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部長研修

人は感情で動くと言います。

しかし、人を説得するときに私たちは「論理的な準備」ばかりを行って、肝心の「感情」について準備が十分だとは言えません。

また《詰将棋》のように、相手から徐々に逃げ場を奪われるような説得を受けると、仮にそれが事実であり、論理的には理解していても、どうしても感情的に納得がいかないものです。

人は、相手から受け入れられると感じると心を開きますが、相手が自分の意見とは異なる考えを持っていると感じると、心に隙を作っては「つけ入れられる」と思い、硬く心を閉じようとするものです。

敵味方の関係になったとしても、勝ち負けではなく、より崇高な目的を掲げることが大切で、仮に相手を負かせたとしても、私が勝ったのではなく、「天が導いたもの」で、勝ち誇るのではなくより謙虚になるという姿勢を示すことで相手もまた周囲もその結果を受け入れる心構えができるというものです。

社内における人事査定で、数名の中で「一人だけ昇格」するという場合、その結果にどうしても感情的に受け入れられないなんてことは良くあります。上司は、できるだけ全員が納得できるような論理的な説明ができることが重要ですが、最終的には、感情的に個々の候補者が腑に落ちるレベルの「言葉」を持てるようにならなければ、一致団結した組織力(チーム力)を発揮することはできません。

特に、高度外国人財にとって、人事評価は《真剣勝負》です。日本人のように、暢気に構えていないということを、会社は肝に銘じておくことが重要です。彼らは、自分の力が認められなければ、認めてもらえる「会社」を探すからです。

論理的な説明と、感情的な説得ができると、高度外国人財も次のチャンスへの情熱を持てるものです。

良く当研究所でアドバイスすることがあるのですが、「部長研修は課長に行う」ということを是非して欲しいと思います。全員が部長になるだけの実績と能力があるが、選ばれるのは一人だけだということ論理的に理解してもらい、さらに今回ダメでも次回最も部長の席に近い人が「アナタ」であるという希望を持ってもらうことです。

人は、希望さえあれば、どんな苦難も乗り切ることが出来るものです。

島崎ふみひこ
異文化コミュニケーション研究所(R)
https://www.globalforce.link/
日本企業のダイバーシティ教育、高度外国人財の採用・活用

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