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食品輸出の基本知識⑦:「食品輸出をするための国の支援の有効活用法」

~食品輸出の基本知識⑦:国の支援と民間企業を有効活用する~
今回は、食品を海外に輸出する際に色々分からないことを聞くことができる窓口や相談先についてまとめます。食品輸出を進めると、色々分からないことが出てくると思います。そんなとき、どう疑問を解決するかお悩みの方は多いです。実は無料で質問できる先がいくつもあります。今回は、そんな困ったときに質問できる先と、情報収集する際に、便利な場所などをまとめて公開します。具体的には、
「海外から当社の商品に興味があると連絡があった、しかし当社のこの商品、そもそも輸出できるのか?」
「ある国に輸出するために、証明書を提出するように言われた。どこにどうやって聞けば良いのか?」
「ある国に営業したいが、その国のディストリビューターを紹介して欲しいが、そんな紹介をしてくれる先はないのか?」
「分からないことが多すぎすぎて、何が分からないか何から聞けば良いかも分からない状態です。どこか総合的な質問を出来る先はないでしょうか?」

今回は、そんな相談を聞ける場所を、まとめてお教えします。実は、そんなことを聞ける先をご存じない方が多いです。

最初に、これだけはお教えしておきます。「当社のこの商品は、いったいどの国に輸出できるのか?」その疑問を持っている食品メーカーの方が多いですが、その解答は「自社で使用している食品添加物をINS番号で調べて確認する。」これしか方法はないので、詳しくはこちらを確認ください。 https://note.com/globalsales/n/ne450f8774ca8 
更に、もう一歩進んでいる食品メーカーの方は、こちらから資料請求をください。『食品添加物海外対応ガイドラインhttps://www.food-export.jp/tenkabutsu1/ 


まず、国は2カ所の総合相談窓口を設けています。ここには食品輸出に関することは何でも無料で質問できます。その2カ所から紹介します。

1つ目の窓口は、農林水産省です。

農林水産省に、食料産業局輸出先国規制対策課という課があります。代表:03-3502-8111(内線4368)ダイヤルイン:03-6744-2398です。輸出先国・地域の輸入規制や日本政府の輸出証明書の発行手続等についての相談を一元的に受け付ける相談窓口です。詳しくはこちらのページから確認ください。 https://www.maff.go.jp/j/shokusan/export/e_soudan/index.html 

農林水産省には、海外市場開拓・食文化課という課もあります。代表:03-3502-8111(内線4311)、ダイヤルイン:03-3502-3408です。ここは、グローバルな「食市場」の獲得に向け、オール・ジャパン体制での農林水産物・食品のプロモーション、輸出に取り組む事業者の方々への支援、輸出実績の調査及び分析、日本の食産業の海外展開等を推進する施策を行う課です。そこには、食文化振興及び「和食」の保護・継承に関する施策を行っている「食文化室」と、輸出対応型の産地(グローバル産地)づくり支援、生産者(売り手)と輸出業者(買い手)のマッチング等を行っている「輸出プロジェクト室」があります。
分からないことは、まずは上記の2カ所で聞くというのが、スタートです。全て回答してくれるというより、「そういうことは、〇〇に聞いて下さい。」とアドバイスをくれる国の総合輸出支援窓口です。普段から、多くの食品メーカーから同じような質問ばかり受けている窓口なので、対応になれていて、色々教えてくれます。まずは、ここにコンタクトして色々聞いてみるというのが、食品輸出の第一歩です。


