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「おもてなし」は完璧か?

お恥ずかしい話ですが、何度か電車の中に「忘れ物」をしたことがあります。

大切な物がないことに気が付くと、みんな青ざめますよね。私も同じです。
青ざめた顔で、駅の「忘れ物室」に駆け込み、紛失物届に必要事項を書き込み、その後には近くの交番に行って同じ手続きをしなくてはなりません。

し、しかしです。たとえばJR、東横線、京急線等の乗り入れがある駅で物をなくすと、大変な作業となります。各鉄道会社の「忘れ物室」で同じことをしなくてはいけないためです。

さ、さらに、湘南新宿ラインのように、栃木県、群馬県、埼玉県、東京都、神奈川県を走る路線の電車の中で物をなくした場合には、それぞれの県警で手続きをしないといけないのです!県警で横の繋がりがないというとんでもない「おもてなしの国」なのです。ちなみに、オンライン対応なんてもちろんできません。

来年に延期された東京オリンピックが予定通りに開催できたとすると、世界中からたくさんの人がやってきますが、それに伴い、比例して「忘れ物」も増えることが想像できます。

こんなお粗末でズタズタなネットワークで、「おもてなし」をしていることになるのでしょうか?

どんなに楽しい思い出を作って、忘れ物をしても出てくる素晴らしい国民性の日本であっても、忘れ物を探す手続きだけで、「もうあの国には行きたくない!」という気持ちになるのではないかと危惧してしまいます。

さらにダメ押しですが、JR東の場合、忘れ物が届いた駅にまでその「忘れ物」を取りに行かなければいけないのです。送ってくれるなんてことはしてくれません。

たとえば、先ほどの湘南新宿ラインの始発駅(久里浜駅)で落としたものが終着駅(宇都宮駅)で拾得されたとすると、久里浜から宇都宮まで取りに行かなければなりません。そして、その旅費も往復で6,160円(令和2年現在)請求
されます。(ちなみに京急電鉄さんは事前に申告すれば免除してくれました。(エライ!))

さてさてコロナ騒ぎで、行政の「IT後進国」ぶりが露呈し、「IT崩壊国」と揶揄されている日本ですが、「おもてなしの国」などと浮かれることなく、外国の人を本当に「おもてなし」したいのなら、やるべきことはたくさんあるように感じます。


異文化コミュニケーション研究所(R)
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日本企業のダイバーシティ教育、高度外国人財の採用・活用




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