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映像ディレクターが語る! 「GLOBIS 学び放題」のコンテンツはどう作られているのか

社会人の学びを強力にサポートする「GLOBIS 学び放題」の高品質な動画コンテンツはどのように作られているのか? グロービスの映像ディレクターにインタビューしました!

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庄司匡直(しょうじまさなお:以下、S)
新しい動画コンテンツが頻繁に追加更新されるGLOBIS 学び放題の映像ディレクター。

映像で学ぶと理解しやすい!

── 庄司さん、どうぞよろしくお願いします!

S:よろしくお願いします! いや、テックブログのインタビューに応じさせてもらえるとは思ってもみませんでした。

── よく「GLOBIS 学び放題」を見て勉強しているのですが、ふと、どんな人がどんな風な手順で作ってるのかなと気になったんです。コンテンツ制作ってソフトウェア開発とはどんな違いがあるかな、という興味もあって、今回のインタビューを敢行することにしました。

S:ありがとうございます。動画コンテンツ制作の裏話などもお話しできたらいいかなと思います。

── 庄司さんは、前職では映像業界にいらっしゃったんですよね?

S:そうですね。映像業界って大きく分けて、
「映画・ドラマ」
「MV(ミュージックビデオ)」
「CM(コマーシャル)」
「VP(Video Promotion:企業PR映像)」

というジャンルに分かれていて、僕はその中でもVPを手掛ける会社にいました。具体的には、メーカーさんの公式ビデオとか、プロダクトの紹介とか、企業のプロモーションビデオを作ることが主なお仕事でしたね。

── 企業のプロモーションビデオを作るときって、どんなことに気を付けるんですか?

S:プロモーションビデオでは、15秒から30秒くらいで、メッセージ性があって、伝えたいことがよりわかりやすい動画作りが求められますね。製品などの説明動画の場合は、訴求ポイントをわかりやすく解説して、もっと知りたいと思う人にちゃんと製品の魅力や優れた機能をお伝えする必要があります。

たとえば、伝えたい製品が自動車だったら「荷室が広くていっぱい荷物が積めます」とか「加速性能と低燃費が両立されています」みたいなアピールをするわけです。

その流れで、僕が以前いた会社では教育動画も扱っていました。学校の教育指導要領に合う動画コンテンツ制作を手掛けていて「数学」や「理科」「美術」などを作っていましたね。今は小学生でもiPadとかそういう端末を使って動画で学んでるわけです。

── 自分たちの子どもの頃を考えると信じられませんね

S:そうですよね! 他にもたとえば、プラネタリウムに行くと見られる「星の一生」みたいな映像とか「写真で見るギリシャ神話」とか、そういうコンテンツが結構得意で、いろいろな仕事をしてきました。

── すごいですね! 昔から動画制作が得意だったんですか? 映像の専門学校で学ばれたとか?

S:いえいえ、そういうわけじゃないんです。学校は、四年制大学の化学科を卒業しています。学内での研究発表で、映像を使ったプレゼンをしていましたが、独学で編集方法を学んだんです。

理系の知識って、映像にするとすごく理解しやすくなるんですよね。数学や物理・化学でも、生物・地学でも、さっきプラネタリウムの話もしましたが、難しいことをわかりやすく伝えられることに魅力を感じて、仕事として映像を選んだんです。

── そのまま映像業界で経験を積んでいっても良さそうですけど、なんでグロービスで動画制作をやろうと思ったんですか?

S:以前は、動画を受注制作する会社で仕事をしていました。外注で依頼されてる立場だから仕方ないんですけど、動画を作った結果どうなったかとか、どうしたらよかったかの振り返りって、できないんですよね。自社のサービスじゃないんで、作って納品したらもう終わりなんです。

作った後で顧客からフィードバックをもらったり測定したりして、どうしたらよかったのかとか、こんな見せ方でよかったのかとか、ちゃんと効果検証してどんどん改善していく……そんな環境にすごく憧れたんですよね。

── そういう背景があって、自社サービスで改善のサイクルを回しているグロービスを選んだわけですね。

改善はフィードバックの読み込みから

── 今は自分が作った動画を改善できる環境で仕事をされているわけですが、どんな風に改善活動に取り組んでいるんですか?