2つ目の窓口は、ジェトロです。ジェトロは、2012年1月に「農林水産物・食品輸出促進本部」を立ち上げ、農林水産物・食品の輸出をサポートする機能を強化しています。気軽に相談できる「農林水産物・食品輸出相談窓口」を東京、大阪、各地の国内事務所、海外事務所に設置しています。相談窓口は、Tel:03-3582-5646です。窓口としては、ジェトロ農林水産食品課(Tel:03-3582-5186)となっています。詳しくは、こちらのページから確認ください。 https://www.jetro.go.jp/services/advice/agri_foods/ イメージとしては、農林水産省が総合窓口で、実務窓口がジェトロという感じです。農林水産省に相談するとジェトロの窓口も紹介されますが、ジェトロから農林水産省を紹介されることはありません。
農水省とジェトロの2カ所の窓口に、「食品添加物の海外対応」について質問したことがありますが、「それがあると良いのですが、そんな情報をまとめているところがあれば逆に教えて欲しいです。」と言われて、当社で『食品添加物海外対応ガイドラインhttps://www.food-export.jp/tenkabutsu1/ )』を作成した・・・という経緯もあります。

ジェトロの有効活用法についてもまとめておきます。ジェトロは海外に関する機能を非常に多く持っています。管轄も出身も経済産業省なので、経産省管轄の問題解決や海外の企業設立のノウハウが凄いです。海外に事務所をたくさん置いていて様々な情報収集をしています。しかし、残念ながら農水省管轄ではなく、もともと機械やプラントなど大型機器の輸出やそういう企業の海外進出を支援されてきた背景があるため、食品の輸出支援という機能は総合的には弱いです。というより日本の食品メーカーが海外への輸出をゼロから立ち上げる支援を求められているのに、食品を自ら海外へ売って歩いた経験がない人が多くアドバイザーをしていて、外部から専門家を大勢集めて無料で輸出支援をしてもらえるのですが、食品の海外販路開拓のバリューチェーン全体を経験した人は1人もいなくて、アドバイスが非常に偏っています。
海外食品を売るには国内営業方法と海外営業方法があり、海外営業方法は4つの方法がありますが、そんな食品輸出営業の全体像は教えずとにかく展示会に参加するように誘導されます。展示会は来場者と購入者が同じとなる産業財の展示会は非常に効果がありますが、来場者と直接の購入者が異なる展示会に参加しても、かなり海外対応の準備が進んでいる食品メーカーでないと大きな成果はありません。予算消化に付き合わされるので注意が必要です。しかしジェトロの活用は日本食品の輸出に非常にサポートとなる面があります。しかし、ジェトロの活用にはノウハウがあります。ジェトロの活用ノウハウを知らないと、海外のことを何も知らない担当者につかまって、さも日本食品の海外輸出ビジネスを何十年も経験したかのようなアドバイスを食品輸出経験ゼロの人から教わることにもなりかねないので注意が必要です。ただジェトロには有効活用できる機能が数多くあります。使える部分をまとめて紹介しておきます。
(1)ジェトロの食品輸出に特化した支援サイト
こちらです。農林水産物・食品の輸出支援ポータルhttps://www.jetro.go.jp/agriportal.html )このページだけでかなり使えますのでじっくり確認してください。この中に『JAFEX(日本産農林水産物・食品輸出マッチングサイト)』というのがあります。https://www.jetro.go.jp/ttppoas/special/agri/agribj.html この機能は、無料で使えるアリババのようなサイトです。食品添加物の海外対応やFOBやC&Fでの見積もりが出せるようになったら、ここに登録されることをお勧めします。ジェトロのマッチング支援機能は素晴らしいです。マッチングだけすればそのまま輸出増加につながるわけではありませんが、マッチング機能は本当に充実しているので有効活用されることをお勧めしています。アリババもマッチング支援に特化しているである意味同じ機能です。


(2)ジェトロのサービス一覧
ジェトロは一体どんなサービスをしてくれるのか、ここに支援サービスの一覧があります。https://www.jetro.go.jp/services/advisor/ こんなに色々なサービスをしてくれます。それも無料のサービスが多いです。但し、日本食品輸出の実務知識も経験もない人がほとんどであり、中には海外に駐在した経験さえない人もいるので注意が必要です。実務の質問をするなら的を絞って、その人を探し出して、アポイントを取って話を聞きに行くほうが早いので、イオン時代はそうやって使っていました。ジェトロには、食品だけでなく機械の輸出や店の出店の話やサービス業の海外展開や海外での駐在員事務所や企業の設立など様々な支援依頼がやってきます。食品の輸出はたくさんある案件の1つでしかない、ということを理解しておく必要があります。


