見出し画像

フォーマルハウト

某月某日、合唱団の練習の前に、Hyde Park Cornerにある、アプスリーハウスとウエリントンアーチに行った。English Heritageの会員で無料で訪れられるので、ずっと行こう行こうと思っていたのだが、訪問を後回しにしてしまっていた。友人がこの前訪れたとの話も聞き、昨日、空きがあったので、一念発起して予約してみた。

画像1

アプスリー・ハウスは、1815年にワーテルローの戦いでナポレオンに勝利し国民的英雄となったウエリントン公爵が1817年に購入した邸宅だ。ハイド・パークとグリーン・パークの間(ハイドパークコーナーのそば)にある。中には、ウエリントンの胸像、肖像画、ナポレオンにまつわる貴重な品々が収蔵されていた。戦の神Marsとしてナポレオンを描いた彫像や、ナポレオンが最初の妻に離婚の記念にあげたもののセンスがないと受領を拒否されたエジプト式食卓セットなど、面白い収蔵品もあった。コンパクトにまとまったかわいい邸宅で、眺めているだけで気分が良い。オーディオガイドは、元々の設定そのままに、子供向けの解説だったようなので、できれば再訪して新しい知識を得たい。

画像4

ウエリントン・アーチは、そのアーチの美しさだけでなく、アーチの上からホースガーズの方向に眺める一本道がまた壮観である。

画像3

もちろん、ハイド・パーク方面やアプスリーハウスを眺めるのも良い。

画像2

昨日のテートブリテンの帰りから、何故かずっと富山優子さんの「フォーマルハウト」が心に鳴り響いている。特に、転調後のサビの始まりのAsの音。この曲はサビで同音を基軸に揺れ動き、次のフレーズでさらに1音下げた音(Ges)を基軸に揺れ動くようなメロディなのだが、寂しさと切なさがどうも心に残ってしまう。転調前のサビはGesで始まるのだが、転調後の2フレーズ目のGesのラインの印象とも重なってより切なく感じてしまう。そして切なく言い放つ「気付けなかった」という言葉。みなみのうお座の「フォーマルハウト」は、周囲に明るい星がないことから、「ひとりぼっちの星」と言われることも多いらしい(下記リンク参照)。

この曲は、4枚目のアルバム「フォーマルハウト」の1曲目で、次の曲が「わたしたちは、たった、ひとりだ。」というのもまた意図的なように感じてしまう。そして、このアルバムの終曲で「怖いわけじゃないの、ただ会えないのが寂しい」「また会いましょう」という言葉で完結する。この一貫性をアルバム内に生み出している素敵な曲だと思う。この曲のMVは出されていないので、Youtubeのライブ配信のアーカイブを貼り付けておく。「フォーマルハウト」の再生位置から始まるように設定している。

なんか、話が逸れてしまったが、お酒のせいということにしておこう。今夜は合唱団のメンバーでもある上司と日本食料理屋で久保田千寿を飲みながらしっぽりやった。このお酒は飲み放題で4人で3升開けて量を減らした4本目が投入されて以降、自分の理性と記憶をなくした曰く付きのお酒だが…やはりうまい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?