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星座になりたいなら、まずは孤独から【日記:2023/3/20】

バンドというのは不思議な関係性に思えます。
友達のようであり、家族のようでもあり、だが単に仲が良いだけではない。
仕事上の同僚のようなドライさもありつつ、しかし決して定時を過ぎたら
サヨナラバイバイのような淡白な関係性でもない。
本気さ故に衝突したりもする、戦友とでも評するべきような
そんな独特な関係性が私はとても好きです。

それはそうと、いつものようにTwitterを眺めていたら、こんなツイートが流れてきました。
実際のところどうだか分かりませんが、同タイプのギターがたくさん中古に並べられているので、挫折したオタクの遺品である可能性は高そうです。
独学、特に楽器のような非言語的で技術的な分野の技能を一人で身に着けるのはとても難しい。
インターネット時代で教材はネットに転がっていたりしますが、やはり教師がいるに越したことはありません。
私もピアノを独学で練習していたことがあるのですが、弾いていて合っているのか、間違っているとして何が間違っているのかよく分からないのでとても苦労しました。
何となく弾けるようになることでさえ、かなりの時間がかかるし正直言ってストレスの方が大きいくらい。
アニメきっかけで楽器を始めたオタクが、身につくところまで行かずに辞めてしまうのも、至極当然というところです。
……初期ぼっちちゃんの無垢な目線が辛いぜ……

ぼっち・ざ・ろっく1巻より

ぼっちちゃんと言えば、実はかなりの努力家。
中学1年生から始めて完全な独学、一日6時間の練習を2年以上続けるという厳しい修練で身に着けているというのだから、驚異的。
一般的にはスーパー陰キャのクリーチャーとして有名で、半ばギャグキャラとも化している彼女であるが、ギターの腕前はすさまじい。
楽器が違うので単純比較はできないですが、8歳頃から練習し始めて、周りに音楽の師匠がいた虹夏ちゃんやリョウよりも腕が上と描写されているほどに。

毎日6時間を2年以上となれば、合計の練習時間は4,380時間以上。
睡眠や食事、学校の時間を除いたほとんどを練習に費やしていることになります。
友達を作ったり、遊んだりは到底できない練習量。
ぼっち脱却のために始めたギターなのに、練習のし過ぎで人とのコミュニケーションの時間を失くしてしまうというのは本末転倒染みていますが、すごいものはすごい。
ぼっち故に身に着けることができたパワーですね。

こういった力に個人的には憧れます。
孤独に耐えて得た、他の人間がいなくても成立する人間個人としての力。
社会的に生きていると、人の中でどう上手くやる能力ばかりが成長してしまって、一人になって自分が何もできないことに気づかされますから。
冒頭でちょっと書いたように、バンドとかも正にそういう場。
もちろんコミュニケーション能力は必要でしょうが、能力で繋がるもの同士、演奏能力があった上での話。
破天荒な天才と何だかんだずっと組み続けたバンドメンバー、みたいのはよく聞く話です。

ぼっち・ざ・ろっくの人気曲で「星座になりたい」という曲がありますが、
こう考えてみるとよく言ったものですね。
誰かと星座になる、つまりバンドを組みたければ、まずは孤独に自分を光らせる努力をしなければならない。
自分の魂の燃料を燃やす恒星同士、光が干渉して衝突し合うこともありますが、地上からみる鑑賞者としてはそれも含めていい味になる。

バンドみたいな強い絆で結ばれた仲間というのに憧れるものですが、それが欲しいならぼっちちゃんを見習って毎日6時間頑張るしかありません。
目指すは一等星。
ああ、私も早く星座になりたいな……


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