(3)海外のディストリビューター紹介機能
ジェトロは海外に事務所があるのでその国の駐在経験者がいます。現在駐在している人と本部でその国を担当している人、この2人に直接話を聞いたり、ディストリビューターを紹介してもらうのが一番良いです。ジェトロの機能のマイナス点は、各都道府県に事務所があるため、どこの県の企業か自社で名乗ってしまうと、その県の事務所が窓口になってしまうことです。ターゲットとしている国の駐在を経験し人脈を作った人から直接話を聞き、紹介を受けたいのに話を聞くことができない・・・ということがジェトロの最大のマイナス点です。

そこでその国に詳しい人に直接聞く方法ですが、まず総合窓口(03-3582-5511・https://www.jetro.go.jp/contact/contactlist.html )に電話します。東京の会社と名乗って、担当の国の人につないでもらいます。因みにアジアは「アジア大洋州課」という課があるのでその「アジア大洋州課の●●国担当の方と話をしたいのですが電話番号を教えてください。」と電話して、電話番号を聞いて、その国の担当の方の名前を聞いて、その後直接電話します。そしてアポイントを取って話を聞きに行きます。事前に日本食品を輸入しているディストリビューターの情報を聞きたい、紹介してもらいたい、と依頼してから会いに行くと良いです。そして実際に会ったら、「今度その国に出張するから駐在している方のメールアドレスを教えてください。」と依頼します。そしてその国に駐在して既に人脈を持っているジェトロの方にディストリビューターを直接紹介してもらい、その方の紹介を受けた・・・ということでディストリビューターにアプローチをかけていくことができます。これがジェトロ活用のメリットであり、使い方です。日本の信用を背負っているジェトロの信用を使い営業に使っていくことができます。


そして3つ目として、紹介しておくのがフォワーダーです。フォワーダーを早く見つけておかないと、C&F価格が作れないので、海外のディストリビューターと直接商売することができません。そのためには、フォワーダーとのやり取りが必要になります。このフォワーダーですが、実は食品輸出について色々聞くことができます。大手のフォワーダーになると、多くの食品を輸出しているので、輸出制限について非常に詳しいです。『当社のこの商品は、そもそも輸出できるのか?』という疑問は、食品輸出を何度もしているフォワーダーに聞くのが一番早いです。

『その国にそもそも輸入できるのか?』という質問は、ディストリビューターとやり取りすることですが、そもそも日本から輸出できるのか、というのは日本で調べる必要があり、それは実務をしているフォワーダーに聞くのが一番早いです。その調べ方ですが、ジェトロのホームページに載っています。下記のページから『物流関連企業』を選んで調べるとたくさん出てきます。 https://www.jetro.go.jp/industry/foods/trading_company_list.html 
間接貿易なら、この『商社』を選び調べます。直接輸出ならここから『物流関連企業』を選び、FOB価格やC&F価格を作るためのフォワーダーを選定します。早く1社選定して、色々聞くことができる先を増やすことをお勧めします。

FOB価格とC&F価格の作り方を確認いただき、ディストリビューターを上手に選定してください。

株式会社グローバルセールス 代表取締役 山崎次郎
日本食品を世界で売る会 チーフコンサルタント

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ありがとうございます!ぜひ食品添加物のグローバル対応もご確認ください!
イオンで31年勤務し海外業務に28年関与。2か国9年海外駐在。海外業務・海外商品開発・品質管理のスペシャリスト。食品輸出事業の責任者経験から海外営業・海外商品開発を多数コンサルティング。2020年業界紙「食品新聞」1面最上段で食品輸出ノウハウを20回に渡り連載。食品海外展開支援。

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