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beautiful code

世界は美しい暗号に溢れている。


そのとき見ている景色に、もう一つ別の、どこかの、いつかの景色が重なることがあった。それは過去に行ったことのあるどこかであったり、ネットや雑誌で見かけたことのある景色であったり、まったく情報も知らず行ったこともない異国、もっと言えば「ここ」ではない、地球にはないどこかの景色であったりした。

アート作品や器、音楽、鉱物もそうだ。
美しいものは景色を呼び起こし、重ね、拡げて、そして解き放つ。


なんてことのない日常に存在する暗号に気づき、心を開いて、扉を見つける。
鍵はいつでもあなたの手にある、と誰かが言う。あるいは自分自身が。

触れずともそれは開かれる。あなたが視線を向けただけで。祈る仕草さえ必要としないだろう。


美しい暗号とは、きっと世界に撒かれた種だ。希望だ。

そのように思いながら、晴れた日の窓辺でうたた寝をしている。