英語が話せるようになる3つのステップ
僕は高校まで福岡県で育った。
高校を卒業するまで一度も引っ越した事はなかった。
その後、留学して何気にエネルギーを使ったのが、日本語。
日本の色々な場所から留学しているので、同じ留学している日本人と話す時に、標準語を使わないとわかってもらえない。
九州方言あるあるだが、
直す=片付ける
はわく=掃く
からう=背負う
等、わかってもらえない方言を言い出したらキリがない。
方言の違う地域に引っ越した事のある人はわかってもらえると思うが、自分の頭の中で、浮かんできた言葉(慣れ親しんだ方言)から発したい方言(新地の方言)に変換して口から実際に口から発する事になる。
その言葉の使用頻度が上がることで、新しい表現に慣れる。
方言の例に戻るが、九州の方言で「なおす」と言ったら、「片付ける」ことを意味する。卓上塩を指差して、「戸棚にこれをなおしておいて」と言われたら、「戸棚に片付けて置いて」ということ。
話す相手を見て、頭の中で「なおす」を「片付ける」に変換して話さないといけない。同じシチュエーションで「片付ける」を何度も使用していると「なおす」は使用頻度が下がるので、そのシチュエーションで思いつくのが「片付ける」になってくる。それが新しい方言(標準語)になれるということだろう。
そして、それは違う言葉を習得する最初のステップでもある。
つまり、最初のステップは
1 何かを表現する時に、対応する英単語が出てくること
同じことが、言語が違う場合にも言える。
今まで、赤い色のサクサクした食感の皮をむいて食べる果物は「りんご」と呼んでいたが、特定の環境にいる場合「apple」と使わないと意思疎通ができなくなる。
これは、方言と標準語の関係と全く同じ。
実際、僕の体感として、ある時にある物体を見て、英語が先に出てくるようになった時にちょっと英語が話せるようになったなと実感した。
留学して3ヶ月から6ヶ月のイメージ。
そうなると、ルー大柴のような日本語になってくる。
(もちろん、「藪からスティックに」とは言わないが、、、)
逆に、その事象を表す言葉を英語で先に覚えた場合、その言葉の第一言語は英語になり、日本語が出てくるように練習しないといけない。
僕の会計用語の第一言語は英語になっている。それまで何の会計知識もなしに英語で会計の授業を取ったので、英語でしかわからなかった。例えば、depreciationという言葉(コンセプト)を習って、家に帰って英和辞書で調べると「原価償却」という言葉が見つかるが、この日本語の減価償却の意味がわからない。どんな言語でも減価償却、depreciationというコンセプトを知らないからだ。
方言の例で言うと、標準語を先に覚えてしまって、方言が出てこないパターン。
以前、こちら↓でも書いたが、基礎的な単語力は必須。後は、どれくらいの知的水準の事を話したいかによる。
旅行に行って観光するだけなら、それほどの語彙力はいらない。
けれど、法廷闘争のドラマを見るんだったら、法律の知識や語彙も必要。司法試験に受かるほどは必要なくても、negligence=過失、そしてその意味くらいは知っておかないと、刑事ドラマを見てもきっと面白さがわからないだろう。
「新しい言葉を覚える事は、方言と変わらない」と言うコンセプトを持って勉強すると習得スピードも上がると思う。なぜなら、英語を話すよりも方言を話す方が簡単と思っている日本人が大半だと思う。何かを学習する上で、心理的ハードルを低くすることは非常に大事。
ちなみに応用編で言うと、NYからロンドンに引っ越してきた時に、英語から英語への変換も必要になってくる。
例えば、
exit=way out=出口、
line=queue=(待っている)行列
「なおす」を「片付ける」に変換したように、英語内での変換が必要になる。
自分の生活にある回りものがちょっとずつ英語に置き換えられるようになったら、次のステップに進むGOサイン。
2 単語の順番が英語で出てくるようになる。
単語がわかってくると、相手の話している単語がわかってくるので、少なくとも何の話をしているかがわかってくる。そうなると、こちらも何か言いたくてうずうずしてくる。最初は一つの文章を考えるだけでも大変だが、慣れてくると、接続詞や関係代名詞を使って色々説明できるようになる。そして、一般的な事を言うことができるようになる。
初期段階: I want to eat chocolate.
2段階目:I want to eat chocolate because I am hungry.
3段階目:I want to eat chocolate that you gave to her because I am hungry.
初期段階: 私はチョコレートを食べたい。
2段階目:私はお腹が空いたので、チョコレートが食べたい。
3段階目:お腹が空いたので、あなたが彼女にあげたチョコレートを食べたい。
初期はbecause, since, but, however,等が使いやすいが、この辺をクリアすると、so that, unless, nonetheless的な日本語からだと一回考えないといけないような単語が使えるようになる。そうなってくると文章の幅が広がってくる。
rarely, barely, last person等notは使わないけど、ほぼ否定の意味になるような単語をサラッと使えると英語が上手くなった気がする。
更に一般化するできるとよい。the one who speaks Englishとか言えるようになると表現する幅が広がります。
ここまでくると、相手の言葉で言っていることがわかってくる。
しかし、本当の戦いはここから。
言葉ズラを理解できるようになったとしても、相手の言っている事は理解できているとは限らない。最終的に必要なのは、
3 文化的背景や相手の真意を理解すること
日本語同士のコミュニケーションでも必要であるが、いわゆるコミュニケーション能力に分類されるものかもしれない。
喉が渇いたなーと言われて、
そうなんだねと答えるのか、
無言で水を持って来るのか、
さっきポテトチップスいっぱい食べてたもんねーって答えるのか
お前の前世は砂漠で干からびて死んだんじゃね?って答えるのか
「もうルビコン川を渡った」って言われて、
「どこの川のこと?川って何?」って答えるか、
「この人は腹を括ったんだな」と思うか、
「あなたはリア王みたいだね」と言われて、
王様みたいって言われて喜ぶのか、
憤慨するのか、
落胆するのか
「もうくるみ割人形の季節になったね」と言われて何と答えるのか。
例を挙げればキリがないですが、
コニュニケーション能力、培ってきたその人の教養、文化全般に対する造詣の深さ、相手を理解しようとする気持ちに大きく左右される。
NYにいた頃、隣に座っていたアメリカ人にdomo arigato-って歌っていました。
変な歌歌っているなと思って「何だその歌?」と聞いたら、
「この歌も知らないのか??」
と言ってリンクを送ってきました。
調べてみると、80年代にアメリカで流行った曲とのこと。
僕からしたら「知らんがな」って感じですが、知っていたらもう少しうまい返しができていたかもしれません。
アメリカ人は映画の比喩が好きなので、割とキャッキャ言って盛り上がります。
シェークスピアの一説なんかを引用すると、一目おかれたりします。聖書の引用も得点が高い(何の得点か分かりませんが)ですが、違う宗教の人に言うと色々面倒臭くなることも多いので気をつけた方がいいです。
かなり危険ですが、ブラックジョークも決まるとかなり爆笑されますが、度を過ぎると、、、、な感じになっちゃうので、関係性、言葉選び(言語と言う意味ではない)が相当大変です。内輪ネタなんかも関係性を深めるために有効な手段です。
この3つのステップは1が終わったら、2へ進んで、2が終わったら3に進んで上がりと言った類のものではありません。1→2→3をグルグル回していかないといけません。ネバーエンディングストーリーです。
ネバーエンディングストーリーと聞いて、ファルコンが頭に浮かんだあなた。
もう英語を話せる第一歩を踏み出しています。
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