英語の発音改善には音声治療?!

英語だけでなく、各言語にはそれぞれ特有の発声・発音体系があり、長年母国語だけ話して生活している一般人に場合、声帯、喉、舌、口などの発声器官がこれに固定されてしまうらしい。

また、聴覚についても同様で、長年母国語のみに囲まれた環境で過ごしていると、母国語では使われない音素が識別できなくなり、外国語習得時に、聴覚的に新しい音に慣れる必要性がある。

これを前提に、ネイティブ英語の習得を目指すことを考えると、母国語とは全く異なる発声・発音をするためには、固定化された発声器官のリハビリをしないと達成は困難だと考えらられそうだ。

確かに、こうしたネイティブ英語習得レッスンのうち、内容的に(日本語での会話時に問題がある方が行う)音声治療の訓練・リハビリと非常に似たトレーニングを行っているものも見受けられる。つまり、音声治療的な発声器官の矯正から取り組むアプローチだ。

アメリカ人やイギリス人と同じ土俵で、英語でパフォーマンスをする俳優業、ニュースキャスターや歌手、英語を教える大学教授・教員のケースなど、プロフェッショナルとして発音が重要視される職業については、こうした矯正は必須なのだろう。

しかし、留学やビジネス、観光といったシーンでここまでの特訓は本当に必要なのだろうか?

車の運転をするのにF1レーサーや自動車整備士のようなスキルは不要。草野球をするにしても、メジャーリーガーのような打撃や守備ができないからプレーしない、プレーすべきではないとは考えないのが普通だろう。だが、英語に関しては、ネイティブ英語でないと英語が話せない、通じないという通念が蔓延しているのは奇妙としか言いようがない。

だが、決して音声治療的なアプローチを否定している訳はなく、英語を含めた外国語習得時の基礎トレーニングとして、日本語式に凝り固まった発声器官を柔軟にしておくことは有意義であり、強いては、小中学校の英語の授業などでは積極的に取り入れるべきだと思う。


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