S:一番最初にフィードバックコメント※を見てますね。

※フィードバックコメント:動画の視聴後、ユーザーが任意でサービス運営へコメントなどを送ることができる機能

GLOBIS 学び放題」のユーザーは皆さん真剣に学んでいらっしゃるので、結構ストレートにコメントをいただいています。「事例が古いから変えてください」といった改善要望はもちろん「本当にこの動画で目が覚めました」とか「苦手分野だったカリキュラムや科目に親近感が湧きました」とか、ユーザーの声がちゃんと見られるので、フィードバックコメントを制作の一番の参考にしています。

また、オンライン上のフィードバックコメントだけでなく、ユーザーインタビューなどのイベントにご参加くださったユーザーに直接お声がけしたりしています。「こういう機能が欲しいです」「こういうコンテンツが欲しいです」みたいなリクエストをダイレクトにいただける、貴重な機会ですね。

── 自分が作ったものを受け取ったユーザーさんとの交流って、嬉しいですよね!

S:本当にそうです! 皆さんの成長を実感できるって幸せなことです。
その他にも、様々な種類の定量データを収集・分析する社内システムを大いに活用しています。すでに多くのユーザーの視聴行動データを分析していて、ニーズの高いテーマや改善が必要なコースの把握はもちろんのこと、動画自体の台本やビジュアルデザインの改善にまで役立てることができているんです。

ユーザーの声や視聴行動データといった様々なフィードバックをもとに、分かりやすく・飽きさせず・楽しく学んでもらえるコンテンツ作りを、チーム一丸となってこれからも研究していきます。

「GLOBIS 学び放題」のこれからに向き合う

── コンテンツ企画はどうやって立ち上がっていくんですか?

S:「GLOBIS 学び放題」は2021年でちょうど5周年を迎えていますが、これまではサービス内容を充実させるために、書籍のグロービスMBAシリーズに載っている事例をわかりやすく、網羅的に動画化しましょう、という企画から始まりました。

MBAシリーズ(350dpi)_1

やっぱり動画化するとなると、すごい情報量を、30分とか40分に集約することになるわけです。それは僕たちだけではできないので、他部署の協力も得て、優先順位とか、グロービスとして打ち出したいコンテンツ戦略とか、作りたい理想像とかに沿ってやってきました。

順次着手して、だいたい3年かかりましたが、ほぼ重要な科目や知識をすべて動画コンテンツ化したところです。

なので、個別のコースをそれぞれ独自に企画して制作したわけではなく、書籍のグロービスMBAシリーズを網羅的に早く動画化して「GLOBIS 学び放題」ならビジネスのエッセンスが学べるコースが幅広く揃ってますよっていう形に持っていくために頑張って、やっとここまでたどり着いた……っていうのが、今までの話です。

── ひと段落、という感じがしますね。

まさにそうです。ということで、実は今ちょうど、コンテンツ企画の方向性が過渡期を迎えており、これからは企画力がかなり問われると思います。

というのも、結局これまでは、原則を教えている本をわかりやすく動画化していっただけだからです。コンテンツのわかりやすさに自信はありますが、極論、原則だけを知りたいなら「GLOBIS 学び放題」じゃなくても情報を得られます

── 確かにそうですね。「クリティカルシンキング」ってWeb検索したら、いくらでも検索結果で出てきますし。

S:なので、ビジネスパーソンの用心棒としての「GLOBIS 学び放題」であり続けるためには、これからどうしていくべきかを考えなきゃならない。

忙しい社会人が毎日視聴しやすいように促進するとか、モチベーションが下がっちゃった人たちにもう一回興味関心を持ってもらえるような仕組みづくりとか、そういったユーザーをモチベートするコンテンツっていうのが今すごく課題になっています。

学ぶ意義とか、実務でどう役立つのかとか、わかりやすい学習効果とかを訴求するコンテンツってなんだろうと、いろいろトライしているところです。

コンテンツ設計のポイント:「達人の一冊」

── コンテンツを設計する上でのポイントは、どんなところにあるんですか?

