJではもちろんですが、コミュニケーションに思いをのせられているか、このことを改めて意識を強めていきたいと思った次第です。


4.困難に立ち向かう強さ

では、具体的にどういう人材がカルチャー変革を成し遂げるのか。

足立さんは、①めげない心を持つ人、②周囲を巻き込める人、③カルチャーが持続する仕組みをつくる力を持つ人 、と3つのポイントを挙げられました。

「カルチャーを変える」というのは、今はその目指すカルチャーではないということです。そのため、相当ハードな取り組みになることは確かで、困難にも立ち向かえる強さが必要。

人は変化を嫌うため、抵抗する人には「変化した結果、あなたのビジネスでもいい結果がでます」ということを伝えていく必要があるとのことです。

カルチャーは目に見えるものではないため、今とは違うカルチャーを目指すにもそれを分かってもらうことは、相当難しいように思えます。ここは、やはり言葉を尽くしていき、浸透させていきたいと思います。


5.Cheif Culture Officer

カルチャーは、社員と経営陣が一緒に創り上げていくことが重要であるというお話がありました。とはいえ、やはり経営陣と社員の間で認識のギャップがある場合にはどうのように対応していけばいいのでしょうか。

フォースタートアップスでは、CCO(Cheif Culture Officer)として、取締役の一人をカルチャーづくりの課題解決における主体者に任命したとのことです。 トップと社員の思いを聞きつつ、調整弁にもなってくれる。トップと社員を橋渡しする役割を担う人材、繋げる能力を持つ人材をアサインすることが大事。CCOの方は、他社の事例や書籍などでインプットし、それをオペレーションに落とし込んでいく能力が非常に高かったとのことです。

トップではない自分たちに何ができるか。
ミッション・ビジョン・バリューの策定時に、トップとともに言葉を創っていくことも1つですし、自らがトップと他メンバーの橋渡し役になるのも1つの選択肢です。

「うちの社長が・・・」「上司が・・・」と言うのではなく、積極的にトップをサポートし、カルチャーを浸透させていく、そんな人間でありたいです。

私はビジョン策定チームに参加していると申し上げましたが、それとは別に社内のコミュニケーション活性化・ビジョンの浸透を目指して、社員インタビューを始めてみました。まだ80人中3人目ですが、社員のことを知る、ビジョンと自分の仕事を紐づけてそれを言葉として発信するという面がとても好評で、楽しく続けていきたいと思います。


と、たくさんの気づきと学びをいただいた時間でした。

足立さん・志水さん・唐澤さん、ありがとうございました!

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レポーター:北村早紀(変革クラブ幹事/2018期東京校)

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