見出し画像

納屋を焼く 村上春樹

 「バーニング」という韓国映画に触発されて原作の「納屋を焼く」を読んだ。30ページのこの短編は、僕の彼女の恋人から、2か月に一度他人の納屋を焼く、という話を大麻を吸いながら聞いたことが鍵となっている。これがいうところのミステリかどうかはわからない。
 それより、この短編から詩情あふれる脚色と映像を紡ぎだした、イ・チャンドンという監督に敬意を払いたい。とても良い映画だ。
 主人公の僕と突然不在となった僕の彼女とお金持ちの彼女の恋人。
 最も染み入ったのは彼女の哀しみ、と彼女の恋人の倦怠だろう。短編小説のほうは彼女は少ししか現れていないが。
 映画より先に読んだなら、どう思っただろう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?