S:「クリティカルシンキング」の言葉を使うなら、とにかく事前に「どんなイシューを立てるか?」です。

例えば「達人の一冊※」とかは、講師の紹介する本に応じて毎回ゼロから設計しています。

※達人の一冊:グロービスの講師がおすすめのビジネス書・教養書を紹介する「GLOBIS 学び放題」の人気コンテンツ

「達人の一冊」では、紹介する本のチョイスはある程度講師に委ねていますが、出口戦略といいますか、本の紹介により他のどのコースの視聴意欲を掻き立てられるか、といったコース間の接続性を意識して動画の台本を考えています。そうすることで、ユーザーに対して学ぶ意義を気付かせたり、興味関心を刺激してモチベートすることを狙っています。

新たな学びの広がりのきっかけにもなるコンテンツだからこそ、事前に視聴者の悩みやニーズをユーザーフィードバックや視聴データ分析から具体化し、解像度の高いイシューを立ててコンテンツ設計する、コレです。

── 「達人の一冊」が講師や紹介される本によってコンテンツの展開が異なっているのは、そういう背景があるからなんですね! 

S:そうなんです。例えば……そうですね、ビジネスパーソンのお悩みに多い、プレゼンの仕方や職場での人間関係、思考力の鍛え方、数字を扱うことに対する苦手意識、といったテーマがありますよね?
そういったベーシックなテーマを扱ったコース動画は「GLOBIS 学び放題」ではほぼ全て網羅しています。なので落とし所となるコースに視聴者を導けるように逆算して動画を構成し、出演する講師と打ち合わせて進めています。

さらに「達人の一冊」では、取り上げた本を通じて講師自身が個人的に伝えたいメッセージや体験談、主観的な解釈をお伝えすることにも、重きを置いています。
本の要約だけにとどまらない唯一無二の価値を吹き込むために、こういった様々な取り組みとコンテンツ設計を試行錯誤しています。


「GLOBIS 学び放題」のクオリティーをどう保つのか

── 「GLOBIS 学び放題」って、たくさんのコンテンツがあって今もどんどん増え続けていますが、こうしたコンテンツを高いクオリティーで作り続ける難しさや秘訣って、どんなところにあるんですか?

S:「ちゃんと教材として伝えなきゃいけないラーニングポイントに、台本・演出・ビジュアルデザインをどう意図を持たせて繋げるか?」を一番意識してます。

この点に関しては、コンテンツ制作に関わる多くの方々の叡智を、制作プロセスの中で集結させているのはもちろんのことです。

僕自身の取り組みで言うと、人に説明できるくらいにまで内容を理解する、というのを徹底してます。

── かなり勉強熱心でないと、大変そうですね。

S:この取り組みのメリットは、初学者目線でコンテンツを作れることです。
たとえば「空はなぜ青いのか?」を子どもに説明するときみたいに、自分にとっては当たり前のことでも、それを当たり前ではない人に説明するのは難しいですよね。
なので、初めて何かを学んだ時の理解の難しいポイントや、わかったときに感じる学びのおもしろさといった肌で感じた体験を、気配りポイントとして台本・演出・ビジュアルデザインの随所に散りばめています。

あとやっぱり深い内容理解があると、より簡潔に噛み砕かれた内容を、分かりやすい映像表現にまで落とし込むアイディアが湧いてきますよね。

── 「GLOBIS 学び放題」の、ユーザーに寄り添ったコンテンツ作りの秘訣を垣間見た気がしました。

S:ユーザーの学びに寄り添うとは、ユーザーのビジネスでの悩みや学ぶことの大変さに、正面から向き合う覚悟を決めることだと思っています。
作り手であると同時に、僕自身も一人の学習者として、ユーザーと共に成長していきたいです。

── 普段学んでいる動画は、緻密なコンテンツ設計と多くの心遣いが積み重なって形になっているんですね! 本日はありがとうございました!


S:ありがとうございました!

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