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凄いぜ、サグラダ・ファミリア【日記:2023/5/23】

昨日、「サグラダ・ファミリア 天才ガウディの謎の挑む」というドキュメンタリーがNHKで放送されていたので見た。面白かったです。
『サグラダ・ファミリア』と言えば、建設途中の世界遺産として有名で、3年後の2026年完成予定ということで一時期話題にもなりましたね。
個人的にも、『サグラダ・ファミリア』は結構好きだ。行ったことはないけど。少なくとも法隆寺よりは気に入っていると思う。
単純に私が、西洋のデカい教会建築に憧れを持っているというのもありますが、未完の世界遺産というキャラクター性がとても良いですよね。
今まさに、たくさんの人の手で組み立てられようとしている空気感があって、ロボットアニメにおけるエンジニアが頑張るシーンみたいなカッコよさがある。

それは置いといて番組の話に戻りますが、そんな『サグラダ・ファミリア』は紹介されている通り、着工からおよそ140年。初代建築家が工事を開始したのは遥か19世紀末の1882年のことで、既に世紀を二つもまたいで建設が続いている建物らしい。
然るに、設計者や建設責任者までもが何度も更新され、間に挟まった戦争などが原因で資料がなくなってしまったりと苦難も多いよう。
本番組はその二代目設計者の『アントニ・ガウディ』の残した設計図と、彼の思いを受け継がんとする現代の建築家・芸術家たちのこだわりが焦点になっているのですが、非常に熱い!

ガウディが残した僅かな設計図と作品群から想像を膨らませ、彼のイメージした世界を再現しようと頭を悩ませる芸術家。物理的に設計不能な塔の建設のため、世界中から石を取り寄せて新工法の開発を進める建築家。1ミリのズレも許されない作業に全神経を集中させる作業員たち。
違った立場の人々が協力して、真剣な顔つきで仕事をしながらも、成功の瞬間には共に喜び合うそれは、まさしく映画のハイライトのよう。
ふと缶コーヒー『GEORGIA』のCMの『世界は誰かの仕事でできている』というキャッチコピーを思い出しました。

やっぱり仕事に真剣で、そして嬉しそうに成功を喜ぶ大人たちを見ると、どこか胸が熱くなりますね。
日本だと労働に対する怨嗟の声ばかりが目立ちますが、仕事を通した信念の交換というのはいいものです。
残念ながら新型コロナウイルスの影響で、完成は2026年から少し伸びるらしいですが、こんな大人たちが沢山いるのなら、完成はもうすぐでしょう。

余談ですが、『サグラダ・ファミリア』の地下聖堂にはガウディの墓があるらしく、現在の工事関係者たちもアイデアに詰まると彼の元を訪れて思考を練ったりするらしい。
凄いな、と思った反面、少しばかり羨ましさを感じてしまった。
死してなお、これほどまで多くの人間の後を継いでもらえたら人間の死にざまとしては最高だから。無論、彼がそのような存在になれたのは、彼の実力、そして私財を全て投げ売ってまで工事を進めようとした魂の尊さゆえだとは分かっていますが……

『サグラダ・ファミリア』の工事はきっと今日も続いている。
完成がいつになるかはまだ分かりませんが、出来上がったら必ず見に行こうと思います。その時は私も皆に習ってガウディに挨拶しに行こうかな。
先人の大いなる仕事と黄金色の魂に敬意を表しに、ね。

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