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ジグソーパズル

文化の基本は、言語にあります。たとえば『敬語』ですがいろいろな言語を調べると、その文化における人間関係の考え方について理解が深まります。

日本で学んだ留学生たちは、比較的日本人の考え方を理解していますが、やはり母国語をベースにして日本の文化を理解をしているため、微妙にズレが生じます。

これは「ジグソーパズル」のピースがないのと同じで、一つなくても周囲の図柄から想像はできても、完璧にはできないといった感じに思って頂ければ、分かりやすいかと思います。

たとえばロシア語には積極的に「安全」を意味する言葉がないそうです。類似的な言葉として『ベザパースノスチ』があるそうですが、直訳すると「危険が存在しない」で、私たちの「安心」とは異なるそうです。

なぜそうなったのかと言うと、ロシアは歴史的に繰り返し侵略を受けてきたからという説があります。常に外敵の脅威に接していると、潜在的な恐怖感が「常に」あるため、「安心」という絶対的な感覚よりも「危険がない」という相対的な概念が強くなったということのようです。

異文化の人と接するときには、常に同じ風景が見えているとは限らないことを前提に、仲良くすることです。そして、「ジグソーパズル」のピースがないことに気が付いたら、無理して穴を埋めるように強要するのではなく、周囲の図柄から本人が感じ取れるように導いていくことが大切です。


島崎ふみひこ
異文化コミュニケーション研究所(R)
https://www.globalforce.link/
日本企業のダイバーシティ教育、高度外国人財の採用・活用

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