マガジンのカバー画像

映画『ホビット』EE版考察(二周目)

11
主人公側から観てしまうと分かりにくい裏ストーリーを主観的合理性とリアリズム(IR)の観点から掘り下げる。全11回。考察一周目⇒ https://www.nicovideo.jp/… もっと読む
運営しているクリエイター

#リアリズム

#9 タウリエルは森の向こうで何を見たか──ネオリアリズムの世界観

さて第9回の今日は映画の現在軸に戻って。 赤ん坊はパパの心配をよそにすくすくと育ち、今や守備隊を率いて蜘蛛退治──と思いきや、国王に報告にきたのはレゴラスではなくタウリエルだったね。 『命令一元性の原則』ってのがあって、直属の者をすっ飛ばして命令や報告は出来ない。もしタウリエルの上官がレゴラスなら、レゴラスが国王に報告する。レゴラスをすっ飛ばしてタウリエルが国王に報告することは出来ない。また国王もレゴラスを介さずに、直接レゴラスの部下であるタウリエルに命令することは出来な