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男を家に上げてしまう日

8月26日(月)

ポメラを紛失したからスマホで日記を書いている。時間がかかって仕方ない。

たった2時間の時差でもそれなりに影響は受けるもので、昨日あんなにたくさん寝たのに朝なかなか起きられなかった。
家から駅までも駅から職場までも全力でダッシュして、9時からの会議になんとか9時00分台に滑り込む。
会議は順調に進み、私のチームの担当分の仕事はとりあえずオーケーが出たのでよかった。

骨髄バンクから電話が来て、ドナーのコーディネートは今回は見送るとのこと。私は直近5月にぎっくり腰になっていて、今も整体に通っていることが理由だそう。腰痛があると手術後に悪化の可能性があるとは聞いていたけれど、正直ぎっくり腰一つで骨髄提供できないなんて思ってもみなかった。
その患者さんの病状はどうなのか、他にドナーが見つかりそうなのか、守秘義務があって知る術はないから祈るしかない。
責任を感じても仕方ないとわかっているけれど、やっぱり落ち込む。人の役に立ちたかった。私でも人の役に立てるんだと思いたかった。
同世代の友人や弟が仕事で社会貢献したり家族のために尽くしたり子育てをしたりしている中、「誰かのために」生きることを放棄して自分の欲望を満たすことだけ考えて好き勝手やっていることにやっぱり私は引け目があるのだった。
骨髄提供かそれ以外の方法かわからないけれど、次に自分が誰かの力になるべきときが来たら、そのときちゃんと力を発揮できるように、心身ともに健康でいられるように努めたい。と思うけれどそこで自分の子宮頸部が「要精密検査」であったことを思い出してまた落ち込む。

夜はTと近所の蕎麦屋に行った。久々の和食と日本酒はここで、とベトナム出発前から決めていた。鍋島のNew Moonとブラウンマッシュルームの天ぷらが美味しかった。

昨日から続く色々な落ち込みを引きずって、ひさびさにTを家に上げてしまった。ひさびさにさわったからか私の知っているTとは違う人みたいだった。2時頃目覚めるともう隣にTはいなくて化粧なんかもちろん落としていなくて冷房が効きすぎていてベッドの足元に服が散らばっていてカバンは玄関に置きっぱなしで玄関の鍵はもちろん開きっぱなしで。だから嫌なんだ、男を家に上げるのは。勝手に入り込んで勝手にいなくなる。ぐちゃぐちゃの部屋と自分だけが残る。さびしさを感じる神経はとうに麻痺している。

#日記 #エッセイ #酒 #恋と似て非なるもの

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