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失敗の本質-合理的に失敗する組織

「失敗の本質(ダイヤモンド社)・野中郁次郎(編著)
ー戦場のリーダーシップ篇ー

数年前に同著を読んだ時のメモだが、同時感じたことが色褪せるどころか、こうした実感が日々増しているので、書き留めておこうと思う。

長年に渡る海外在住経験から、日本人と欧米人の間には、個人や集団に対する厳然としてたアプローチの相違があると痛感している。そして、日本的組織が抱えるある種の不器用さにもどかしさが募るばかりだ。

この種の本を見ると、つい強い好奇心に駆り立てられる。

同著は、この相違を戦場という観点から分析し、日本的組織の弱点を鋭く見抜いている。この書籍の帯を飾るキャッチコピー ”いつまで「リーダー不在の悲劇」を繰り返すのか” には大い頷くところがある。

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日本的組織は「合理的に失敗する」という下りも幾度か登場するが、この言葉に遭遇するたびに、無意識に首を立てに振らざるを得ない。

強く直感に訴える説得力のある言い回しだけに、「リーダー不在=欠陥」と鵜呑みしそうになる。だがよく咀嚼すると、こうした組織のあり方のデメリットのみにフォーカスし、メリットを見落としていることにも気づく。

どうして日本の組織にはこうした特徴があるのか?どうして日本人はこうした組織を形成するのか?という点には言及はない。パラダイム転換を強いられる企業組織が一度は対峙すべき問いかけであろう。

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