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赤のトランプ大統領と黄色の安倍首相、「建設的な話ができた」とは、これいかに

9月23日、安倍首相とトランプ大統領のマンツーマンの夕食会が、マンハッタンのトランプタワーにあるトランプ氏の居室で行われました。通訳だけを交え、約2時間。

写真は首相官邸及び安倍首相のFacebookオフィシャル・アカウントにポストされたもの。

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「建設的な話ができた」とのことですが、この夕食会前に撮られた写真から読み取る双方の思惑と力関係はいかに?

通訳以外、他の人の存在が無い密な席、それもトランプ大統領自身の居室ということは、ホームでの試合と同様。確実に安倍首相よりもアドバンテージがあります。真っ赤で無地のタイを締めたトランプ大統領は、自分の強さを意識させ、強く攻め込む姿勢、圧倒・圧迫する意思が満々。一方、黄色地に青(青を挟むように細く白)のストライプ柄タイを締めた安倍首相は、そこには強烈さは無く、お行儀よく爽やかに好感度を高め、仲良くしたい姿勢が表れている。

ただ、この写真を最初見た時に頭の片隅で「?」と引っかかったのは、どこかでこれ見たことがあるネクタイであることに気づいたため。振り返ると、昨年2月11日にパームビーチで行われた記者会見時とそっくりでした。

NICHOLAS KAMM

厳密には違いますが、地色である黄色の色合い(明るく軽めの黄色)、ストライプ部分の色合い(青系)、ストライプの幅、ストライプのピッチ。安倍首相は多分このバランスがお好き、もしくは、これがいいと勧めている何方かがいらっしゃるということでしょう。

しかし、いずれにせよ今回の様にUN week中で、それもトランプ氏とのマンツーマンの密なディナーとなれば注目を浴びます。メッセージ性が高いとされるネクタイは、似ているけれど過去に身に付けて重要な場面としてメディアの記録に残っている物と、明確な違いがわかる物を選ぶことが大事。今までに見たことのあるシーンや姿は思いの外記憶されているもの。その上、ネクタイは消耗品という考えをもとにすると、あの時と一緒の物?こんな重要な場面に?!と、無計画さが露見してしまうわけです。国の代表として世界のメディアに注目される人間であれば、そのマネジメントも役目の一つ。

首相に限ったことではありませんが、エグゼクティブやパブリックフィギュアとしてのプレゼンスにおいて、記憶されやすい柄物は可能な限り避けることが安全。そして、ネクタイに関して言えば、赤、青は視覚から温度やパワーの強さに関するインパクトを与えるが、色の明度はそれほど高くないこともあり、その色を繰り返し身につけても、それほど「またあのネクタイ」とは思わせにくいのです。しかし、明るい黄色は明度・彩度ともに高いこともあり、キラキラしたものを見た時の輝きの残像のように視覚の記憶に残ってしまうのでしょう。さらに黄色地に柄のあるネクタイは、地色と柄が大抵の場合ハイコントラストとなるため、強い視覚的情報として伝達され、さらに記憶に残りやすくなると言えます。

マンツーマンの夕食会の場で話し合ったとされる内容やそれ関する見解はニュース報道にお任せするとして、また会の場での様子や話の運びがどのようなものであったかは、その場にいない限り詳しく知る由もないけれど、夕食会前に撮影された写真から読み取れることは、赤のトランプ大統領にしてみると、自分の方が心理的に強く出られること、そして相手方の黄色の安倍首相に戦う意思がなく、自分にナイスにしたい、よく思ってもらいたい気持ちがあることを最初に確認。その結果、またもや握手した手をポンポンと「かわいがり」をされているという図式なのかな?と容易に想像できてなりません。

さて、どうなることやら。

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