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廻り続ける爆弾は【日記:2023/7/26】

住宅地を歩いていると、いわゆるその街の広報板という物をよく見かける。地域の祭りだったり、小規模なセミナーや習い事のお知らせなどが貼られているアレだ。
ローカルな話題がほとんどなので、その地区に住んでいない人間には関係がないのだが、たまに面白い張り紙が貼られていたりするので、散歩する時に私はこれらを欠かさずチェックしている。

面白い例を一つ紹介しよう。例えばこちらだ。

多分、こちらの画像をパッと見ただけでは、何の変哲もない広報板にしか見えないと思うので、別角度の写真も用意した。

お分かりいただけただろうか?

そう、あまりにも読む人のことを考慮していない、狭苦しい配置なのだ。
植え込みとの間の距離はおよそ50cm程度しかなく、もし読もうとするのであれば、ほとんど接写するような体勢になるしかない。かといって、離れて読もうとすれば、葉っぱに邪魔されてよく見えない。
貼り紙の内容を見るに、一応更新はされているようなのだが、このポイントを利用している読者は一人もいないんじゃないの?と思わせる不便さだ。

似たようなスポットは他にもある。

見て分かる通り、木々が侵食してきてしまっている。黒板の背景も緑色なせいで、遠目からだとそもそも存在に気づくのすら難しい有様だ。
こちらも貼り紙の内容自体は更新されているようで、元気にラジオ体操の宣伝がなされている。

こういった地域の広報板がどのようなシステムで運営されているのか私は知らないが、誰か改善しようと思う人はいないのか、とは思ってしまう。
完全に無駄、ないし効果が薄い箇所のように感じられるし、撤去あるいは状況の改善をするのが「利」の世界においては常道なのではないだろうか。
行政の怠慢か、あるいは地域社会特有の「出る杭は打たれる」的な圧の結果なのか、それはよく分からないが、「利」ではない世界の入り口をそこに見た気がして面白い。

一枚の広報板の裏にある、地域社会の爆弾ゲームの姿。
それは私の妄想ではありますが、ローカルな日常の中にそういう要素が隠れているかもしれない、と思うことが楽しいんですよね。
オタクって、「昼は学生、夜は特殊組織の隊員」みたいな秘密の二面性を持っているキャラが大好きだから。その延長線上みたいな感じがします。



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